拝啓、消えたあなたへ

夜咲

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どっちが?

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「それじゃ行く場所ばれちゃうじゃん。明日は私が運転するの」

「好きな子の前ではいいところ見せたいんです!愛莉ちゃんわかりましたか?」

ほらまた子供扱い。

お互い一歩も譲らないまま十分が経った。

朝ご飯なんてとっくに食べ終わってるのにまだ話し合い中。

「だから私が!って時間やばいって」

「え、あと二十分で出る時間じゃん」

「私片付けるから服持ってきて早く!!」

そう言ってお皿を急いで運ぶとガシャンと音がした。

「愛莉、大丈夫?」

下を見ると初めてお揃いで買ったお皿が割れていた。

「ごめんなさい。本当にごめんなさい」

大切にしていたからショックで謝ることしかできずにいると翔太さんは私の手を取って怪我がないか確認する。

「あ、ここ血出てるじゃん」

小指が少し切れていたのを翔太さんが見つけてあわあわしている。

「痛くないしそんな大げさに驚かないでよ…」
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