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雪、贈り物。
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安達を慰めてから数日後。
いつもの昼休み。
最近は雪が積もっているせいで外で食べられないため、道場前の廊下で飯を食っている。
だが、廊下に暖房器具なんてものはもちろんない。
だから、最大限の防寒装備をして食べている。
……それでも寒いことに変わりはなかったが。
夏は暑くて、冬は寒い。ほんとに何でこんなとこで飯食ってんだか。
そう思いながら今日もかじかむ手を息で温めつつ、二人で飯を食っていた。
駄弁りながらもそもそ飯を口に運んでいると、急に思い出したように安達がごそごそと何か取り出した。
「先輩、これどうぞ。」
目の前に差し出されたのは、水色のリボンでラッピングされた「何か」。
思わず首をかしげる。
「……急になんだ?」
「先輩、今日誕生日ですよね。おめでとうございます。」
「お、おう。ありがとう……ってことはこれまさか。」
「プレゼントですけど。」
一瞬、言葉を失う。
――安達が、俺に?プレゼント?
頭が状況の理解を拒む。思考がぐるぐると回りだしてまとまらない。
対する安達は急に黙りこくった俺を不思議そうに眺め、首を傾げた。
「……どうぞ?」
そう、受け取るように促されたらどうしようもない。
俺はおずおずとそれに手を伸ばす。
かさり、と俺の手に収まった「それ」は軽い。
けれど、安達が俺にくれたもの、と捉えてしまえば。
それは急に重くなったように感じた。
「お、お前、誕生日とか気にするタイプだったんだな……」
そうぽつりと呟いた俺に安達は首を振る。
「いいえ?誰かに誕プレあげたのなんて先輩が初めてですよ。」
――いま、こいつ、なんていった?俺が初めて……俺が初めてだって!?
その言葉を理解した瞬間、ぼっと火がついたように体が熱くなる。
乱れた息が白く空気に溶けて行った。
耳まで真っ赤に染まっている自信があるのに、こいつはまだきょとんとしたまま俺を見ている。
その視線から逃げるように、俺は目を逸らした。
「……そういうのは女子にやれよ……。そもそも俺、お前に誕生日言ったっけ……」
「他の人が言ってるの聞こえてきました。……先輩には、その、お世話になってるので。」
安達は少し頬を染めて視線を弁当へと落とした。
気まずい沈黙が流れる。
その中で安達がちらちらとこちらの反応を窺っているのに気づいた。
そんな安達とプレゼントを見て、思わず笑みがこぼれる。
「……でも、ありがとう。嬉しい。」
安達は頬を赤くしたまま、こくりと小さく頷いた。
「……開けてもいいか?」
「……どうぞ。大したものでは、ないんですが。」
綺麗にラッピングされたそれを丁寧に開けると、現れたのはリボンとおそろいの色のペン。
「先輩、これから受験ですし。この前、ペン壊れたって言ってたの思い出して。」
不器用な声色。けれどその言葉を聞いてじんわりと胸が熱くなる。
俺はペンをぎゅっと握りしめる。
「……ありがとう。大切にする。」
そう俺が言うと、安達は一瞬目を見開いた後、顔をより一層赤く染めた。
寒いはずなのにぽかぽかと胸が暖かい。感覚を確かめるように、もう一度ペンを緩く握った。
――なんだか、この思い出だけで今後生きてけそうな気がした。
いつもの昼休み。
最近は雪が積もっているせいで外で食べられないため、道場前の廊下で飯を食っている。
だが、廊下に暖房器具なんてものはもちろんない。
だから、最大限の防寒装備をして食べている。
……それでも寒いことに変わりはなかったが。
夏は暑くて、冬は寒い。ほんとに何でこんなとこで飯食ってんだか。
そう思いながら今日もかじかむ手を息で温めつつ、二人で飯を食っていた。
駄弁りながらもそもそ飯を口に運んでいると、急に思い出したように安達がごそごそと何か取り出した。
「先輩、これどうぞ。」
目の前に差し出されたのは、水色のリボンでラッピングされた「何か」。
思わず首をかしげる。
「……急になんだ?」
「先輩、今日誕生日ですよね。おめでとうございます。」
「お、おう。ありがとう……ってことはこれまさか。」
「プレゼントですけど。」
一瞬、言葉を失う。
――安達が、俺に?プレゼント?
頭が状況の理解を拒む。思考がぐるぐると回りだしてまとまらない。
対する安達は急に黙りこくった俺を不思議そうに眺め、首を傾げた。
「……どうぞ?」
そう、受け取るように促されたらどうしようもない。
俺はおずおずとそれに手を伸ばす。
かさり、と俺の手に収まった「それ」は軽い。
けれど、安達が俺にくれたもの、と捉えてしまえば。
それは急に重くなったように感じた。
「お、お前、誕生日とか気にするタイプだったんだな……」
そうぽつりと呟いた俺に安達は首を振る。
「いいえ?誰かに誕プレあげたのなんて先輩が初めてですよ。」
――いま、こいつ、なんていった?俺が初めて……俺が初めてだって!?
その言葉を理解した瞬間、ぼっと火がついたように体が熱くなる。
乱れた息が白く空気に溶けて行った。
耳まで真っ赤に染まっている自信があるのに、こいつはまだきょとんとしたまま俺を見ている。
その視線から逃げるように、俺は目を逸らした。
「……そういうのは女子にやれよ……。そもそも俺、お前に誕生日言ったっけ……」
「他の人が言ってるの聞こえてきました。……先輩には、その、お世話になってるので。」
安達は少し頬を染めて視線を弁当へと落とした。
気まずい沈黙が流れる。
その中で安達がちらちらとこちらの反応を窺っているのに気づいた。
そんな安達とプレゼントを見て、思わず笑みがこぼれる。
「……でも、ありがとう。嬉しい。」
安達は頬を赤くしたまま、こくりと小さく頷いた。
「……開けてもいいか?」
「……どうぞ。大したものでは、ないんですが。」
綺麗にラッピングされたそれを丁寧に開けると、現れたのはリボンとおそろいの色のペン。
「先輩、これから受験ですし。この前、ペン壊れたって言ってたの思い出して。」
不器用な声色。けれどその言葉を聞いてじんわりと胸が熱くなる。
俺はペンをぎゅっと握りしめる。
「……ありがとう。大切にする。」
そう俺が言うと、安達は一瞬目を見開いた後、顔をより一層赤く染めた。
寒いはずなのにぽかぽかと胸が暖かい。感覚を確かめるように、もう一度ペンを緩く握った。
――なんだか、この思い出だけで今後生きてけそうな気がした。
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