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裏切り
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備え付けのコンドームを使うことはなかった。箱ごと持ってきていたコンドームは真新しく、それを付けて一馬は響子の中に入ってきた。
まだ一度目なのに声が枯れそうだ。響子はベッドに体を横たえたまましばらく絶頂の余韻に浸っている。その間、一馬はベッドから降りると風呂場へ向かって湯船を溜めると、また響子の側へやってくる。
「大丈夫か?」
「うん……。」
「だったら風呂に入ってまたするか。」
「……ったく……絶倫ってそりゃ言われるわね。」
「人並み。」
「どこが。」
響子は体を仰向けにして体を起こす。火傷の後や傷跡に混ざって、内出血の跡がある。一馬はこの跡を付けるのが好きだった。いつか部屋にやってきてお茶を飲んだとき、帰り間際に忘れないようにと一馬が薄くその跡を響子に残していったのだ。
普通にしていれば見えないと言っていたが、今日は付ければまずいかもしれない。
「明日……オーナーに会うのよ。」
鏡を見て、響子は責めるように一馬に言う。
「しなければいい。」
「そんなこと……。」
「と言うか、もうさせたくない。」
どんどん欲張りになる。抱く度に愛しくなる。自分のものではないと思えば思うほど、自分のものにしたくなる。
「……一馬。」
すると響子が少し困ったような表情になっている。それを見て一馬は首を横に振った。
「悪い……。俺だけの気持ちで突っ走った。」
「ううん……。当然のことだと思う。でも多分、明日はオーナーとはしないわ。」
「どうして?」
「あなたを重ねてしまうから。」
「……前の時は、俺とオーナーを重ねていたのに?」
「そうね。」
圭太と最初にしたときのことを思い出す。そのときはあの輪姦した男たちが嫌でも浮かんだ。そして一馬としていると圭太を思いだし、圭太とすればおそらく一馬が思い浮かぶだろう。
「とりあえず風呂に入ろう。」
一馬はそういって響子の手を引く。そして風呂場へ向かうと、すぐにお互いの体を湯で軽く流すと、湯船に浸かる。
「こっちに来て。」
二人ではいることを想定した湯船は、一馬のような大きな体の人が入っても余裕だった。響子は言われたとおり、一馬の方へ体を寄せる。すると一馬は抱き抱えるように響子を抱きしめた。そしてわきの下から、胸に触れる。
「あ……。」
「もう立ってるな。」
強めに乳首を引くのが響子は好きだ。さらにそれを指先でぐりぐりとこね回すと、すぐに声が出る。
「ここか?」
乳首が痛いほど尖っている。執拗にそこを摘んだり、こね回したりしていると響子の顔が赤く染まる。お湯が熱いのではなく、感じているのだ。
「あっ……。あ……。んっ……。」
自然と響子も手を一馬の性器にはわせていた。すでに大きく盛り上がっていて、手で触れる度に大きくなる。
「響子……もう少し強くして良い。」
胸に触れながら、一馬もまたその性器に指をはわせる。お湯ではないぬるっとした感触があった。
「あ……。」
響子は少しマゾヒストの気がある。乱暴に触られるのも好きだし、だがやりすぎると以前に拉致されたときの記憶が蘇るようだった。その加減が難しい。だが響子は気にしなくても良いという。
「大事にされると不安になるの。」
響子の体を後ろから抱き抱えると、その湯船の縁に座らせる。
「何?」
すると一馬はその明るい中で、響子の太股に手をかけた。すると響子の性器が、一馬の目の前にさらされる。
「ちょっと……それは恥ずかしいから……。」
「本当に?」
隠している手を避けて、その性器を指で開く。すると奥から蜜が炙れてくる。ぽたぽたと湯船の中に落ちるようだ。
「綺麗な色だな。何度もしてるのに。」
こうしてホテルへ来るのは二度目だろう。だがセックス自体はどれくらいしたのかわからない。二人はタイミングが合わないこともあって、こうやって二人きりになれば何度も求め合う。そのたびに、響子は何度絶頂に達しているだろう。
「あっ。あ……。指増やしたの?」
「あぁ。ここ、好きだろ?湯船にもう垂れてるな。お前の汁が。指でまたイくのか?」
「あっ!ああああ!」
指の間から汁が出てくる。その間にもがくがくと体を震わせていた。風呂場の壁にもたれて、湯あたりでもしているように体が赤い。
「大丈夫か?あがってから……。」
すると響子は首を横に振る。そして立ち上がっている一馬の腕を引いた。
「湯あたりなんかしてないから。」
「そうか?でもゴムを持ってこないと……。」
すると響子は一馬を見上げる。すると一馬はその気持ちが分かったように、響子の体を抱き上げて立ち上がらせた。
「響子。欲しいのか?」
「切ないの。あなたを待ってたら、気持ちが冷めそうで。」
「子供が出来る。やっぱりゴムを……。」
「……一馬。」
すると一馬は響子の唇にキスをする。それ以上は言わせないように。
そしてその湯船から出ると、響子を壁側に立たせた。そしてそのまま部屋へ戻り、コンドームを手にしてまた風呂場へ戻る。すると響子は一馬を見上げる。
「子供は出来ないと思う。」
「どうして?」
「半月もあの部屋にいて、ずっとセックスをさせられていたのに子供は出来なかった。何度もしたのに……だから、私は女としても欠陥品で……。」
「そういうのはタイミングだろう。そのときはたまたま出来なかっただけかもしれない。だが今、子供がお前に出来れは、俺はどうすればいいんだ。」
「……。」
「もし俺の子供だとしても、オーナーに育てさせるのか?一生嘘を付いて。」
「……。」
「直接したいと言うんだったら、きっちり俺からも、お前からもオーナーに言わないといけないだろう?」
「そうね……。ごめんなさい。わがままを言ったわ。」
気持ちが盛り上がっても冷静なのは一馬の方だった。響子は改めて一馬の首に手を回すと、またキスをした。
そのとき、部屋の中で響子の携帯電話が鳴っていた。だがそれに二人は気が付いていない。
まだ一度目なのに声が枯れそうだ。響子はベッドに体を横たえたまましばらく絶頂の余韻に浸っている。その間、一馬はベッドから降りると風呂場へ向かって湯船を溜めると、また響子の側へやってくる。
「大丈夫か?」
「うん……。」
「だったら風呂に入ってまたするか。」
「……ったく……絶倫ってそりゃ言われるわね。」
「人並み。」
「どこが。」
響子は体を仰向けにして体を起こす。火傷の後や傷跡に混ざって、内出血の跡がある。一馬はこの跡を付けるのが好きだった。いつか部屋にやってきてお茶を飲んだとき、帰り間際に忘れないようにと一馬が薄くその跡を響子に残していったのだ。
普通にしていれば見えないと言っていたが、今日は付ければまずいかもしれない。
「明日……オーナーに会うのよ。」
鏡を見て、響子は責めるように一馬に言う。
「しなければいい。」
「そんなこと……。」
「と言うか、もうさせたくない。」
どんどん欲張りになる。抱く度に愛しくなる。自分のものではないと思えば思うほど、自分のものにしたくなる。
「……一馬。」
すると響子が少し困ったような表情になっている。それを見て一馬は首を横に振った。
「悪い……。俺だけの気持ちで突っ走った。」
「ううん……。当然のことだと思う。でも多分、明日はオーナーとはしないわ。」
「どうして?」
「あなたを重ねてしまうから。」
「……前の時は、俺とオーナーを重ねていたのに?」
「そうね。」
圭太と最初にしたときのことを思い出す。そのときはあの輪姦した男たちが嫌でも浮かんだ。そして一馬としていると圭太を思いだし、圭太とすればおそらく一馬が思い浮かぶだろう。
「とりあえず風呂に入ろう。」
一馬はそういって響子の手を引く。そして風呂場へ向かうと、すぐにお互いの体を湯で軽く流すと、湯船に浸かる。
「こっちに来て。」
二人ではいることを想定した湯船は、一馬のような大きな体の人が入っても余裕だった。響子は言われたとおり、一馬の方へ体を寄せる。すると一馬は抱き抱えるように響子を抱きしめた。そしてわきの下から、胸に触れる。
「あ……。」
「もう立ってるな。」
強めに乳首を引くのが響子は好きだ。さらにそれを指先でぐりぐりとこね回すと、すぐに声が出る。
「ここか?」
乳首が痛いほど尖っている。執拗にそこを摘んだり、こね回したりしていると響子の顔が赤く染まる。お湯が熱いのではなく、感じているのだ。
「あっ……。あ……。んっ……。」
自然と響子も手を一馬の性器にはわせていた。すでに大きく盛り上がっていて、手で触れる度に大きくなる。
「響子……もう少し強くして良い。」
胸に触れながら、一馬もまたその性器に指をはわせる。お湯ではないぬるっとした感触があった。
「あ……。」
響子は少しマゾヒストの気がある。乱暴に触られるのも好きだし、だがやりすぎると以前に拉致されたときの記憶が蘇るようだった。その加減が難しい。だが響子は気にしなくても良いという。
「大事にされると不安になるの。」
響子の体を後ろから抱き抱えると、その湯船の縁に座らせる。
「何?」
すると一馬はその明るい中で、響子の太股に手をかけた。すると響子の性器が、一馬の目の前にさらされる。
「ちょっと……それは恥ずかしいから……。」
「本当に?」
隠している手を避けて、その性器を指で開く。すると奥から蜜が炙れてくる。ぽたぽたと湯船の中に落ちるようだ。
「綺麗な色だな。何度もしてるのに。」
こうしてホテルへ来るのは二度目だろう。だがセックス自体はどれくらいしたのかわからない。二人はタイミングが合わないこともあって、こうやって二人きりになれば何度も求め合う。そのたびに、響子は何度絶頂に達しているだろう。
「あっ。あ……。指増やしたの?」
「あぁ。ここ、好きだろ?湯船にもう垂れてるな。お前の汁が。指でまたイくのか?」
「あっ!ああああ!」
指の間から汁が出てくる。その間にもがくがくと体を震わせていた。風呂場の壁にもたれて、湯あたりでもしているように体が赤い。
「大丈夫か?あがってから……。」
すると響子は首を横に振る。そして立ち上がっている一馬の腕を引いた。
「湯あたりなんかしてないから。」
「そうか?でもゴムを持ってこないと……。」
すると響子は一馬を見上げる。すると一馬はその気持ちが分かったように、響子の体を抱き上げて立ち上がらせた。
「響子。欲しいのか?」
「切ないの。あなたを待ってたら、気持ちが冷めそうで。」
「子供が出来る。やっぱりゴムを……。」
「……一馬。」
すると一馬は響子の唇にキスをする。それ以上は言わせないように。
そしてその湯船から出ると、響子を壁側に立たせた。そしてそのまま部屋へ戻り、コンドームを手にしてまた風呂場へ戻る。すると響子は一馬を見上げる。
「子供は出来ないと思う。」
「どうして?」
「半月もあの部屋にいて、ずっとセックスをさせられていたのに子供は出来なかった。何度もしたのに……だから、私は女としても欠陥品で……。」
「そういうのはタイミングだろう。そのときはたまたま出来なかっただけかもしれない。だが今、子供がお前に出来れは、俺はどうすればいいんだ。」
「……。」
「もし俺の子供だとしても、オーナーに育てさせるのか?一生嘘を付いて。」
「……。」
「直接したいと言うんだったら、きっちり俺からも、お前からもオーナーに言わないといけないだろう?」
「そうね……。ごめんなさい。わがままを言ったわ。」
気持ちが盛り上がっても冷静なのは一馬の方だった。響子は改めて一馬の首に手を回すと、またキスをした。
そのとき、部屋の中で響子の携帯電話が鳴っていた。だがそれに二人は気が付いていない。
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