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遭遇、からの逃亡。(※9月18日再加筆修正)
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それは昨日の出来事だった。
ちらつく雪。吐いた息は、白く見上げた空へと消えていった。
先ほどまで空調のよく効いていた講義室にいたのだ。
外の凍てつくような寒さは普段よりも一層堪えた。
―早くどこか暖かい場所に行きたい。
その一心で俺は大学の図書館へと飛び込んだ。
暖かい空気が体を包む。
その心地よさに思わずほうっと息が零れる。
ここに来た目的は暖を取ることのみ。
本を借りたいわけでもなく、勉強がしたいわけでもない。当てもなく図書館を歩いていると、ふと先ほどの授業で小レポートが課されたことを思い出した。
面倒くさい課題の事を思い出し、少し気分が沈む。
内心、物凄くやりたくなかったが、やらねば待っているのは落単という最悪の結末。
仕方ない、せっかく図書館に来たんだし参考図書でも探そう。
そう思って、ずらりと並ぶ本棚の方へと足を向けた。
参考になりそうな本をいくつかパラパラとめくる。
めくる、閉じる。良さそうなら持つ。
この作業をしばらく繰り返していると、どこからか、聞き覚えのある声が聞こえてきて、一瞬、息を呑む。
「お願いだって、快!この前でたレポート写させてくれっ!!」
「はぁ?お前、まだ出してなかったの。てか、それ写させたのバレたら俺も怒られる。絶対ヤダ。」
「だ~いじょうぶだって!!ばれないようにこう、うまくやるからさっ。」
「ヤダ。」
―「快」……まさか。
その名前に懐かしさを覚えると同時に胸がぎゅっと締め付けられる。
だが、まさか地元から遠く離れたこの大学にあいつがいるとは思えない。
きっと声が似ているだけの別人だろう。
でも、もし、本当にあいつだったら―
そう思って本棚の影に隠れつつ、声がする方を窺った。
「自分で書け。」
「そう言わずにさ~。参考にする程度だって!!」
「絶対に見せない。自分でやれ。」
「ケチ!!」
そこにいた人を視界に入れた瞬間、心臓がどくん、と跳ねた。
周りの音が徐々に遠くなっていく。
―あぁ、間違いない。
ふわふわと触り心地が良さそうな黒髪。
金の瞳は蜜のように甘いが、どこか真摯な印象を与える。
今は落ち着いているが、この視線が研がれた刀のように鋭くなる瞬間を、俺は知っている。
そこには、約3年間思い続けている、そして、振られたことのある俺の思い人・安達快だった。
変わってない、その真面目なところも、その黒髪も、そのぴんと伸びた背筋も。
今も俺が好きだった、いや、好きな、あのときのあいつのままだ。
久しぶりにその姿を見て、あいつと過ごした高校生活を思い出す。
そのとき、
――「すみません。あんたをそんな目でみたことなかったです。だから、その、ごめんなさい。」
ふと、頭に流れたあの言葉に一気に現実へと引き戻される。
ずきずきと痛み出す胸と、熱くなる目元。
――あぁ、くそっ、だから会いたくなかったんだ。
今ここで会ってしまったらあいつの前で平静を装うどころか、泣いてしまうかもしれない。
そんな女々しい姿は絶対にあいつに見せたくない。
とりあえず、あいつに見つかる前にここから離れなければ。
見つけた参考図書を抱えて、そっとその場を離れる。
そして、一目散に外へ逃げた。
ここに来るまでも堪えていた寒さが今はより身に染みるようだった。
そこから俺はどうやって帰って来たのか覚えていない。
気がつけば俺は自室のベッドに転がっていた。
どうやらそのまま寝てしまったらしい。
そしてあの最悪な夢を見てしまったのだ。
ちらつく雪。吐いた息は、白く見上げた空へと消えていった。
先ほどまで空調のよく効いていた講義室にいたのだ。
外の凍てつくような寒さは普段よりも一層堪えた。
―早くどこか暖かい場所に行きたい。
その一心で俺は大学の図書館へと飛び込んだ。
暖かい空気が体を包む。
その心地よさに思わずほうっと息が零れる。
ここに来た目的は暖を取ることのみ。
本を借りたいわけでもなく、勉強がしたいわけでもない。当てもなく図書館を歩いていると、ふと先ほどの授業で小レポートが課されたことを思い出した。
面倒くさい課題の事を思い出し、少し気分が沈む。
内心、物凄くやりたくなかったが、やらねば待っているのは落単という最悪の結末。
仕方ない、せっかく図書館に来たんだし参考図書でも探そう。
そう思って、ずらりと並ぶ本棚の方へと足を向けた。
参考になりそうな本をいくつかパラパラとめくる。
めくる、閉じる。良さそうなら持つ。
この作業をしばらく繰り返していると、どこからか、聞き覚えのある声が聞こえてきて、一瞬、息を呑む。
「お願いだって、快!この前でたレポート写させてくれっ!!」
「はぁ?お前、まだ出してなかったの。てか、それ写させたのバレたら俺も怒られる。絶対ヤダ。」
「だ~いじょうぶだって!!ばれないようにこう、うまくやるからさっ。」
「ヤダ。」
―「快」……まさか。
その名前に懐かしさを覚えると同時に胸がぎゅっと締め付けられる。
だが、まさか地元から遠く離れたこの大学にあいつがいるとは思えない。
きっと声が似ているだけの別人だろう。
でも、もし、本当にあいつだったら―
そう思って本棚の影に隠れつつ、声がする方を窺った。
「自分で書け。」
「そう言わずにさ~。参考にする程度だって!!」
「絶対に見せない。自分でやれ。」
「ケチ!!」
そこにいた人を視界に入れた瞬間、心臓がどくん、と跳ねた。
周りの音が徐々に遠くなっていく。
―あぁ、間違いない。
ふわふわと触り心地が良さそうな黒髪。
金の瞳は蜜のように甘いが、どこか真摯な印象を与える。
今は落ち着いているが、この視線が研がれた刀のように鋭くなる瞬間を、俺は知っている。
そこには、約3年間思い続けている、そして、振られたことのある俺の思い人・安達快だった。
変わってない、その真面目なところも、その黒髪も、そのぴんと伸びた背筋も。
今も俺が好きだった、いや、好きな、あのときのあいつのままだ。
久しぶりにその姿を見て、あいつと過ごした高校生活を思い出す。
そのとき、
――「すみません。あんたをそんな目でみたことなかったです。だから、その、ごめんなさい。」
ふと、頭に流れたあの言葉に一気に現実へと引き戻される。
ずきずきと痛み出す胸と、熱くなる目元。
――あぁ、くそっ、だから会いたくなかったんだ。
今ここで会ってしまったらあいつの前で平静を装うどころか、泣いてしまうかもしれない。
そんな女々しい姿は絶対にあいつに見せたくない。
とりあえず、あいつに見つかる前にここから離れなければ。
見つけた参考図書を抱えて、そっとその場を離れる。
そして、一目散に外へ逃げた。
ここに来るまでも堪えていた寒さが今はより身に染みるようだった。
そこから俺はどうやって帰って来たのか覚えていない。
気がつけば俺は自室のベッドに転がっていた。
どうやらそのまま寝てしまったらしい。
そしてあの最悪な夢を見てしまったのだ。
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