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第29話
(19)
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南郷の指に内奥の入り口をまさぐられ、さすがに和彦が身じろごうとしたとき、尻の肉を鷲掴まれた。痛みを予期して体を強張らせると、容赦なく尻の肉を左右に割られた。南郷の視線がどこに向けられているか、振り返って確認するまでもない。
背後から南郷が、笑いを含んだ声で言った。
「昨夜、俺がたっぷり可愛がったせいか、まだ赤みが強いな。それに、柔らかい。こうすると――」
唾液で濡らされた指が内奥に挿入されてくる。
「ひっ……」
内奥で蠢く指が、まだ残っている昨夜の官能の余韻を掻き出し、再燃させる。悔しいが、下肢から蕩けていきそうだった。和彦は間欠的に声を上げ、南郷の愛撫に反応する。南郷も、興奮していた。
「本当に、忌々しいぐらい、いいオンナだ。あんたは……。このまま、後ろから犯してやりたくなる」
感じやすい粘膜と襞を指で擦り上げられ、歓喜する内奥全体がきつく収縮する。和彦はその場に崩れ込みたくて仕方なかったが、それを許さない南郷に片腕で腰を支えられる。
「ほら、先生、しっかりしろ。尻以外も可愛がってやれねーだろ」
腰を撫でられ、背を舐め上げられる。和彦が喉を鳴らすと、媚態を示した褒美だといわんばかりに、反り返って震える欲望を握り締められた。
「あっ、あうっ、くうっ……ん」
「出すか?」
南郷に短く問われ、何も考えられないまま和彦は頷く。南郷の手の動きが速くなり、あっという間に絶頂へと昇りつめる。和彦は熱い吐息をこぼして、精を迸らせていた。すると、余韻なく体の向きを変えられ、だらしない顔を南郷に間近から見つめられる。
現状を認識し、視線を逸らす間もなかった。
「俺に掴まってろ」
短く告げた南郷に唇を塞がれ、和彦はその口づけを拒めない。まだ息が整わないうちに口腔に舌を押し込まれると、受け入れるしかないのだ。互いに荒い呼吸を繰り返しながら、浅ましく舌を絡め、濡れた音を立てて唾液を交わす。
塀にもたれていても自分の力で立っていられない和彦は、南郷が言った通り肩に掴まる。
南郷は、燃えそうに熱くなったてのひらで和彦の体をまさぐりながら、もう片方の手で、自分のパンツの前を寛げ、欲望を引き出した。次に南郷が取った行動を、見ることはできなかったが、感じることはできた。和彦は、動揺を抑えながら、南郷を睨みつける。だが、口づけを止めることはできない。
何もかも倒錯して、異常だった。
野外で下肢を剥き出しにされ、屈辱的な姿勢を取らされながら、嫌いな男の手で絶頂を迎えさせられ、こうして獣じみた口づけを交わすと同時に、敵意を込めて睨みつけていることが。その男は、悠然と和彦の眼差しを受け止めながら、口づけを楽しみ、己の欲望を扱いていた。
「本当は、先生の手でイかせてもらいたいが、普段はきれいな手も、今は泥だらけだからな」
口づけの合間に囁かれ、熱い欲望を下腹部に押し当てられた。
いつの間にか、強い陽射しが照っていた。その暑さと、南郷の体の熱さに、和彦はのぼせてしまう。眩暈がして、肩にかけた手から力が抜け落ちそうになる。このまま意識を手放してしまいそうだと思ったとき、南郷が本物の獣のような唸り声を洩らした。
剥き出しの和彦の腿に生温かな液体がかかる。それは、南郷が放った精だった。
南郷の荒い息遣いが唇にかかり、この獣のような男にこのまま自分は食われるのではないかと、本能的な恐れを抱く。
もちろん、和彦を『守る』ためにここにいると言った男が、そんなことをするはずもなく、これは妄想に近い。
慎重に体を離した南郷は、ここまでの傲岸不遜な態度とは打って変わり、恭しく跪くように、その場に身を屈める。和彦の格好を整えるために。
「自分で――」
和彦は言葉を発しようとしたが、見上げてきた南郷の眼差しの迫力に、もう声が出せない。少しの間我慢してくれと言われて、ポロシャツの裾で二人分の精を簡単に拭われ、格好を整えられる。
このときには、恥ずかしいという気持ちすら、どこかに消えていた。和彦はひたすら、南郷が不気味で仕方なかったのだ。
陽射しを浴び過ぎたせいか、それとも興奮し過ぎたせいか、南郷との〈散歩〉から戻ってきた和彦はひどい頭痛に襲われ、シャワーを浴びて着替えたあと、昼食もとらずに横になった。
本当は、車を出してもらって、携帯電話の電波が入るところまで行きたかったのだが、体が言うことをきかない。ただ、心のどこかで、体調の変化に救われたとも思っていた。
この家に連れてこられたばかりのときは、賢吾と連絡を取りたかったのだが、正直今の気持ちは微妙だ。電話を通して、自分に起きた出来事を賢吾に悟られるのが嫌――というより、怖かった。
背後から南郷が、笑いを含んだ声で言った。
「昨夜、俺がたっぷり可愛がったせいか、まだ赤みが強いな。それに、柔らかい。こうすると――」
唾液で濡らされた指が内奥に挿入されてくる。
「ひっ……」
内奥で蠢く指が、まだ残っている昨夜の官能の余韻を掻き出し、再燃させる。悔しいが、下肢から蕩けていきそうだった。和彦は間欠的に声を上げ、南郷の愛撫に反応する。南郷も、興奮していた。
「本当に、忌々しいぐらい、いいオンナだ。あんたは……。このまま、後ろから犯してやりたくなる」
感じやすい粘膜と襞を指で擦り上げられ、歓喜する内奥全体がきつく収縮する。和彦はその場に崩れ込みたくて仕方なかったが、それを許さない南郷に片腕で腰を支えられる。
「ほら、先生、しっかりしろ。尻以外も可愛がってやれねーだろ」
腰を撫でられ、背を舐め上げられる。和彦が喉を鳴らすと、媚態を示した褒美だといわんばかりに、反り返って震える欲望を握り締められた。
「あっ、あうっ、くうっ……ん」
「出すか?」
南郷に短く問われ、何も考えられないまま和彦は頷く。南郷の手の動きが速くなり、あっという間に絶頂へと昇りつめる。和彦は熱い吐息をこぼして、精を迸らせていた。すると、余韻なく体の向きを変えられ、だらしない顔を南郷に間近から見つめられる。
現状を認識し、視線を逸らす間もなかった。
「俺に掴まってろ」
短く告げた南郷に唇を塞がれ、和彦はその口づけを拒めない。まだ息が整わないうちに口腔に舌を押し込まれると、受け入れるしかないのだ。互いに荒い呼吸を繰り返しながら、浅ましく舌を絡め、濡れた音を立てて唾液を交わす。
塀にもたれていても自分の力で立っていられない和彦は、南郷が言った通り肩に掴まる。
南郷は、燃えそうに熱くなったてのひらで和彦の体をまさぐりながら、もう片方の手で、自分のパンツの前を寛げ、欲望を引き出した。次に南郷が取った行動を、見ることはできなかったが、感じることはできた。和彦は、動揺を抑えながら、南郷を睨みつける。だが、口づけを止めることはできない。
何もかも倒錯して、異常だった。
野外で下肢を剥き出しにされ、屈辱的な姿勢を取らされながら、嫌いな男の手で絶頂を迎えさせられ、こうして獣じみた口づけを交わすと同時に、敵意を込めて睨みつけていることが。その男は、悠然と和彦の眼差しを受け止めながら、口づけを楽しみ、己の欲望を扱いていた。
「本当は、先生の手でイかせてもらいたいが、普段はきれいな手も、今は泥だらけだからな」
口づけの合間に囁かれ、熱い欲望を下腹部に押し当てられた。
いつの間にか、強い陽射しが照っていた。その暑さと、南郷の体の熱さに、和彦はのぼせてしまう。眩暈がして、肩にかけた手から力が抜け落ちそうになる。このまま意識を手放してしまいそうだと思ったとき、南郷が本物の獣のような唸り声を洩らした。
剥き出しの和彦の腿に生温かな液体がかかる。それは、南郷が放った精だった。
南郷の荒い息遣いが唇にかかり、この獣のような男にこのまま自分は食われるのではないかと、本能的な恐れを抱く。
もちろん、和彦を『守る』ためにここにいると言った男が、そんなことをするはずもなく、これは妄想に近い。
慎重に体を離した南郷は、ここまでの傲岸不遜な態度とは打って変わり、恭しく跪くように、その場に身を屈める。和彦の格好を整えるために。
「自分で――」
和彦は言葉を発しようとしたが、見上げてきた南郷の眼差しの迫力に、もう声が出せない。少しの間我慢してくれと言われて、ポロシャツの裾で二人分の精を簡単に拭われ、格好を整えられる。
このときには、恥ずかしいという気持ちすら、どこかに消えていた。和彦はひたすら、南郷が不気味で仕方なかったのだ。
陽射しを浴び過ぎたせいか、それとも興奮し過ぎたせいか、南郷との〈散歩〉から戻ってきた和彦はひどい頭痛に襲われ、シャワーを浴びて着替えたあと、昼食もとらずに横になった。
本当は、車を出してもらって、携帯電話の電波が入るところまで行きたかったのだが、体が言うことをきかない。ただ、心のどこかで、体調の変化に救われたとも思っていた。
この家に連れてこられたばかりのときは、賢吾と連絡を取りたかったのだが、正直今の気持ちは微妙だ。電話を通して、自分に起きた出来事を賢吾に悟られるのが嫌――というより、怖かった。
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