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第33話
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うなじをじっくりと舐め上げられて、微かに声を洩らす。今日、南郷の不躾な愛撫に晒された部分だが、それを知らないはずの三田村が、丁寧な愛撫を施してくれる。堪らず和彦は振り返り、三田村の頭を抱き寄せて、自分から唇を重ねる。
貪るように唇を激しく吸い合い、浅ましく差し出した舌を卑猥に絡める。こぼれ出た唾液はあっという間にシャワーで流されてしまい、和彦は三田村を求めて口腔に舌を押し込んでいた。口腔内を余裕なく舐め回し、口づけで三田村の発情を促す。
とにかく三田村が欲しくて、自分の体などどうなってもいいとすら思っていた。
体の向きを変え、ようやく正面から抱き合える。触れた三田村の欲望は、すでに熱く硬くなっていた。一方の和彦は、昨夜、何度となく長嶺の男たちに精を搾り取られたせいか、熱を持ち始めてはいるものの、身を起こすまでには至っていない。
「無理しなくていい、先生」
和彦が見せた焦燥に気づいたらしく、諭すように三田村が言う。
「今夜は、ただ先生を甘やかしたいんだ」
「でも――、これ、欲しい」
水音にかき消されそうな声で囁き、和彦は三田村の両足の間に片手を這わせる。欲望を柔らかく握り締めると、ビクリと三田村の体が震えた。
「先生っ……」
肩を掴まれて引き離される。いつになく手荒な三田村の行動に、和彦のほうが驚いてしまう。目を丸くすると、うろたえながら三田村がバスタブの縁を示した。
「体はまだ洗ってないんだろ? 俺に洗わせてほしい」
頷いてバスタブの縁に腰掛けると、三田村はボディシャンプーを泡立て、優しい手つきで和彦の体を撫でていく。最初はくすぐったさに首をすくめていた和彦だが、片腕を取られててのひらを這わされているうちに、体から力が抜けていく。
体中のあちこちに残る愛撫の痕跡を見ても、三田村は表情を変えなかった。ただ黙々と泡で隠していく。
足の指の間まで洗ってもらったあと、今度はバスタブの縁に両手を突き、三田村のほうに腰を突き出す姿勢を取らされる。背から腰にかけて泡をなすりつけられてから、尻にてのひらが当てられる。
「三田村……」
頼りない声で呼びかけると、すぐに優しい声が応じる。
「大丈夫。ひどいことはしない」
三田村の言葉にウソはなく、尻の間をくすぐるように指が触れる。まだ疼痛を残している内奥の入り口を丁寧に泡とともに揉み解され、どうしても腰が揺れる。和彦は声を堪えるために必死に唇を噛んでいたが、それは長くはもたなかった。
両足の間にさらに深く手が差し込まれて、柔らかな膨らみを揉みしだかれる。
「うあっ」
両足から一気に力が抜け、へたり込みそうになったが、背後からしっかりと三田村に腰を抱え込まれて支えられていた。
泡で滑るてのひらが、いつもとは違う感覚を与えてくる。丹念に撫でられ、揉まれ、指先で弱みをまさぐられているうちに、和彦は無意識のうちに細い声を洩らし、愛撫をねだるように三田村に腰をすり寄せる。
「三田、村……、それ、気持ちいい――……」
三田村の中で欲情が暴走したのか、急に愛撫する手が荒々しさを増す。柔らかな膨らみをきつく揉み込まれて、和彦はビクビクと腰を震わせ、予期するものがあって必死に三田村の手を押し退けようとする。
「ダメだ、離してくれっ……」
「痛いか、先生?」
「違、う。そうじゃ、なくて――」
三田村の愛撫が再び優しいものとなるが、それでも和彦を離さないという意思の強さは感じられた。
「うっ、うっ、ううっ」
緩く身を起こしかけていた欲望の根元を、そっと擦られる。和彦が背をしならせて反応すると、ゆっくりと欲望を扱かれ、膝から崩れてしまう。三田村に支えられながらタイルの上に座らされたが、それでも愛撫の手が止まることはない。背後から三田村に抱えられ、両足を開いた姿勢を取らされていた。
「――先生」
耳元に三田村の切なげな声を注ぎ込まれながら、柔らかな膨らみをてのひらに包み込まれる。もう、この愛撫を拒めなかった。
「三田村、出る、んだ……。もう、もたないっ……」
「出るって、何が?」
問いながらも、三田村は答えがわかっているようだった。和彦の自制心を溶かすように、指先で弱みを攻めてくる。優しい男に淫らに苛まれ、次第に下腹部から力が抜けていく。最後の一押しとして、耳元でハスキーな声が唆してきた。
「かまわないから、出して――漏らしてみせてくれ、先生」
「嫌、だ……。恥ず、かしい」
「大丈夫」
貪るように唇を激しく吸い合い、浅ましく差し出した舌を卑猥に絡める。こぼれ出た唾液はあっという間にシャワーで流されてしまい、和彦は三田村を求めて口腔に舌を押し込んでいた。口腔内を余裕なく舐め回し、口づけで三田村の発情を促す。
とにかく三田村が欲しくて、自分の体などどうなってもいいとすら思っていた。
体の向きを変え、ようやく正面から抱き合える。触れた三田村の欲望は、すでに熱く硬くなっていた。一方の和彦は、昨夜、何度となく長嶺の男たちに精を搾り取られたせいか、熱を持ち始めてはいるものの、身を起こすまでには至っていない。
「無理しなくていい、先生」
和彦が見せた焦燥に気づいたらしく、諭すように三田村が言う。
「今夜は、ただ先生を甘やかしたいんだ」
「でも――、これ、欲しい」
水音にかき消されそうな声で囁き、和彦は三田村の両足の間に片手を這わせる。欲望を柔らかく握り締めると、ビクリと三田村の体が震えた。
「先生っ……」
肩を掴まれて引き離される。いつになく手荒な三田村の行動に、和彦のほうが驚いてしまう。目を丸くすると、うろたえながら三田村がバスタブの縁を示した。
「体はまだ洗ってないんだろ? 俺に洗わせてほしい」
頷いてバスタブの縁に腰掛けると、三田村はボディシャンプーを泡立て、優しい手つきで和彦の体を撫でていく。最初はくすぐったさに首をすくめていた和彦だが、片腕を取られててのひらを這わされているうちに、体から力が抜けていく。
体中のあちこちに残る愛撫の痕跡を見ても、三田村は表情を変えなかった。ただ黙々と泡で隠していく。
足の指の間まで洗ってもらったあと、今度はバスタブの縁に両手を突き、三田村のほうに腰を突き出す姿勢を取らされる。背から腰にかけて泡をなすりつけられてから、尻にてのひらが当てられる。
「三田村……」
頼りない声で呼びかけると、すぐに優しい声が応じる。
「大丈夫。ひどいことはしない」
三田村の言葉にウソはなく、尻の間をくすぐるように指が触れる。まだ疼痛を残している内奥の入り口を丁寧に泡とともに揉み解され、どうしても腰が揺れる。和彦は声を堪えるために必死に唇を噛んでいたが、それは長くはもたなかった。
両足の間にさらに深く手が差し込まれて、柔らかな膨らみを揉みしだかれる。
「うあっ」
両足から一気に力が抜け、へたり込みそうになったが、背後からしっかりと三田村に腰を抱え込まれて支えられていた。
泡で滑るてのひらが、いつもとは違う感覚を与えてくる。丹念に撫でられ、揉まれ、指先で弱みをまさぐられているうちに、和彦は無意識のうちに細い声を洩らし、愛撫をねだるように三田村に腰をすり寄せる。
「三田、村……、それ、気持ちいい――……」
三田村の中で欲情が暴走したのか、急に愛撫する手が荒々しさを増す。柔らかな膨らみをきつく揉み込まれて、和彦はビクビクと腰を震わせ、予期するものがあって必死に三田村の手を押し退けようとする。
「ダメだ、離してくれっ……」
「痛いか、先生?」
「違、う。そうじゃ、なくて――」
三田村の愛撫が再び優しいものとなるが、それでも和彦を離さないという意思の強さは感じられた。
「うっ、うっ、ううっ」
緩く身を起こしかけていた欲望の根元を、そっと擦られる。和彦が背をしならせて反応すると、ゆっくりと欲望を扱かれ、膝から崩れてしまう。三田村に支えられながらタイルの上に座らされたが、それでも愛撫の手が止まることはない。背後から三田村に抱えられ、両足を開いた姿勢を取らされていた。
「――先生」
耳元に三田村の切なげな声を注ぎ込まれながら、柔らかな膨らみをてのひらに包み込まれる。もう、この愛撫を拒めなかった。
「三田村、出る、んだ……。もう、もたないっ……」
「出るって、何が?」
問いながらも、三田村は答えがわかっているようだった。和彦の自制心を溶かすように、指先で弱みを攻めてくる。優しい男に淫らに苛まれ、次第に下腹部から力が抜けていく。最後の一押しとして、耳元でハスキーな声が唆してきた。
「かまわないから、出して――漏らしてみせてくれ、先生」
「嫌、だ……。恥ず、かしい」
「大丈夫」
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