最強魔法使いの平凡学生生活

梅ちゃちゃ

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プロローグ

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 俺はザック・サーテプァン。魔法使いだ。なんやかんやあって今はロボットのレイナと召使悪魔のサタン・イリーガルと共に薬屋を営んでいる。平和なのはいい事だが俺としては飽きが来てしまう。何かないものか。
 2月の寒い朝、退屈な生活から出るチャンスがやって来た。
「お父さん、起きて。手紙来てるよ。」
「、、、」
「もう、起きてよ。スピリーさんからの手紙だよ?」
「うん。わかった。つくえにおいといて。」
 二度寝しようとしたら布団を剥がされた。最強でもロボットの腕力には勝てない。
「起きないならサンドイッチ全部食べるよ。」
「おはよう娘。今日も寒いね。」
「はぁ、、、」
 
 「お?おはようご主人!今日はサンドイッチ、ご主人の大好きなツナやハムを挟んであるよ。」
「おはよう。」
ダイニングテーブルの上には三人分のティーカップとお皿に載せられたサンドイッチ、リビングの机には封筒が置いてある。
「その手紙、白猫が背負ってた箱に入ってたんですけど、その猫俺らの事馬鹿にしてきたんですよ!『クソアクマ、ババアカラノテガミダ。オマエノバカナゴシュジンニワタセ。』って。お嬢さんが止めなかったらあの猫燃やしてましたよ!」
 と、包丁を振り回しながら話す。危ないからやめてほしい。
「白猫、、?あー居たな、生意気な猫、スピリーさんが飼ってる猫だ。殺してたらお前が殺されてたな。」
「危ねえ!お嬢さんが居なかったらすぴりー?って人殺してましたよ!」
「自分の力過信しすぎてないか?賢者のうちの一人でゴリラみたいな人だが。」
「ご主人こそ俺をナメ過ぎじゃありません?俺、見た目どうりカースト上位ですよ?一軍ですよ!赤子の手をひねるようなもんですよ!」
 馬鹿はさておき封筒の中の手紙を見る。
『ザッ君へ♪
 元気にしてる?最近連絡無いから私から手紙書いちゃいました。
 さて、いきなりだけど、代わり映え無い生活に飽きているであろう貴方に朗報です。わたしの知り合いの学園長が将来有望な弟子はいないかと聞いてきたのでザッ君を紹介したところぜひ来てほしいとのことです。招待状と学園のパンフレットは家にあるので取りに来てね。あなたの大好きなミルクティーとアップルパイを用意して待ってます。
あなたのママ スピリー・ティヴァートより』
 俺もう1900ちょいなのに学園生活か。厳しくないか。
「学園?楽しそうじゃないですか!」
「お父さん学校行くの?この歳で?」
 確かに飽きたし、ちょうどいいかもしれない。朝ご飯食べたらスピリーさんの家に行ってみよう。

 転移魔法でスピリーさんの家の前に着いた。呼び鈴を鳴らすとスピリーさんが出迎えてくれた。
「あら、おはようザッ君。」
「おはようございます。」
「んもう、相変わらず硬いわね。どうぞ上がって。」
 中にはいるとテーブルの上にミルクティーとアップルパイが置いてある。美味しそうだ。
「うふふ、焼き立てで美味しいわよ、どうぞ食べて。」
「、、、いただきます。」
 相変わらずスピリーさんのお菓子は美味しい。紅茶も美味い。
「私のお家に来てくれたのは手紙を読んだからよね?」
「ん。」
「じゃあ学校に行くのね。」
 そう言いながらスピリーさんは、パンフレットを取って俺の向かい側に座る。
「じゃあまず学校について説明するわね。
ザッ君が行くのは国立オーべラー魔法学園。最難関校と言われている凄い学校よ。試験は3月10日。それまでにしっかり勉強しようね。」
 え、試験あるのか。初耳なんだが。
「この学校の受験者は皆貴族や王族よ。貴方は、、、まぁどうにかなるでしょう。」
 適当だな。ま、どうにかしてみよう。
「5月にトーナメント戦、8月にお祭り、9月に体育祭、10月に文化祭、3月に3年生感謝祭があるわ。レイナちゃん達と一緒に見に行くわね。楽しみだわ~。」
「来なくていい。」
「え~良いじゃない、私は貴方のママなんだもの。あっ、この学園は全寮制らしいわ。楽しそうね。」
「1人?」
「二人一部屋よ。」
「、、、」
 そうして今日から楽しい学園生活に向け勉強する事となった。

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