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第二章 メインヒロイン決定戦
学生達才の力を見せる
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ルートB 増殖迷宮 多産部屋
魔法陣から出現した5体のモンスター。ニックは手前のモンスターを剣で倒しながら、
「平均戦士』の特典【一般斬撃】で敵は一撃で沈む。それとも両断の才の力なのか。俺が出来るだけ多く倒すから、みんなは空いた時間に自分の才に合わせたスキルを獲得やセットを試してみて。パッシブ系を積む事も地味に大切だと思うよ。みんなのスキルが整ったら、俺も控えに回ってスキルを獲得したい。」
ニックはそう言うともう一体のモンスターに斬りかかっていた。 アマンダがそれを了承する。
「了解よニック。私の多重の才は魔法に特化してるわ。平均戦士』の雷雨が一番強そうだけど、この閉鎖空間で使っても大丈夫なのかが分からない。これは切り札的に考えるとして、 Aランクで各属性の範囲魔法と単体魔法を獲得してみるわね。 」
残りの2体の敵をニックが葬ると、その間にエイミーもモンスターを一体討伐していた。
「私の杖剣の一般斬撃 では、3回以上の攻撃が必要です。ですが私の才は生命。これが攻撃に転じるのはアンデット系や悪魔系やソウル系でしょう。私も適正のある木属性の魔法を増やしてみます。もしくは魔法剣とかでしょうか。」
全滅させた事でニックがステータス画面を確認していると、あまり時間を置かずに魔法陣から新たなモンスターが一匹ずつ出現していた。僅かな時間差は討伐し数秒経った後に新たなモンスターが出現するというこの部屋のルールを物語っていた。いち早くそれに気づいたセイラが大鎌を振り回すと、斬撃の直後、出現していた3体のモンスター達が押し潰される。
「たしかに【一般斬撃】は相当、強力なスキルのようですね。私も一撃で葬れました。ですが、シリー先生から聞かずとも私はこれまで大地の才を使いこなしておりましたよ。クラス取得に考える時間が必要でしたらお二人がお使い下さい。」
年下であるセイラの凄まじい攻撃に、ニックが素直に驚いている。ニックは新たに出現したモンスターを倒しながら、その驚きを言葉にした。
「おいおい。Aランクのモンスターを3体いっぺんに撃破だと。よく分からないけど大地の才って最強なんじゃないのか?」
セイラも、もう一匹を倒しながら、言葉を返す。またも斬撃の直後に、モンスターはハンマーで押しつぶされたように、形を変え地面に這いつくばる。
「剛力と重力、それに地震などといった所でしょうか。だからこそ私は攻撃範囲の広い得物を使っております。皆さんも自分の才能を活かしきれたら、きっとこれくらいなら力を発揮するのでは? それよりも謎の答えを見つけなければ、永遠にこのボス部屋は止まらない気がします。」
押し黙る仲間達。ニックとセイラが、次々と現れるモンスターを倒しながら、やっとニックが口を開いた。
「それな。俺とエイミーと全員共通の文字には色がついているだろ? 赤い石板だから、何もない部分に赤文字で他の二人の名前も入っているんじゃないかな?」
すると、それにセイラが反応を示す。
「なるほど。それだと、左端の名前はきっとアマンダさんですね。アマンダさんはウォーターですから、水と油って事なのではないでしょうか。」
アマンダが、クラスを取得とスキルセットを終え、ステータス画面から目を離すと、目の前の異様な光景に言及する。
「モンスターカードって、0.001%くらいしかドロップはしないはずよね? この状況おかしくない? この量、討伐した魔物はモンスターカードか宝箱のどちらかがドロップしていってるように見えるんだけど。誰か貯まる前に拾っておきなさいよ。それに、モンスターの死骸というか素材だけが、たぶん次々とシリー先生のアイテムボックスに飛んで消えていくのも不思議な光景よね。」
アマンダの呼び掛けに、同じくスキルセットの終わったエイミーが、アイテムなどを拾っていく。現在はミッションが終わったのかと思うくらい何もない。モンスター達の出現していた魔法陣も消えていた。
「……Aランクのレアアイテムです。それにモンスターカードの進化素材や覚醒素材が入っていますね。」
「これで終わりなのかな?」
数十秒間の沈黙。それぞれが謎の答えを考えていた。しかし、部屋の様子を観察していたニックがその沈黙を破る。
「いいや。まだみたいだな。これは討伐と謎解き。分担した方が良く無いか?」
ニックの言葉と共に、部屋の床に6つの魔法陣が浮かび上がる。
「そんな暇はないんじゃないかな。魔法陣の数が増えてるわよ。それぞれが戦いながら考えましょう。分担するとしたら、ドロップアイテムの回収の方なんじゃない。」
ニックとセイラがモンスターを倒す中で、アマンダの言葉をエイミーが答える。
「アイテム回収は私に任せて下さい。【ブルームフラワー】【花の妖精】妖精さん達、お願いします。アイテムを回収し続けて下さい。」
花から産まれた妖精達は、エイミーにお辞儀をした後で、アイテムを拾いにいく。
「え? 木属性魔法にそんなのあったっけ? 私もそれ欲しい。」
「いいえ。魔法では花を咲かせただけです。妖精さん達は私の生命の才の力です。なんとなく出来る気がしました。」
ルートBの面々は今の所モンスターの討伐はたいして苦ではなかった。それもそのはずで、この増殖迷宮 多産部屋は、出て来るモンスターの数こそ限られた15種類のみだが、個体のレベルがどんどん強くなっていく。
最初は弱いが、魔法陣が新たに生成される時、魔法陣の数が増殖しモンスターのレベルが1つ上がる。部屋自体も魔法陣が増えると大きく成長していくが、その僅かな差に誰も気付いていない。
謎を解きクリアするまで、それが延々と繰り返されるのだ。
魔法陣から出現した5体のモンスター。ニックは手前のモンスターを剣で倒しながら、
「平均戦士』の特典【一般斬撃】で敵は一撃で沈む。それとも両断の才の力なのか。俺が出来るだけ多く倒すから、みんなは空いた時間に自分の才に合わせたスキルを獲得やセットを試してみて。パッシブ系を積む事も地味に大切だと思うよ。みんなのスキルが整ったら、俺も控えに回ってスキルを獲得したい。」
ニックはそう言うともう一体のモンスターに斬りかかっていた。 アマンダがそれを了承する。
「了解よニック。私の多重の才は魔法に特化してるわ。平均戦士』の雷雨が一番強そうだけど、この閉鎖空間で使っても大丈夫なのかが分からない。これは切り札的に考えるとして、 Aランクで各属性の範囲魔法と単体魔法を獲得してみるわね。 」
残りの2体の敵をニックが葬ると、その間にエイミーもモンスターを一体討伐していた。
「私の杖剣の一般斬撃 では、3回以上の攻撃が必要です。ですが私の才は生命。これが攻撃に転じるのはアンデット系や悪魔系やソウル系でしょう。私も適正のある木属性の魔法を増やしてみます。もしくは魔法剣とかでしょうか。」
全滅させた事でニックがステータス画面を確認していると、あまり時間を置かずに魔法陣から新たなモンスターが一匹ずつ出現していた。僅かな時間差は討伐し数秒経った後に新たなモンスターが出現するというこの部屋のルールを物語っていた。いち早くそれに気づいたセイラが大鎌を振り回すと、斬撃の直後、出現していた3体のモンスター達が押し潰される。
「たしかに【一般斬撃】は相当、強力なスキルのようですね。私も一撃で葬れました。ですが、シリー先生から聞かずとも私はこれまで大地の才を使いこなしておりましたよ。クラス取得に考える時間が必要でしたらお二人がお使い下さい。」
年下であるセイラの凄まじい攻撃に、ニックが素直に驚いている。ニックは新たに出現したモンスターを倒しながら、その驚きを言葉にした。
「おいおい。Aランクのモンスターを3体いっぺんに撃破だと。よく分からないけど大地の才って最強なんじゃないのか?」
セイラも、もう一匹を倒しながら、言葉を返す。またも斬撃の直後に、モンスターはハンマーで押しつぶされたように、形を変え地面に這いつくばる。
「剛力と重力、それに地震などといった所でしょうか。だからこそ私は攻撃範囲の広い得物を使っております。皆さんも自分の才能を活かしきれたら、きっとこれくらいなら力を発揮するのでは? それよりも謎の答えを見つけなければ、永遠にこのボス部屋は止まらない気がします。」
押し黙る仲間達。ニックとセイラが、次々と現れるモンスターを倒しながら、やっとニックが口を開いた。
「それな。俺とエイミーと全員共通の文字には色がついているだろ? 赤い石板だから、何もない部分に赤文字で他の二人の名前も入っているんじゃないかな?」
すると、それにセイラが反応を示す。
「なるほど。それだと、左端の名前はきっとアマンダさんですね。アマンダさんはウォーターですから、水と油って事なのではないでしょうか。」
アマンダが、クラスを取得とスキルセットを終え、ステータス画面から目を離すと、目の前の異様な光景に言及する。
「モンスターカードって、0.001%くらいしかドロップはしないはずよね? この状況おかしくない? この量、討伐した魔物はモンスターカードか宝箱のどちらかがドロップしていってるように見えるんだけど。誰か貯まる前に拾っておきなさいよ。それに、モンスターの死骸というか素材だけが、たぶん次々とシリー先生のアイテムボックスに飛んで消えていくのも不思議な光景よね。」
アマンダの呼び掛けに、同じくスキルセットの終わったエイミーが、アイテムなどを拾っていく。現在はミッションが終わったのかと思うくらい何もない。モンスター達の出現していた魔法陣も消えていた。
「……Aランクのレアアイテムです。それにモンスターカードの進化素材や覚醒素材が入っていますね。」
「これで終わりなのかな?」
数十秒間の沈黙。それぞれが謎の答えを考えていた。しかし、部屋の様子を観察していたニックがその沈黙を破る。
「いいや。まだみたいだな。これは討伐と謎解き。分担した方が良く無いか?」
ニックの言葉と共に、部屋の床に6つの魔法陣が浮かび上がる。
「そんな暇はないんじゃないかな。魔法陣の数が増えてるわよ。それぞれが戦いながら考えましょう。分担するとしたら、ドロップアイテムの回収の方なんじゃない。」
ニックとセイラがモンスターを倒す中で、アマンダの言葉をエイミーが答える。
「アイテム回収は私に任せて下さい。【ブルームフラワー】【花の妖精】妖精さん達、お願いします。アイテムを回収し続けて下さい。」
花から産まれた妖精達は、エイミーにお辞儀をした後で、アイテムを拾いにいく。
「え? 木属性魔法にそんなのあったっけ? 私もそれ欲しい。」
「いいえ。魔法では花を咲かせただけです。妖精さん達は私の生命の才の力です。なんとなく出来る気がしました。」
ルートBの面々は今の所モンスターの討伐はたいして苦ではなかった。それもそのはずで、この増殖迷宮 多産部屋は、出て来るモンスターの数こそ限られた15種類のみだが、個体のレベルがどんどん強くなっていく。
最初は弱いが、魔法陣が新たに生成される時、魔法陣の数が増殖しモンスターのレベルが1つ上がる。部屋自体も魔法陣が増えると大きく成長していくが、その僅かな差に誰も気付いていない。
謎を解きクリアするまで、それが延々と繰り返されるのだ。
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