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長い夜
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大通りに出ると、コンビニや二階建てのファミレスの明かりが目に留まる。一階は駐車場になっていて、車は結構多いようだ。
「二十四時間営業か。こういうところで働くのは大変だね。」
清子は少し昔のことを思い出していた。
それはあの家を出たときのこと。未成年であるからと、ウィークリーを借りるのも保護者の名前が必要だったが、不動産屋に適当なことを言ったら少し敷金を上乗せすることで保護者代わりの人を紹介してくれた。その人とは会ったことはない。だが二十歳になればそれも必要なくなった。
それから職業訓練校へ行きながら、バイトをした。訓練校は朝から夕方までだったので、夜のバイトをすることにした。そのバイト先がファミレスだったのだ。キッチンに入れば接客をすることはないし、笑顔を浮かべることも、同僚と過度なコミュニケーションを取ることもなく、ただ仕事をするだけなら良い職場だったかもしれない。
「ファミレスは俺、高校生の時にバイトをしていたな。」
史はそう言うと、そのドアを開けた。
「え?」
「フロアにいてね、夜の三時間とか、休日に六時間とか。お盆とか正月前は大変だったのを思い出すよ。」
こういうところから史の愛想の良いところは来ているのだろう。清子はそう思いながら、そのドアをくぐった。
若い高校生くらいの店員が、喫煙席に案内してくれた。メニューを見ていると、懐かしい気持ちがする。だが作ったことがあるものなら、どれが良いとかどれが不安な材料を使っているとかがわかるものだ。
「何にする?」
「鯖の定食にします。」
「肉じゃないんだ。ハンバーグが美味しいらしいのに。」
「……作る行程を見ると、ハンバーグはちょっと気が引けます。」
「え?」
「昔、私もファミレスにいたことがあるんですよ。キッチンにいました。」
手際が良さそうだ。無駄のない動きをしているのが安易に想像できる。
「そう。じゃあ、俺はスタミナ丼にしようかな。スタミナ付けたいし。」
この後のことを考えているのだろう。思わず心の中でため息をついた。
「甘いモノは……。」
その時店に誰かが入ってきた。ふと背中越しに視線を感じる。清子はふと振り返ると、そこには愛の姿があった。居るだけで目立つ姿に、店内の人たちの注目の的だったのだろう。
そして後ろには晶の姿がある。
「喫煙席で良いか?」
「仕方ないわね。」
そう言って二人は清子と史の所に歩いていく。するとふと愛が二人に気がついた。
「史?」
「やぁ。珍しいね。こんなところで。」
「あなたこそ、こんなところで何をしているの?住んでるところを変えたの?」
「ちょっと事情があってね。」
ふと愛は清子に視線を移す。あぁ。この女の所へ来ているのだろう。それにしてはどうしてこんなファミレスなんかにいるのだろうか。史にしては女を連れてくるのに、気軽なファミレスなんかに来ることはないと思っていたのに。
「愛理。座ろうぜ。」
不機嫌そうに晶はそう言うが、愛は首を横に振る。
「一緒に座っても良い?注文もうした?」
「いや。まだだけど。」
「愛理。」
いらついたように晶は言うが、愛は引き下がらない。こんなところで史や清子がいちゃついているところを見たくない晶は、愛をせかすように言う。だが愛理はちゃっかりと清子の隣に座った。
「あまりこう言うところで食べないのよねぇ。何がいいのかしら。」
その行動に渋々晶も史の隣に座った。すると店員が追加の箸やフォークをテーブルにおく。
「メニューをどうぞ。」
清子はそう言ってメニューを差し出すと、愛はそのメニューを開く。史も晶にメニューを手渡す。
「……ハンバーグにするか。」
晶はすぐにそう言うと、愛をみる。しかし愛は首を傾げたままだった。
「ハンバーグが美味しいの?」
「そうですね。押してる見たいですけど。」
「でもこう言うところのハンバーグはちょっとね。カロリーも気になるし。豚しゃぶにしようかな。」
やはり口に入れるものなどは気にするのだろう。ではないとこのスタイルを維持できないのだ。
店員を呼んで注文をすませると、清子は水を口に付けた。
「悪いわねぇ。デートを邪魔するみたいにして。」
「別にかまわないよ。デートじゃないし。」
「え?違うの?」
愛は驚いたように二人をみる。
「言っただろう?ちょっと事情があって、しばらく会社の寮に泊まってるんだ。彼女も一緒。」
「寮?そんなモノがあるの?」
「普通のマンションの一室だよ。君はどうしてこんなところにいるんだ。」
その言葉に愛は不機嫌そうに言った。
「ハザーのオーディションに行ったのよ。」
それは世界的に有名な海外のファッション雑誌だった。そこの専属モデルとなれば、この国からは初かもしれない。一次に受かり、愛はそのまま現地へ向かった。
だがやはり言われたのは同じ事だった。
「東洋人だから、黒しか似合わないんですって。バカにしてるわ。」
偏見の目はまだあるのだろう。だが同じ東洋人でも、隣の国の女性は三次まで受かったらしい。
「いくらバランスの良い体を身につけて、肌にも気をつけても、結局骨格が違うし、顔立ちも扁平でしょ?」
「この国の人にしては彫りが深いよ。」
史はそう言って煙草に火をつける。
「もっとはっきりくっきりしないとメイクが目立たないですって。それに派手な洋服は着れないだろうって。」
「……そんなモノなんですね。」
清子にはよくわからない世界だった。洋服や化粧には興味はないし、体のコンプレックスは細すぎる体くらいだ。頑張って食べてみたこともあるが全く体重は増えないし、運動をしてみても体力が無駄に付いただけだった。
そもそもあまりがつがつ食べないのは、おそらく小さい頃から祖母の食生活に合わせていたからだろう。
「そう言えば、あなた、徳成さんって言ったっけ?」
「はい。」
「この間って言っても少し前か。知り合いのバーであなたの話題がでてたのよ。」
「私ですか?」
「いくら飲んでも酔わないザルだって。」
「酷い。」
その言葉に思わず晶が笑った。
「徳成。今日は飲まなくていいのか?」
「良いです。」
清子はそう言って頬を膨らませた。
「で、何で編集長と二人で飯を食ってるんだ?」
少し空気が和んで、晶は史に聞いた。
「別に……。」
「近くだから。それだけです。今日は引っ越したばかりだし、食材も何もないし、せっかくだからコンビニよりはファミレスかと思っただけ。」
「ふーん。」
盗聴器のことはまだ言いたくなかった。誰が仕掛けたのかわからないまま、他人に知られたくなかった。
「そう言えばさ、花火明日じゃん。けど、順延になりそうなんだとよ。」
「え?」
「明日は雨らしいわ。」
愛もそう言うと、清子は携帯電話で天気を調べた。
「引っ越そうかと思ってたのに。」
すると史は少し笑っていった。
「雨の中で引っ越しは難しいな。徳成さん。良かったら、荷物を運んであげようか。」
「え……。」
「キャリーケース一つくらいなら車に乗るから。」
その言葉に愛が驚いたように言った。
「キャリーケース一つ分しかないの?」
「ないです。派遣ですし、一年ごとに引っ越すのでその方が良いと思って。」
「だって……シーズンごとの洋服とかどうしてるの?」
「そんなにないですよ。ほとんど仕事してるので、スーツが二着、ブラウスは三着、あとは下着とか、私服はたぶんシーズンに二着くらいしか……え……どうしました?」
愛は苦笑いを浮かべて、清子に言う。
「例えばよ……コートとかあるでしょう?」
「コートは荷物が大きくなるのでダウンを。使わないときは圧縮してます。」
「買ってどれくらい?」
「さぁ……成人したときくらいに買ったので、五年くらいは……。」
すると愛は、清子の手を握って言う。
「今度、お洋服を買いに行きましょう?」
「え……必要ないです。」
清子は唖然として言う。洋服や化粧などにお金をかけたくなかった。
「だめよ。その歳の流行もあるんだし、五年もたったダウンなんて羽がもう出てきてるでしょう?」
「必要ないですから。」
「お化粧だってさ……化粧水つけてる?」
「別に必要ですか?」
あまりの関心のなさに、愛は焦ったように言う。
「歳を取ったらわかるのよ。シミとかしわとか。」
「歳を取ったら取ったなりにすればいいと思います。変に若くある必要はありません。」
その言葉に晶がたまらずに笑った。そして愛を見て言う。
「人それぞれだよ。愛理。変にお前が口を出すことでもないだろう。徳成はそれでいいってんだから。」
その時店員が、鯖定食とハンバーグを持ってくる。
「お待たせしました。」
鯖の塩焼きは、目玉焼きや大根下ろしなんかもついていて、まるで朝食のようなメニューだった。
「健康的なメニューねぇ。」
「そうですね。こういう和食が好きです。」
化粧などにはこだわりはない。だが洋食よりも和食、甘いワインよりも日本酒、ひらひらしたスカートよりもきっちりした綿パンを好む清子は、やはり愛とは対照的なのだ。
似ている女を見てたはずなのに、どうしてこうも違うのだろう。
「二十四時間営業か。こういうところで働くのは大変だね。」
清子は少し昔のことを思い出していた。
それはあの家を出たときのこと。未成年であるからと、ウィークリーを借りるのも保護者の名前が必要だったが、不動産屋に適当なことを言ったら少し敷金を上乗せすることで保護者代わりの人を紹介してくれた。その人とは会ったことはない。だが二十歳になればそれも必要なくなった。
それから職業訓練校へ行きながら、バイトをした。訓練校は朝から夕方までだったので、夜のバイトをすることにした。そのバイト先がファミレスだったのだ。キッチンに入れば接客をすることはないし、笑顔を浮かべることも、同僚と過度なコミュニケーションを取ることもなく、ただ仕事をするだけなら良い職場だったかもしれない。
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史はそう言うと、そのドアを開けた。
「え?」
「フロアにいてね、夜の三時間とか、休日に六時間とか。お盆とか正月前は大変だったのを思い出すよ。」
こういうところから史の愛想の良いところは来ているのだろう。清子はそう思いながら、そのドアをくぐった。
若い高校生くらいの店員が、喫煙席に案内してくれた。メニューを見ていると、懐かしい気持ちがする。だが作ったことがあるものなら、どれが良いとかどれが不安な材料を使っているとかがわかるものだ。
「何にする?」
「鯖の定食にします。」
「肉じゃないんだ。ハンバーグが美味しいらしいのに。」
「……作る行程を見ると、ハンバーグはちょっと気が引けます。」
「え?」
「昔、私もファミレスにいたことがあるんですよ。キッチンにいました。」
手際が良さそうだ。無駄のない動きをしているのが安易に想像できる。
「そう。じゃあ、俺はスタミナ丼にしようかな。スタミナ付けたいし。」
この後のことを考えているのだろう。思わず心の中でため息をついた。
「甘いモノは……。」
その時店に誰かが入ってきた。ふと背中越しに視線を感じる。清子はふと振り返ると、そこには愛の姿があった。居るだけで目立つ姿に、店内の人たちの注目の的だったのだろう。
そして後ろには晶の姿がある。
「喫煙席で良いか?」
「仕方ないわね。」
そう言って二人は清子と史の所に歩いていく。するとふと愛が二人に気がついた。
「史?」
「やぁ。珍しいね。こんなところで。」
「あなたこそ、こんなところで何をしているの?住んでるところを変えたの?」
「ちょっと事情があってね。」
ふと愛は清子に視線を移す。あぁ。この女の所へ来ているのだろう。それにしてはどうしてこんなファミレスなんかにいるのだろうか。史にしては女を連れてくるのに、気軽なファミレスなんかに来ることはないと思っていたのに。
「愛理。座ろうぜ。」
不機嫌そうに晶はそう言うが、愛は首を横に振る。
「一緒に座っても良い?注文もうした?」
「いや。まだだけど。」
「愛理。」
いらついたように晶は言うが、愛は引き下がらない。こんなところで史や清子がいちゃついているところを見たくない晶は、愛をせかすように言う。だが愛理はちゃっかりと清子の隣に座った。
「あまりこう言うところで食べないのよねぇ。何がいいのかしら。」
その行動に渋々晶も史の隣に座った。すると店員が追加の箸やフォークをテーブルにおく。
「メニューをどうぞ。」
清子はそう言ってメニューを差し出すと、愛はそのメニューを開く。史も晶にメニューを手渡す。
「……ハンバーグにするか。」
晶はすぐにそう言うと、愛をみる。しかし愛は首を傾げたままだった。
「ハンバーグが美味しいの?」
「そうですね。押してる見たいですけど。」
「でもこう言うところのハンバーグはちょっとね。カロリーも気になるし。豚しゃぶにしようかな。」
やはり口に入れるものなどは気にするのだろう。ではないとこのスタイルを維持できないのだ。
店員を呼んで注文をすませると、清子は水を口に付けた。
「悪いわねぇ。デートを邪魔するみたいにして。」
「別にかまわないよ。デートじゃないし。」
「え?違うの?」
愛は驚いたように二人をみる。
「言っただろう?ちょっと事情があって、しばらく会社の寮に泊まってるんだ。彼女も一緒。」
「寮?そんなモノがあるの?」
「普通のマンションの一室だよ。君はどうしてこんなところにいるんだ。」
その言葉に愛は不機嫌そうに言った。
「ハザーのオーディションに行ったのよ。」
それは世界的に有名な海外のファッション雑誌だった。そこの専属モデルとなれば、この国からは初かもしれない。一次に受かり、愛はそのまま現地へ向かった。
だがやはり言われたのは同じ事だった。
「東洋人だから、黒しか似合わないんですって。バカにしてるわ。」
偏見の目はまだあるのだろう。だが同じ東洋人でも、隣の国の女性は三次まで受かったらしい。
「いくらバランスの良い体を身につけて、肌にも気をつけても、結局骨格が違うし、顔立ちも扁平でしょ?」
「この国の人にしては彫りが深いよ。」
史はそう言って煙草に火をつける。
「もっとはっきりくっきりしないとメイクが目立たないですって。それに派手な洋服は着れないだろうって。」
「……そんなモノなんですね。」
清子にはよくわからない世界だった。洋服や化粧には興味はないし、体のコンプレックスは細すぎる体くらいだ。頑張って食べてみたこともあるが全く体重は増えないし、運動をしてみても体力が無駄に付いただけだった。
そもそもあまりがつがつ食べないのは、おそらく小さい頃から祖母の食生活に合わせていたからだろう。
「そう言えば、あなた、徳成さんって言ったっけ?」
「はい。」
「この間って言っても少し前か。知り合いのバーであなたの話題がでてたのよ。」
「私ですか?」
「いくら飲んでも酔わないザルだって。」
「酷い。」
その言葉に思わず晶が笑った。
「徳成。今日は飲まなくていいのか?」
「良いです。」
清子はそう言って頬を膨らませた。
「で、何で編集長と二人で飯を食ってるんだ?」
少し空気が和んで、晶は史に聞いた。
「別に……。」
「近くだから。それだけです。今日は引っ越したばかりだし、食材も何もないし、せっかくだからコンビニよりはファミレスかと思っただけ。」
「ふーん。」
盗聴器のことはまだ言いたくなかった。誰が仕掛けたのかわからないまま、他人に知られたくなかった。
「そう言えばさ、花火明日じゃん。けど、順延になりそうなんだとよ。」
「え?」
「明日は雨らしいわ。」
愛もそう言うと、清子は携帯電話で天気を調べた。
「引っ越そうかと思ってたのに。」
すると史は少し笑っていった。
「雨の中で引っ越しは難しいな。徳成さん。良かったら、荷物を運んであげようか。」
「え……。」
「キャリーケース一つくらいなら車に乗るから。」
その言葉に愛が驚いたように言った。
「キャリーケース一つ分しかないの?」
「ないです。派遣ですし、一年ごとに引っ越すのでその方が良いと思って。」
「だって……シーズンごとの洋服とかどうしてるの?」
「そんなにないですよ。ほとんど仕事してるので、スーツが二着、ブラウスは三着、あとは下着とか、私服はたぶんシーズンに二着くらいしか……え……どうしました?」
愛は苦笑いを浮かべて、清子に言う。
「例えばよ……コートとかあるでしょう?」
「コートは荷物が大きくなるのでダウンを。使わないときは圧縮してます。」
「買ってどれくらい?」
「さぁ……成人したときくらいに買ったので、五年くらいは……。」
すると愛は、清子の手を握って言う。
「今度、お洋服を買いに行きましょう?」
「え……必要ないです。」
清子は唖然として言う。洋服や化粧などにお金をかけたくなかった。
「だめよ。その歳の流行もあるんだし、五年もたったダウンなんて羽がもう出てきてるでしょう?」
「必要ないですから。」
「お化粧だってさ……化粧水つけてる?」
「別に必要ですか?」
あまりの関心のなさに、愛は焦ったように言う。
「歳を取ったらわかるのよ。シミとかしわとか。」
「歳を取ったら取ったなりにすればいいと思います。変に若くある必要はありません。」
その言葉に晶がたまらずに笑った。そして愛を見て言う。
「人それぞれだよ。愛理。変にお前が口を出すことでもないだろう。徳成はそれでいいってんだから。」
その時店員が、鯖定食とハンバーグを持ってくる。
「お待たせしました。」
鯖の塩焼きは、目玉焼きや大根下ろしなんかもついていて、まるで朝食のようなメニューだった。
「健康的なメニューねぇ。」
「そうですね。こういう和食が好きです。」
化粧などにはこだわりはない。だが洋食よりも和食、甘いワインよりも日本酒、ひらひらしたスカートよりもきっちりした綿パンを好む清子は、やはり愛とは対照的なのだ。
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