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本編
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「ねえ、ご覧になって?ほら、あそこ」
「あら、また睨んでいらっしゃるわ。なんて怖ろしいお顔」
私が廊下で立ち止まって中庭を見つめていると、通りがかった心無い令嬢たちがクスクスと笑いながら通り過ぎていく。特に睨んでいたわけでもなかったけれど、彼女たちにはそんなことはどうでもいいのだろうなと結論づける。
中庭には一組の男女が仲睦まじく、ベンチに座っておしゃべりをしていた。
女の方は、5月になって突然編入してきた、聖女の称号を持つ可愛らしい少女だ。たしか名前は、サナリアといったか。平民なので性はないとはじめの自己紹介で言っていた。
そして男の方、彼はこの国の王太子クロン・ウルバンス。誰もが憧れる、地位と容姿と財力、全てを持った男だ。
―――私の婚約者でもある。
彼女、サナリアという聖女が来てから、私と殿下の関係は変わってしまった。
何が間違いだったのかしら。
私は、後悔ばかりしている。
「リザ様、よろしいのですか?あのような平民の娘に………」
「そうですわ。婚約者はリザ様だというのに」
いつのまにか、親しくしていた令嬢が側にいた。
そうね、と適当に返事をして、私は踵を返す。ちらりと眼下を見下ろせば、殿下がサナリアに寄り添って、楽しく何かを囁いていた。
―――見たくない。
ああ、なんて醜い私の心。
鼻の奥がつんとして、慌てて何もかもを奥深くに無理矢理押し込む。
私は誇り高い侯爵家の令嬢。涙など、見せるわけにはいかなかった。
「リザ、本当のことを聞きたい。君が彼女を陥れようとしたのか?」
私は放課後、生徒会室に呼び出されていた。
クロンとサナリア、他の生徒会のメンバーに、震える令嬢が二人。
ここ数日、悪意を持って学園中に広まった噂のことだろうか。なんでも、聖女が殿下だけではなく、他の生徒にも粉をかけ、体も許しているという。
それを、私が流したのかと彼は聞いてくる。
「私は―――――――――」
「殿下、お許しくださいませ!噂を流したのは私たちですっ、けれど脅されたのです!侯爵家の彼女に逆らえないのは周知の事実でございますっ!!」
二人の令嬢は悲壮感を浮かべて釈明をはじめた。
それを、サナリアが手を合わせて組んで、まるで哀れな子羊を見るかのような目で見ている。
「なるほど。相違はないか?」
冷たく張り詰めた目。
何も感じていないと語るその目に、私は思わず笑みがこぼれてしまった。
「何も言うことはございません」
簡単な礼をして部屋を後にする。
これ以上あの空間にいたら、狂ってしまいそうだったから。
「彼女、また呼び出されたらしい」
「いい加減止めたらよろしいのにね」
「笑っているわ。聖女様はあんなにも傷ついていましたのに」
ああ、私は笑っているのか。
…笑えているのかな。
無意識に口元に伸びた手が、笑ったままの表情をもとに戻す。
そのおかしな行動に、隠す気もない悪口をはいていた生徒たちは、顔を強張らせて散っていった。
「リザさん!待ってください!―――リザさん!」
背後から呼ばれて足が止まる。
何をしにきたのか、この声は聖女サナリアではないだろうか。
彼女は、必死で追いかけてきたのか肩を上下させて息を整えている。
「何か?」
「あの、まだあなたの話を聞いていませんっ」
「もう結論は出ました。私の話に何の意味が?」
「―――いいえ、さっきのはシャルさんたちの話です。教えて下さい、あなたが本当に犯人なんですか?」
「いいえ」
彼女は本当の意味で善人だった。
どんな悪意に晒されても滅気ず、健気に前を向いて足を踏み出す。いつも笑顔で、人の悩みを真剣に考えて、どんな人にだって手を差し伸ばすことができる。
私が繋いだ手は、簡単に奪われてしまった。
否定をした私に、サナリアはぱっと嬉しそうに顔をほころばせる。
「じゃ、じゃあ戻りませんか?ちゃんと話せばみんなも「サナリア! 危険だ、自分が今まで何をされてきたのか思い出せ!」
サナリアの後を追ってきたクロンたちは、彼女を引っ張って抱きしめると、私を睨みつけた。
クロンに抱き締められて頬を赤く染める彼女は、どう見ても恋する乙女だ。
「まって、待ってください!リザさんは何もっ」
「サナリア騙されるな。そいつは………リザ、は………?あ、いや、とにかく!また何をされるかわからないだろう!」
いつのまにか観衆が増えている。
―――くだらない。
これが茶番と言わずして、なんと言えばいいのか。
お優しい聖女様はさぞ、悲しんでいることだろう。
信じられないという目で、クロンたちを説得しようとしている彼女を尻目に、私は足早に廊下を抜けて裏庭に出た。
なんでだろう。
どうしてこうなったんだろう。
もう嫌だ。
クロン、どうして。
一人になった途端、堰を切ったように涙が溢れてくる。止めようとして、制服の袖口で目元を拭うけれど、後から後から沸いてきて、あっという間にしっとりと湿った。
きゃあっという高い悲鳴が、そして次の瞬間には何かが転げ落ちる音がして、一瞬何が起こったのかわからなかった。
誰かが階段から落ちたのか。
急いで階下を見ると、よく知った少女が踊り場で体を小さく丸めてうめいていた。
どこか怪我をしたのかもしれない。
そう思って手を伸ばそうとした時、横から衝撃がやってきて、私は廊下の床にたたきつけられた。
「サナリアを階段から突き落とすだなんて、よくもそんな事ができるな!?」
「………していません」
「嘘を付くな!ここにいるみんなが証人だ!」
そうだろみんな!?と周りに呼びかけるこの男は誰だっただろうか。
「ブルック!サナリアは無事だ。でも打ち身がひどそうだから保健室に連れて行く」
「わかった。そっちはダルクに任せる」
ブルックとダルク―――。
生徒会のメンバーに、そんな名前の生徒がいた気がした。
私が突き落としたのか。
―――ありえない。
「私は、突き落としてなどいないわ」
さすがに今回は、噂なんてかわいいレベルの話ではなかった。下手をすれば殺人にもなりうる。
「犯人はみんなそう言うだろーさ。とうとう殺そうとまでするなんて、ついに気でも狂ったのかよ」
悪態をつきながらブルックは、私を寮の部屋まで連れてくると外から鍵をかけた。
この後のことは何故か察しがつく。
私はベットに横になって考えていた。
彼女、聖女サナリアが編入してきた日からのことを―――。
彼女は、とても素直で可愛い人だった。
私の隣の席で、すぐに仲良くなったのだ。他愛無い話に花を咲かせて、貴族も平民も関係などなかった。
友人と呼べる関係だったのかもしれない。
それが崩れたのは、とても些細なことだったのだ。
「リザさん、わたしのノート知りませんか?」
「いいえ? 見てないわね」
たまに復習もかねて貸し借りをする、彼女のノートが紛失したのだという。それは一大事だと、クラスのみんなで探せば、それはすぐに見つかった。
ゴミ箱の中に、ズタズタに引き裂かれて。
誰かが息を呑んで、ひどいねと声をかけ、一体誰がという疑問が沸き起こる。
「リザさんさ、前に言ってたよね。サナリアさんが成績が良くて羨ましいって」
その一言が、私が犯人だろうという結論に導いた。
碌に聞きもせず、確かめもせず、とにかくこの事件は、私の嫉妬からの犯行ということで幕を下ろしたのだ。
まるでそうなることが決まっていたかのように。
そこからはまるで地滑りあったかのようだった。
気付けばドン底。
クロン殿下の隣には、いつも彼女がいて、彼女は私の欲しいもの全てを手にして笑っている。
何もかもが悪い方向に転がって、挙げ句には殺人未遂らしい。
―――――――――僕が守るよ。
「嘘つき」
どこまでも晴れた空の下、断頭台はひどく朧気だ。
―――ゴーンゴーンゴーン…。
巨大な鐘楼からの音が響き渡る。
私は今日、処刑される。
罪状は、聖女の殺人未遂。
今、私は笑えているのかな。
確かめようと口元に手を伸ばそうとして、ガキンと金属音がして叶わなかった。
ねえクロン、私は今笑えている?
ねえ、そんな遠くにいては、あなたの顔が見えないわ。
「やめて!彼女は悪くないの!ちがう!ちがうのよ!これはゲームの世界じゃない!!彼女は、彼女は私の友達なのよ………っ」
やめて。
「友人なんかではないわ」
「―――――――――っ」
私からクロンを奪ったくせに。
…ゴーンゴーンゴーン―――。
6つ目の鐘は最期の音。
そして、私の意識は沈んだ。
「―――――――――はっ、………?」
突然視界が開けた。
そう感じた俺の視界に、ごろりと転がる何かが映る。生気のない、能面の笑みを貼り付けた無機質なそれ。
なんだこれは。
なんだこれは。
なんだこれは。
「リザ………?」
なんなんだこれは―――――――――。
「あら、また睨んでいらっしゃるわ。なんて怖ろしいお顔」
私が廊下で立ち止まって中庭を見つめていると、通りがかった心無い令嬢たちがクスクスと笑いながら通り過ぎていく。特に睨んでいたわけでもなかったけれど、彼女たちにはそんなことはどうでもいいのだろうなと結論づける。
中庭には一組の男女が仲睦まじく、ベンチに座っておしゃべりをしていた。
女の方は、5月になって突然編入してきた、聖女の称号を持つ可愛らしい少女だ。たしか名前は、サナリアといったか。平民なので性はないとはじめの自己紹介で言っていた。
そして男の方、彼はこの国の王太子クロン・ウルバンス。誰もが憧れる、地位と容姿と財力、全てを持った男だ。
―――私の婚約者でもある。
彼女、サナリアという聖女が来てから、私と殿下の関係は変わってしまった。
何が間違いだったのかしら。
私は、後悔ばかりしている。
「リザ様、よろしいのですか?あのような平民の娘に………」
「そうですわ。婚約者はリザ様だというのに」
いつのまにか、親しくしていた令嬢が側にいた。
そうね、と適当に返事をして、私は踵を返す。ちらりと眼下を見下ろせば、殿下がサナリアに寄り添って、楽しく何かを囁いていた。
―――見たくない。
ああ、なんて醜い私の心。
鼻の奥がつんとして、慌てて何もかもを奥深くに無理矢理押し込む。
私は誇り高い侯爵家の令嬢。涙など、見せるわけにはいかなかった。
「リザ、本当のことを聞きたい。君が彼女を陥れようとしたのか?」
私は放課後、生徒会室に呼び出されていた。
クロンとサナリア、他の生徒会のメンバーに、震える令嬢が二人。
ここ数日、悪意を持って学園中に広まった噂のことだろうか。なんでも、聖女が殿下だけではなく、他の生徒にも粉をかけ、体も許しているという。
それを、私が流したのかと彼は聞いてくる。
「私は―――――――――」
「殿下、お許しくださいませ!噂を流したのは私たちですっ、けれど脅されたのです!侯爵家の彼女に逆らえないのは周知の事実でございますっ!!」
二人の令嬢は悲壮感を浮かべて釈明をはじめた。
それを、サナリアが手を合わせて組んで、まるで哀れな子羊を見るかのような目で見ている。
「なるほど。相違はないか?」
冷たく張り詰めた目。
何も感じていないと語るその目に、私は思わず笑みがこぼれてしまった。
「何も言うことはございません」
簡単な礼をして部屋を後にする。
これ以上あの空間にいたら、狂ってしまいそうだったから。
「彼女、また呼び出されたらしい」
「いい加減止めたらよろしいのにね」
「笑っているわ。聖女様はあんなにも傷ついていましたのに」
ああ、私は笑っているのか。
…笑えているのかな。
無意識に口元に伸びた手が、笑ったままの表情をもとに戻す。
そのおかしな行動に、隠す気もない悪口をはいていた生徒たちは、顔を強張らせて散っていった。
「リザさん!待ってください!―――リザさん!」
背後から呼ばれて足が止まる。
何をしにきたのか、この声は聖女サナリアではないだろうか。
彼女は、必死で追いかけてきたのか肩を上下させて息を整えている。
「何か?」
「あの、まだあなたの話を聞いていませんっ」
「もう結論は出ました。私の話に何の意味が?」
「―――いいえ、さっきのはシャルさんたちの話です。教えて下さい、あなたが本当に犯人なんですか?」
「いいえ」
彼女は本当の意味で善人だった。
どんな悪意に晒されても滅気ず、健気に前を向いて足を踏み出す。いつも笑顔で、人の悩みを真剣に考えて、どんな人にだって手を差し伸ばすことができる。
私が繋いだ手は、簡単に奪われてしまった。
否定をした私に、サナリアはぱっと嬉しそうに顔をほころばせる。
「じゃ、じゃあ戻りませんか?ちゃんと話せばみんなも「サナリア! 危険だ、自分が今まで何をされてきたのか思い出せ!」
サナリアの後を追ってきたクロンたちは、彼女を引っ張って抱きしめると、私を睨みつけた。
クロンに抱き締められて頬を赤く染める彼女は、どう見ても恋する乙女だ。
「まって、待ってください!リザさんは何もっ」
「サナリア騙されるな。そいつは………リザ、は………?あ、いや、とにかく!また何をされるかわからないだろう!」
いつのまにか観衆が増えている。
―――くだらない。
これが茶番と言わずして、なんと言えばいいのか。
お優しい聖女様はさぞ、悲しんでいることだろう。
信じられないという目で、クロンたちを説得しようとしている彼女を尻目に、私は足早に廊下を抜けて裏庭に出た。
なんでだろう。
どうしてこうなったんだろう。
もう嫌だ。
クロン、どうして。
一人になった途端、堰を切ったように涙が溢れてくる。止めようとして、制服の袖口で目元を拭うけれど、後から後から沸いてきて、あっという間にしっとりと湿った。
きゃあっという高い悲鳴が、そして次の瞬間には何かが転げ落ちる音がして、一瞬何が起こったのかわからなかった。
誰かが階段から落ちたのか。
急いで階下を見ると、よく知った少女が踊り場で体を小さく丸めてうめいていた。
どこか怪我をしたのかもしれない。
そう思って手を伸ばそうとした時、横から衝撃がやってきて、私は廊下の床にたたきつけられた。
「サナリアを階段から突き落とすだなんて、よくもそんな事ができるな!?」
「………していません」
「嘘を付くな!ここにいるみんなが証人だ!」
そうだろみんな!?と周りに呼びかけるこの男は誰だっただろうか。
「ブルック!サナリアは無事だ。でも打ち身がひどそうだから保健室に連れて行く」
「わかった。そっちはダルクに任せる」
ブルックとダルク―――。
生徒会のメンバーに、そんな名前の生徒がいた気がした。
私が突き落としたのか。
―――ありえない。
「私は、突き落としてなどいないわ」
さすがに今回は、噂なんてかわいいレベルの話ではなかった。下手をすれば殺人にもなりうる。
「犯人はみんなそう言うだろーさ。とうとう殺そうとまでするなんて、ついに気でも狂ったのかよ」
悪態をつきながらブルックは、私を寮の部屋まで連れてくると外から鍵をかけた。
この後のことは何故か察しがつく。
私はベットに横になって考えていた。
彼女、聖女サナリアが編入してきた日からのことを―――。
彼女は、とても素直で可愛い人だった。
私の隣の席で、すぐに仲良くなったのだ。他愛無い話に花を咲かせて、貴族も平民も関係などなかった。
友人と呼べる関係だったのかもしれない。
それが崩れたのは、とても些細なことだったのだ。
「リザさん、わたしのノート知りませんか?」
「いいえ? 見てないわね」
たまに復習もかねて貸し借りをする、彼女のノートが紛失したのだという。それは一大事だと、クラスのみんなで探せば、それはすぐに見つかった。
ゴミ箱の中に、ズタズタに引き裂かれて。
誰かが息を呑んで、ひどいねと声をかけ、一体誰がという疑問が沸き起こる。
「リザさんさ、前に言ってたよね。サナリアさんが成績が良くて羨ましいって」
その一言が、私が犯人だろうという結論に導いた。
碌に聞きもせず、確かめもせず、とにかくこの事件は、私の嫉妬からの犯行ということで幕を下ろしたのだ。
まるでそうなることが決まっていたかのように。
そこからはまるで地滑りあったかのようだった。
気付けばドン底。
クロン殿下の隣には、いつも彼女がいて、彼女は私の欲しいもの全てを手にして笑っている。
何もかもが悪い方向に転がって、挙げ句には殺人未遂らしい。
―――――――――僕が守るよ。
「嘘つき」
どこまでも晴れた空の下、断頭台はひどく朧気だ。
―――ゴーンゴーンゴーン…。
巨大な鐘楼からの音が響き渡る。
私は今日、処刑される。
罪状は、聖女の殺人未遂。
今、私は笑えているのかな。
確かめようと口元に手を伸ばそうとして、ガキンと金属音がして叶わなかった。
ねえクロン、私は今笑えている?
ねえ、そんな遠くにいては、あなたの顔が見えないわ。
「やめて!彼女は悪くないの!ちがう!ちがうのよ!これはゲームの世界じゃない!!彼女は、彼女は私の友達なのよ………っ」
やめて。
「友人なんかではないわ」
「―――――――――っ」
私からクロンを奪ったくせに。
…ゴーンゴーンゴーン―――。
6つ目の鐘は最期の音。
そして、私の意識は沈んだ。
「―――――――――はっ、………?」
突然視界が開けた。
そう感じた俺の視界に、ごろりと転がる何かが映る。生気のない、能面の笑みを貼り付けた無機質なそれ。
なんだこれは。
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なんだこれは。
「リザ………?」
なんなんだこれは―――――――――。
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