4 / 12
第1章 才能皆無の悪役貴族
第4話 大罪人は魔法を使う①
しおりを挟む
次の日は朝早くから起き、自分では着替えができないほど脂肪があるのでエマに手伝って貰う。
自分で着替えれない事に羞恥心を覚えることはあるが、これに関してはもうしょうがないと割り切っている。
「……こんなゴテゴテな服は嫌なんだが……」
「え? でもそれしか有りませんよ?」
俺はその言葉を聞いて思い出す。
そう言えばコイツ派手で高級な服が大好きだったな。
自己顕示欲が高い奴だったし。
だが俺は正直言ってこう言ったゴテゴテな動きずらい服は大嫌いなのだ。
修練の邪魔にしかならないし、汚れも目立つし無駄に高いからな。
その後何とか出来る限り動きやすそうな服を選んだ俺達は、ダイエット用のヘルシーな朝食を済ませた後、昨日と同じく魔力切れによるダイエット法を始める。
「……くっ……ふぅ……ふぅ……」
あまりの不快感に声が漏れるが、これくらいは許して欲しい。
エマもあわあわとテンパって駆け寄ってこようとするが、手だけで静止させる。
「邪魔するな」
「し、しかし!」
「良いから」
俺がそう言うとエマは不詳不詳と言う風に下がった。
まぁ俺の身に何かあればそれこそ大変だからな。
しかしこの脂肪には早くおさらばして貰わないと決闘に勝つなんて夢のまた夢だ。
ざっと4時間ほどした後で、ランニング、腹筋背筋腕立て伏せなどを合計10時間。
物凄いハードな修練のため体はクタクタで一歩も動けないほどだが、その分一昨日より一回りくらいは痩せているので精神的にはスッキリとしている。
久しぶりの安全な修練は最高だな……。
前世では20年間は四六時中危険ばかりだったからな。
俺は起き上がれるほどまで回復したら、エマに話しかける。
「エマ、頼みがある」
「な、何でしょうか!?」
超速で俺の元へ駆け寄ってくるエマ。
誰の目から見ても明らかに力み過ぎである。
そのままではいつか絶対に取り返しのつかないことを起こしてしまうだろう。
どんな時でも冷静に――だ。
「……元気なのはいいがもう少し落ち着け」
「は、はい……すみません……」
俺は一旦エマが落ち着くのを待ってから改めて頼み事をする。
「エマ、お前は今すぐ結界魔道具を持ってきてくれ」
「結界魔道具ですか……? 一体どうして……?」
まぁ結界なんて魔法を使う時とか、それこそ決闘の時くらいにしか使わないから困惑するのも当たり前だろう。
レインは魔法も全く使えなかったらしいし。
だが今は俺の前世での豊富な知識がある。
才能のない体でも魔法を発動させることなんざお手の物だ。
「今から俺が――魔法を使うからだ」
「ええっ!?」
辺りにエマの絶叫が響き渡った。
***
エマに結界魔道具を取りに行かせている間に俺は自身の体に空気中の魔力を取り込んでいく。
この技術を《吸魔》と名付けることにしている。
これは俺が世界との戦争をしていた時に開発した技術で、ほぼ永久的に魔法を使えるようにするためにした物だ。
流石に剣のみでは何十万も相手をするのは難しく、魔力がないと剣自体も強化できないのですぐに壊れてしまう。
しかし前世の俺も魔力は少ない方だった。
なら自分のじゃなくて他の魔力を使えばいいと考え、他の魔力と言う異物が体に入る時の激痛を我慢しながら使っていたらいつの間にか痛みも取れて自由に吸収出来るようになっていた。
しかしこの体は慣れていないので、全身の神経が捩じ切れそうな程の激痛が俺を襲ってくるが、ギリッと歯を噛み締めて耐える。
基本俺の修練は我慢比べの様なものなので、我慢さえすれば強くなれる。
そして俺は世界で最も痛みを知っていると言っても過言ではない。
流石に陣痛などの女性が感じる痛みは体験したことないが。
そんな状態で耐えること30分。
遂にエマが戻ってきた。
「れ、レイン様~借りてきましたっ!」
俺はエマから結界魔道具を受け取り、魔力を流して早速発動させる。
「エマ、お前は結界の外に居ろ」
「わ、分かりました……」
流石に俺の指示にも慣れてきたのか、余計な質問もせず直ぐに俺から離れた。
エマが記憶の中にある結界魔道具の効果範囲から出たのを確認して一気に魔力を注ぎ込んでいく。
俺の魔力ではなく自然の魔力なので後先気にせずどんどん使えるのが《吸魔》の良い所だ。
あっという間に溜まった結界魔道具を発動させると、半透明な壁が俺を中心にドーム状に形成されていく。
「ほう……結構立派な結界じゃないか」
形成された結界は、前世の実践でも十分に通用するであろう強固さだった。
叩けば金属を打ち付けたような高音が響く。
流石公爵家の結界だな。
「転生後初の魔法の試し打ちを開始するか」
俺は前世でも最も難易度の低い魔法を使うことに決めた。
自分で着替えれない事に羞恥心を覚えることはあるが、これに関してはもうしょうがないと割り切っている。
「……こんなゴテゴテな服は嫌なんだが……」
「え? でもそれしか有りませんよ?」
俺はその言葉を聞いて思い出す。
そう言えばコイツ派手で高級な服が大好きだったな。
自己顕示欲が高い奴だったし。
だが俺は正直言ってこう言ったゴテゴテな動きずらい服は大嫌いなのだ。
修練の邪魔にしかならないし、汚れも目立つし無駄に高いからな。
その後何とか出来る限り動きやすそうな服を選んだ俺達は、ダイエット用のヘルシーな朝食を済ませた後、昨日と同じく魔力切れによるダイエット法を始める。
「……くっ……ふぅ……ふぅ……」
あまりの不快感に声が漏れるが、これくらいは許して欲しい。
エマもあわあわとテンパって駆け寄ってこようとするが、手だけで静止させる。
「邪魔するな」
「し、しかし!」
「良いから」
俺がそう言うとエマは不詳不詳と言う風に下がった。
まぁ俺の身に何かあればそれこそ大変だからな。
しかしこの脂肪には早くおさらばして貰わないと決闘に勝つなんて夢のまた夢だ。
ざっと4時間ほどした後で、ランニング、腹筋背筋腕立て伏せなどを合計10時間。
物凄いハードな修練のため体はクタクタで一歩も動けないほどだが、その分一昨日より一回りくらいは痩せているので精神的にはスッキリとしている。
久しぶりの安全な修練は最高だな……。
前世では20年間は四六時中危険ばかりだったからな。
俺は起き上がれるほどまで回復したら、エマに話しかける。
「エマ、頼みがある」
「な、何でしょうか!?」
超速で俺の元へ駆け寄ってくるエマ。
誰の目から見ても明らかに力み過ぎである。
そのままではいつか絶対に取り返しのつかないことを起こしてしまうだろう。
どんな時でも冷静に――だ。
「……元気なのはいいがもう少し落ち着け」
「は、はい……すみません……」
俺は一旦エマが落ち着くのを待ってから改めて頼み事をする。
「エマ、お前は今すぐ結界魔道具を持ってきてくれ」
「結界魔道具ですか……? 一体どうして……?」
まぁ結界なんて魔法を使う時とか、それこそ決闘の時くらいにしか使わないから困惑するのも当たり前だろう。
レインは魔法も全く使えなかったらしいし。
だが今は俺の前世での豊富な知識がある。
才能のない体でも魔法を発動させることなんざお手の物だ。
「今から俺が――魔法を使うからだ」
「ええっ!?」
辺りにエマの絶叫が響き渡った。
***
エマに結界魔道具を取りに行かせている間に俺は自身の体に空気中の魔力を取り込んでいく。
この技術を《吸魔》と名付けることにしている。
これは俺が世界との戦争をしていた時に開発した技術で、ほぼ永久的に魔法を使えるようにするためにした物だ。
流石に剣のみでは何十万も相手をするのは難しく、魔力がないと剣自体も強化できないのですぐに壊れてしまう。
しかし前世の俺も魔力は少ない方だった。
なら自分のじゃなくて他の魔力を使えばいいと考え、他の魔力と言う異物が体に入る時の激痛を我慢しながら使っていたらいつの間にか痛みも取れて自由に吸収出来るようになっていた。
しかしこの体は慣れていないので、全身の神経が捩じ切れそうな程の激痛が俺を襲ってくるが、ギリッと歯を噛み締めて耐える。
基本俺の修練は我慢比べの様なものなので、我慢さえすれば強くなれる。
そして俺は世界で最も痛みを知っていると言っても過言ではない。
流石に陣痛などの女性が感じる痛みは体験したことないが。
そんな状態で耐えること30分。
遂にエマが戻ってきた。
「れ、レイン様~借りてきましたっ!」
俺はエマから結界魔道具を受け取り、魔力を流して早速発動させる。
「エマ、お前は結界の外に居ろ」
「わ、分かりました……」
流石に俺の指示にも慣れてきたのか、余計な質問もせず直ぐに俺から離れた。
エマが記憶の中にある結界魔道具の効果範囲から出たのを確認して一気に魔力を注ぎ込んでいく。
俺の魔力ではなく自然の魔力なので後先気にせずどんどん使えるのが《吸魔》の良い所だ。
あっという間に溜まった結界魔道具を発動させると、半透明な壁が俺を中心にドーム状に形成されていく。
「ほう……結構立派な結界じゃないか」
形成された結界は、前世の実践でも十分に通用するであろう強固さだった。
叩けば金属を打ち付けたような高音が響く。
流石公爵家の結界だな。
「転生後初の魔法の試し打ちを開始するか」
俺は前世でも最も難易度の低い魔法を使うことに決めた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい
空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。
孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。
竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。
火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜?
いやいや、ないでしょ……。
【お知らせ】2018/2/27 完結しました。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
転生したら幽閉王子でした~これどうすんの?
サクラ近衛将監
ファンタジー
神様の眷属の過失が原因の事故に遭って死んだ桜庭雄一が異世界に転生したら、とある国の忌避すべき王子として幽閉されていた。
転生にはチートがつきもののはずだが、事故で死んだ者が300名を超えるために、個別にチートは与えられず、転生先の者の能力を生かせと神に告げられている。
「神の加護」ではないけれど、「恩寵」が与えられているので、当該異世界では努力を為した分、通常に比べると成果があるらしい。
これはとある国の幽閉王子に転生した男の冒険譚である。
原則として、毎週月曜日20時に投稿予定です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる