乙女ゲーの悪役令嬢の執事に転生した。「死にたくなければ体を鍛えろ」と女神に言われたので、死に戻りスキルで死にながら鍛えてみた

あおぞら

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その8。「竜が美女になるってありがちだけどビビるよな」

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「———ヤ……セーヤ!」
「……ん……」

 俺は深いまどろみの中から誰かが呼ぶ声が聞こえた気がして、意識が覚醒する。
 俺は眠たい目を擦りながら俺の名前を呼ぶ方に目を向けると———

「大丈夫かセーヤ!? 折角妾の主になったのだから死ぬでない!」
「……………………ふぇ?」

 ———真紅のドレスに身を包んだ白銀の髪と真紅の瞳を持った妖艶な超絶美女が居た。
 俺は謎の美女に視線を固定させたまま固まる。
 
「すぅぅぅぅ……これは幻覚か? 短剣腹に刺してみるか?」
「何をしようとしているのだ? 妾の主なのだから自傷はよさんか!」

 そう言って謎の美女が俺の手に持っていた短剣をペチンと払い落とす。
 そこでやっと違和感に気づく。

「……主って何? と言うか貴女はどちら様で? もしかして炎竜王?」
「む、分かるのではないか。その通り。妾は世界の頂点に立つ6体の竜の1柱である———炎竜王フレイヤであるぞ」

 炎竜王が超特大の胸を揺らしながら胸を張る。
 つい胸に目が入ってしまうのは男のサガというやつだ。
 しかしどうして炎なのに髪は白銀なんだろうか?
 まぁ深くツッコまない方がいいかもしれん。

 俺が炎竜王の爆乳に目を奪われていると、炎竜王が俺を指差す。

「そしてそんな妾の契約者で主がセーヤだ」

 成程ね、全然分からん。
 俺って炎竜王倒さなかったっけ?
 ゲームのイベントではどんな感じだったんだろう?
 女神は炎竜王のイベントがあるよーくらいしか言ってなかったからイマイチ分からないんだよな。

「契約ってどんなことをすれば良いの?」
「別に何もしなくてもよいぞ。ただ妾を此処から出してくれれば主の為に力を存分に振るおうぞ」

 炎竜王が瞳を人間のものから瞳孔の細い爬虫類の瞳に変わり、ドレスが炎になる。
 人間の姿なのに、その威圧感は圧倒的だった。

「そ、それは頼もしいね……その内頼らせてもらうよ……」

 俺が若干炎竜王の威圧にビビっていると、炎竜王が首を傾げていた。

「どうしたの炎竜王?」
「フレイヤでよい。いや、そうではなく、主は不思議な髪色と目の色をしておるな」
「僕も何でこうなったか知らないんだよね。両親はどちらも黒髪じゃないのに」

 そう、俺が転生したセーヤは名前だけでなく、髪と目が黒と容姿も日本人に似ている。
 容姿はこの世界に合わせて物凄く美形だけど。
 日本ならトップアイドルにもなれる容姿をしている。

「ふむ……突然変異か。主は不思議な固有スキルを持っている様だし、まさに妾の主に相応しいお方であるな」
「そ、そう? そう思ってくれているならありがたいけど……」

 と言いながらも俺は未だにフレイヤの胸から目を離すことが出来ずにいた。
 いや、前世でも見た事ないくらいデカいんだもん。
 ざっと見ても間違いなくJカップはありそうなデカさである。

 俺が真面目にフレイヤの胸の大きさを考察していると、俺の視線に気付いたフレイヤがニンマリと笑みを浮かべると———

「どうした主? そんなに妾の胸が気になるのか? なら———ほれ」
「うぶっ!?」

 ———俺を抱っこして、自身の胸へと誘った。
 突然顔に巨大な胸を押しつけられた事により、変な声が出てしまうが、正直言って物凄い気持ちいい。
 俺が小さい事もあり、全身をおっぱいに包み込まれている感じがする。

「ふふっ……気に入ったか主よ? さて……そろそろ外に出ようではないか」
「うぶ」

 フレイヤは俺を抱っこしたまま、出口へと歩を進めた。
 
 その間、俺はフレイヤのおっぱいと言う天国の中で先程までの精神的疲労もあり、再び強烈な睡魔に襲われて一瞬にして意識を奪われた。
 
 とても寝心地よかったです。

—————————————————————————
 羨ましい。

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