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Girl's Style
また春が来る
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9 いつか告白を
冬になってアメリカにいる父さんから一通のメールがパソコンに届いていることに気が付いた。
メールを開くと、そこには父さんが再婚したアメリカ人の義理の母親が私を恋しがっているというメールだった。母親だけではない。まだ小さな義理の弟も私がいつか選ってくるのかと繰り返し聞いているという。
一度アメリカに帰ってきてほしい。そういった内容だった。
アメリカの家はこの国よりも厳しい寒さに襲われている。ホームレスが沢山いて、スモッグ混じりの雪がホームレスが道ばたで死んでいる上につもっていくようなところだった。治安も悪い不潔なところだ。でもこの国の子供たちのように無気力なモノはいないように見えた。何かしらの目標を持って生きているように見える。
パソコンを閉じて、もう眠ろうとしたときだった。
ドアをノックする音がして、母親が部屋に入ってきた。滅多なことでは夜に家にいることはないのだが、今日はなぜか家にいる。
「母さん、結婚しようと思って。」
そのとき私は、もうこの国にいる理由がないように思えてしまった。
それからしばらくしてクリスマスが過ぎ年が明けた。三学期になった。私は秋本君とともに職員室へ呼ばれ、担任の先生から、二年生から特進クラスへの編入を進められた。私はもうこの国にいる理由もわからないままだったので、それを断った。
「この学校にずっといるわけじゃないですから。」
すると担任はため息を付いて、資料を見ていた。
「君は編入をすると言っていたね。」
そのときやっと同級生である秋本君にも私がどこへ行くのか知られてしまったのだ。
二人で並んで、教室に戻る。冬の夕暮れは早い。カーテンを閉めないでいると、夕日が燦々と教室に降り注いでいるようだ。
秋本君は何も言わないで、教室を出ようとしていた。もしかしたら他の人に私が二年になったらいなくなることを話すかもしれない。そう思ったら思わずあなたを呼び止めていた。
「秋本君。」
あなたの表情は驚いているようだった。そうだ。私はあなたに話しかけることもしなかったのだ。
「編入の話、みんなにはしないで。」
「みんな?」
みんなって誰のことを言っているのだろう。クラスの人?佐久間君?それとも佐久間君の彼女という人?あなたの人脈を見ると、何か話しそうだったのかもしれない。
だってあなたは私と違って、あなたの周りにはいつも人がいたから。
「言わないよ。」
「良かった。」
約束してくれた。それだけでほっとした。これで二年になって「あの人いないね。アメリカへ行ったんだって。」なんて言う人がいなくなるのだから。
出て行こうとすると不意にあなたから声をかけられた。
「編入して、外国へ行ったら彼氏に会えなくなるんじゃないのか。」
彼氏?誰のことを言っているの?私はあなたと違って、私の周りには誰もいなかったのよ。
「そんな人いないわ。いたら編入も考えるんでしょうけど。」
ぱっと浮かんだのは兄さんの顔だった。でも兄さんは春に結婚してしまう。
「……でも……。」
「誰かと勘違いしているわ。私が男の人と一緒にいるところでも見たの?」
「あぁ。」
えっ?予想外の答えだった。誰と一緒にいたところを見たのだろう。
「いつ?」
「花火大会の時。君は浴衣を着ていた。隣には男の人がいたね。それで彼氏がいるんだと思っていた。」
やはり。あなたが勘違いしていたのは、兄さんを見たからなのだ。
「……そんなところを見られていたなんて……。だから地元の花火大会行きたくなかったのに。」
だまされるように連れ出された。浴衣を着て、髪をあたってもらい、耳元で可愛いよと言ってくれた兄さんがずっと好きだった。
でもあのときもらった指輪は、この間返してしまった。指輪をもらうのは「恋人」だけだから。と言って。
兄さんは笑いながら「生意気なことを言う」と言ってた。
「秋本君も、彼女がいるのでしょう?」
思い切ってあなたに聞いてみた。あなたがあのとき女の子用の雑貨の店で、一生懸命プレゼントを選んでいた。それを私も見ていたの。
あんなに一生懸命選んでいたのだから、それは彼女へのプレゼントだったのだろう。
「あぁ……あれは……。」
返答に困っているようだった。どういっていいのかわからない。そんな風に見える。もしかしたら本当に彼女へのプレゼントだったのかもしれない。
「僕は……。」
何かを必死に言おうとしている。その何かはきっと弁解だ。
「いいの。何も言わなくて。もう私は春にはいないのだから。」
何もかもが遅いのだ。あなたが誰にプレゼントを買っているのか。知る必要もないし、知らなくてもいい。知りたくない。
私は教室を出ようとドアノブに手をかけたときだった。
「安西さん。」
あなたが声をかける。あなたが私に声をかけたのは、初めてだったかもしれない。
通学用の鞄から出されたのは、緑と赤のラッピングをされたプレゼントだった。それを私に差し出すけど、あなたは私の方を見ようともしない。かわりに頬が赤くなっている。
「ずっと渡したかったんだ。」
クリスマスの前に買ったものなのだろう。とっくの昔にクリスマスは過ぎてしまったのに。あなたは私に渡したくて、ずっと持っていたのかもしれない。
そのプレゼントを手に取ると重さを感じた。
「開けていい?」
「うん。」
ラッピングを取ると、そこにはクリーム色の手袋が入っていた。私の好きなモヘアの素材。ふわふわしていて、手袋の下には小さな飾りが付いていた。
「可愛い色の手袋ね。ありがとう。私が春にいくところはアメリカでも北の方だから、春が来てもずっと使えると思うわ。」
自分で選んで買ってくれたのだろう。その心が嬉しかった。何で私は兄さんに頼ってプレゼントを選んでしまったのだろう。それが悔やまれる。
「秋本君の手袋は、兄に選んでもらったの。」
「兄?」
あなたは驚いたように私を見た。
「えぇ。見たことがあるのでしょう?花火大会の時に。」
ふわふわの手袋をすると、とても指先が温かくなったような気がする。温かくなったのは指先だけではない。
「兄さんだったの?」
「えぇ。歳が離れているから、もう就職してほかの町にいるのだけど、たまに帰ってくるの。」
小説家だとは言いたくなかった。著名人の妹という色眼鏡で見られたくなかったからだ。
「仲がいいんだね。」
「男の人のプレゼントなんて初めて。嬉しい。」
「悩んだよ。僕も女性へのプレゼントなんて初めてだったから。」
初めて?え?じゃあ、あのときあの店で真剣に選んでいたのは?
「え?あのとき選んでいたのは……これ?」
あなたの頬もとても赤くなっていた。私の頬も赤くなっていたに違いない。
「彼女じゃなかったの。」
「……。」
「お互い誤解していたね。」
「何も知らなかったから、仕方ないよ。」
知らなかったんじゃない。知ろうとしなかった。私は臆病になって、ずっと本の世界に逃げていた。そして兄さんに逃げていた。
他の人のことを知ろうともしないで。
こんなにいい人がいるのに。見ようともしなかった。
こんなことではきっとアメリカでも一緒の目にあってしまう。
変わらないといけない。
私は春、兄さんの結婚式に出た後、アメリカへ戻っていった。その鞄の中には、あなたからもらった手袋を入れた。あのときの気持ちを思い出すように。
そしていつか再会することがあればいい。
そのとき、私はあなたに告白するだろう。
あなたのことが好きだったと。
冬になってアメリカにいる父さんから一通のメールがパソコンに届いていることに気が付いた。
メールを開くと、そこには父さんが再婚したアメリカ人の義理の母親が私を恋しがっているというメールだった。母親だけではない。まだ小さな義理の弟も私がいつか選ってくるのかと繰り返し聞いているという。
一度アメリカに帰ってきてほしい。そういった内容だった。
アメリカの家はこの国よりも厳しい寒さに襲われている。ホームレスが沢山いて、スモッグ混じりの雪がホームレスが道ばたで死んでいる上につもっていくようなところだった。治安も悪い不潔なところだ。でもこの国の子供たちのように無気力なモノはいないように見えた。何かしらの目標を持って生きているように見える。
パソコンを閉じて、もう眠ろうとしたときだった。
ドアをノックする音がして、母親が部屋に入ってきた。滅多なことでは夜に家にいることはないのだが、今日はなぜか家にいる。
「母さん、結婚しようと思って。」
そのとき私は、もうこの国にいる理由がないように思えてしまった。
それからしばらくしてクリスマスが過ぎ年が明けた。三学期になった。私は秋本君とともに職員室へ呼ばれ、担任の先生から、二年生から特進クラスへの編入を進められた。私はもうこの国にいる理由もわからないままだったので、それを断った。
「この学校にずっといるわけじゃないですから。」
すると担任はため息を付いて、資料を見ていた。
「君は編入をすると言っていたね。」
そのときやっと同級生である秋本君にも私がどこへ行くのか知られてしまったのだ。
二人で並んで、教室に戻る。冬の夕暮れは早い。カーテンを閉めないでいると、夕日が燦々と教室に降り注いでいるようだ。
秋本君は何も言わないで、教室を出ようとしていた。もしかしたら他の人に私が二年になったらいなくなることを話すかもしれない。そう思ったら思わずあなたを呼び止めていた。
「秋本君。」
あなたの表情は驚いているようだった。そうだ。私はあなたに話しかけることもしなかったのだ。
「編入の話、みんなにはしないで。」
「みんな?」
みんなって誰のことを言っているのだろう。クラスの人?佐久間君?それとも佐久間君の彼女という人?あなたの人脈を見ると、何か話しそうだったのかもしれない。
だってあなたは私と違って、あなたの周りにはいつも人がいたから。
「言わないよ。」
「良かった。」
約束してくれた。それだけでほっとした。これで二年になって「あの人いないね。アメリカへ行ったんだって。」なんて言う人がいなくなるのだから。
出て行こうとすると不意にあなたから声をかけられた。
「編入して、外国へ行ったら彼氏に会えなくなるんじゃないのか。」
彼氏?誰のことを言っているの?私はあなたと違って、私の周りには誰もいなかったのよ。
「そんな人いないわ。いたら編入も考えるんでしょうけど。」
ぱっと浮かんだのは兄さんの顔だった。でも兄さんは春に結婚してしまう。
「……でも……。」
「誰かと勘違いしているわ。私が男の人と一緒にいるところでも見たの?」
「あぁ。」
えっ?予想外の答えだった。誰と一緒にいたところを見たのだろう。
「いつ?」
「花火大会の時。君は浴衣を着ていた。隣には男の人がいたね。それで彼氏がいるんだと思っていた。」
やはり。あなたが勘違いしていたのは、兄さんを見たからなのだ。
「……そんなところを見られていたなんて……。だから地元の花火大会行きたくなかったのに。」
だまされるように連れ出された。浴衣を着て、髪をあたってもらい、耳元で可愛いよと言ってくれた兄さんがずっと好きだった。
でもあのときもらった指輪は、この間返してしまった。指輪をもらうのは「恋人」だけだから。と言って。
兄さんは笑いながら「生意気なことを言う」と言ってた。
「秋本君も、彼女がいるのでしょう?」
思い切ってあなたに聞いてみた。あなたがあのとき女の子用の雑貨の店で、一生懸命プレゼントを選んでいた。それを私も見ていたの。
あんなに一生懸命選んでいたのだから、それは彼女へのプレゼントだったのだろう。
「あぁ……あれは……。」
返答に困っているようだった。どういっていいのかわからない。そんな風に見える。もしかしたら本当に彼女へのプレゼントだったのかもしれない。
「僕は……。」
何かを必死に言おうとしている。その何かはきっと弁解だ。
「いいの。何も言わなくて。もう私は春にはいないのだから。」
何もかもが遅いのだ。あなたが誰にプレゼントを買っているのか。知る必要もないし、知らなくてもいい。知りたくない。
私は教室を出ようとドアノブに手をかけたときだった。
「安西さん。」
あなたが声をかける。あなたが私に声をかけたのは、初めてだったかもしれない。
通学用の鞄から出されたのは、緑と赤のラッピングをされたプレゼントだった。それを私に差し出すけど、あなたは私の方を見ようともしない。かわりに頬が赤くなっている。
「ずっと渡したかったんだ。」
クリスマスの前に買ったものなのだろう。とっくの昔にクリスマスは過ぎてしまったのに。あなたは私に渡したくて、ずっと持っていたのかもしれない。
そのプレゼントを手に取ると重さを感じた。
「開けていい?」
「うん。」
ラッピングを取ると、そこにはクリーム色の手袋が入っていた。私の好きなモヘアの素材。ふわふわしていて、手袋の下には小さな飾りが付いていた。
「可愛い色の手袋ね。ありがとう。私が春にいくところはアメリカでも北の方だから、春が来てもずっと使えると思うわ。」
自分で選んで買ってくれたのだろう。その心が嬉しかった。何で私は兄さんに頼ってプレゼントを選んでしまったのだろう。それが悔やまれる。
「秋本君の手袋は、兄に選んでもらったの。」
「兄?」
あなたは驚いたように私を見た。
「えぇ。見たことがあるのでしょう?花火大会の時に。」
ふわふわの手袋をすると、とても指先が温かくなったような気がする。温かくなったのは指先だけではない。
「兄さんだったの?」
「えぇ。歳が離れているから、もう就職してほかの町にいるのだけど、たまに帰ってくるの。」
小説家だとは言いたくなかった。著名人の妹という色眼鏡で見られたくなかったからだ。
「仲がいいんだね。」
「男の人のプレゼントなんて初めて。嬉しい。」
「悩んだよ。僕も女性へのプレゼントなんて初めてだったから。」
初めて?え?じゃあ、あのときあの店で真剣に選んでいたのは?
「え?あのとき選んでいたのは……これ?」
あなたの頬もとても赤くなっていた。私の頬も赤くなっていたに違いない。
「彼女じゃなかったの。」
「……。」
「お互い誤解していたね。」
「何も知らなかったから、仕方ないよ。」
知らなかったんじゃない。知ろうとしなかった。私は臆病になって、ずっと本の世界に逃げていた。そして兄さんに逃げていた。
他の人のことを知ろうともしないで。
こんなにいい人がいるのに。見ようともしなかった。
こんなことではきっとアメリカでも一緒の目にあってしまう。
変わらないといけない。
私は春、兄さんの結婚式に出た後、アメリカへ戻っていった。その鞄の中には、あなたからもらった手袋を入れた。あのときの気持ちを思い出すように。
そしていつか再会することがあればいい。
そのとき、私はあなたに告白するだろう。
あなたのことが好きだったと。
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