負け組スタート！(転生したけど負け組です。)

第一章 プロローグ

第2話 理想と現実②

うぅ...意識が戻り、段々と体の感覚が鮮明になっていく。


『ザワザワ...』周りがうるさいのでゆっくりと目を開けると、さっきまでいた教室は何故か豪華な、王室のような場所へと変貌していた!!!


『どこだここ？』
『んー？』
『何が起きた？』
クラスメートが次々と目を覚ます。


(この展開見たことあるぞ...？)日常とかけ離れた景色の中、不安が段々と募るこの状況下で僕だけが淡い期待とワクワクを感じていた。


(まさか俺はあの本のおかげで転生したのか...!?もうつまらない日常から離れることが出来るのか!?!?)


クラスメートの不安感に比例して僕の期待はドンドン高まる。見たことない場所。明らかに教室とは違う空気感。見た事の無い世界地図。


どれも前の世界とはあからさまに違うことを証明していた。高ぶりが抑えられない中、一人のデb...いやクラスメートが話しかけてきた。


『もしかしなくても拙者達転生したでござるか？』このクラスメートは前々から俺に話しかけてくるデ...クラスメートだ。


俺たちは同じ陰キャだからなにか似たものを感じて寄り添ってきてるのだろう。俺は仲良いつもりはないが、向こうは仲良いと思ってるようだ。


『転生したっぽいな...正直、興奮を抑えられない。だろ？あ～田中？森田？』
『高田国彦でござる。』
『あ～そんな名前だったな。』
『失礼でござる！拙者達友達でござろ！？』


(もしかすると、こいつが1番早く異世界に溶け込めるかもしれん...)そんなくだらないことを考えていると案の定、兵士が俺たちを呼びに来た。


兵士がいうにはとりあえず今の状況につおて国王様から説明があるからこいとのこと。クラスメートはザワザワしたが、いいから来いと少しキレられた...。


まったく...焦らしやがって。どんなスキルが貰えるのかワクワクしすぎて死ぬところだった。そうして兵士の後ろを歩きながら国王のもとへと向かう。