拝啓、消えたあなたへ

半年後

時間が過ぎるのは早いこと、もう半年が経った。

寒い寒いこの季節。人肌を感じたくてときどき寂しくなる。

天国に季節ってあるのかな。だとしたら翔太さんも寂しいって思ってくれているだろうか。

この半年いろいろあった。私は隼人の事を思い出すのが嫌で前に翔太さんが働いていたところに転職した。

おめでたい事に志乃さんと拓也は付き合って、今でも月に二回くらいは三人で会っている。

職場でも仲のいい人が何人か出来て楽しい毎日を送っている。

翔太さんの御家族にもあれから一回会ったし、美優さんもときどき連絡をくれる。

それに翔太さん、私の夢によく出てきてくれるの。これも頑張れる理由の一つ。

そうやって周りの人に助けられながらどうにかやってきた。

今は家で筋トレ中。この半年でたくさん食べちゃったし運動不足なのもあって最近は翔太さんがときどきしていたのを思い出して頑張っている。

「はー疲れた。ちょっとは痩せたかな。モナ王たーべよ」

今は二人で住んでた家にひとり。翔太さんと住む前は拓也と住んでたし、その前は実家だったから何気に一人で住むのは初めて。

意外と楽しかったりもする。

モナ王を取りに行こうとすると棚の脚でこのかじかんだ足をぶつけた。

「痛いっ」

しゃがみ込むとぶつけた小指の爪が割れていて、ついてないなあなんてぼーっと考える。

その棚は翔太さんがよく使ってた棚で私も中を見た事がない。勇気を出して開けてみると、日記のような物が入っていた。