好きです、今も。

めある

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近づかない、離れきれない。

その後、俺は徹底的にあいつを避けることにした。
講義が終わればすぐに荷物をまとめて席を立ち、廊下ではスマホをみつめ、食堂では涼や他の友人たちの隣に張り付いた。

涼はなにか言いたげな目で俺を見てきたが、しばらくすると何も言わなくなった。

それでも、完全に避けきれるわけではなかった。
教室を出れば、廊下の先を歩いている。
食堂に入れば、少し離れた席で友人たちと談笑している。
視線を逸らしても、ふいにあの金の瞳がこちらを見ているような気がして、勝手に心臓が跳ねた。
以前のように、俺の事を追ってきているわけじゃない。

……あいつなりに気を遣っているのだろう、距離を詰めてはこない。

それにほっとしたのと同時に、苦しくなる。
避けているのに、あいつのことを目で追ってしまう。
そんな自分がどうしようもなく嫌だった。

「……俺は、どうしたらいいんだよ。」

心の奥で渦を巻く思いを押し殺して、俺はまたスマホへと視線を落とした。

すると、通知が一件。ゼミ長からだ。
どうやら、夏休み前に新二年生の歓迎会をやるらしい。
光るトーク画面に思わず、眉を顰める。
正直行きたくない。歓迎会と言うことはきっと安達も参加する。
少し考えた後、欠席の連絡を打ち始める。
と、その時、ふいに影が落ちた。
顔を上げると、にやりと笑う、先輩が立っていた。

「あ、それ。行くって言っといたぜ。」
「は、え!? 何でですか。」
「俺がお前と飲みたかったからだよ! ……ダメか?」

わざとらしく肩をすくめる仕草に、言葉が詰まる。

「うっ……いえ、そんなわけではないんですが……。」
「なら大丈夫だな! いや~、久々のゼミ飲み会だ。楽しもうぜ!」

そう言って、背中をばしんと叩かれた。
先輩の押しの強さに逆らえず、ため息が漏れる。

どうせ安達も来るのだろう。会いたくない。胸がざわついて、喉が渇く。
飲み会の日が来なければいいのに。
ただ、それだけを願った。
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