好きです、今も。

めある

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秋、テスト。

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他にもある秋の日――

風がすっかり冷たくなって、心地よい、どころか少し肌寒くなってきた。
視界に映る木は黄色に色づき、その葉をはらはらと落としている。
道場の裏でこいつと飯を食うことが当たり前になってきた秋頃。
相変わらず会話は少ないけれど、居心地の良さはあの夏から変わっていない。

「あ、そういえば、もうすぐテスト期間か。」

何気なく呟いた俺のその言葉に、安達はびくりと肩を揺らす。

「……どうした?」
「いや……何でもないです。」

そう言って目線を逸らす安達に、首を傾げる。
そして一つ、唐突に思い当たった。

「あ、さてはお前、勉強苦手?」

視線は一向に合わせられない。

「……一学期の期末の平均は?」
「……44点です。」
「赤点ギリギリじゃねぇか!」
「一応全教科赤点は回避してます。」

少し自慢げに安達はそう言った。…いや、自慢気に言うことじゃないだろ。

「ドヤ顔すんな。全然誇れることじゃないぞ。」
「……これでも頑張ったんです。」
「そうかそうか、えらいな。」
「それ馬鹿にしてますよね。」
「してねぇよ。褒めてんの。でもお前、赤点とったら補習だろ?……部活する時間減るけど、いいのか?」

俺がそう言うとはっとした顔で、固まる。

「あれ、もしかして……知らなかった?」
「……今からでも間に合いますかね。」
「うーん、お前の努力次第?」

俺が肩をすくめると、安達はしばらく黙ったまま箸を動かしていた。
箸先で弁当をつついて、何か考え込んでいる。
冷たい風がひゅうと吹いて、枝を揺らしていく。
沈黙が二人の間に落ちる。

やがて、安達は意を決したようにこちらに視線を寄越した。

「…先輩、教えてくれませんか。」

小さく、しかしながらどこか深刻そうにそう呟いた安達に俺は思わず吹き出してしまう。


――あーあ。ほんと、可愛い後輩、手のかかる。

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