王道くんと、俺。

葉津緒

文字の大きさ
10 / 124
第一部/第一章


可愛くて優しくて頼りがいのある親衛隊を持って、俺って本当に幸せだよね!


 ニコニコニコ♪


「…………天然タラシ……」


再び真っ赤になって固まるチワワちゃん達と、満面に笑みを浮かべる俺。
それを見て優ちゃんと祥ちゃんが呟いた言葉は、なぜかまったく聞こえませんでしたっ。





<飛鳥 視点>


「くそ、ムカつく」


俺様にしては珍しく今日は朝から学校に来たのだが、そこで奴に出会でくわした。

奴……千賀郁人。


去年、外部生として受験入学してきた奴は、その見た目から学園中の注目を浴びた。

外国の血が混じっているのか、やたら白い肌と淡い茶色の髪。陽に当たると金髪のようにも見えてすごく綺麗だ……と誰もが口にしていた。
だが、何より人目を引いたのは奴の笑顔。
穏やかで優しく、はかなげだったり可愛かったり。
その印象は人それぞれだったが、時折ゾクリとするほど艶めいて見える。

初めてそれを目の当たりにした瞬間、身体中を駆け巡ったものがなんなのか理解できず――俺様は奴に興味を覚えた。


当時の俺様はまだ生徒会入りしていなかったが、中等部でも生徒会長をつとめ、周囲から一目置かれる存在だと自負していた。
家柄(権力)・成績・容姿などすべて学園トップクラス。
教師を含め、当然逆らう者などここには存在しない。万が一いたとしても、数日後にはそいつの家もろとも潰してやるけどな。

親衛隊の奴らは媚びを売り、暇つぶしにいつでもどこでも好き放題ヤらせてくれる。

そんな俺様が声をかけてやれば、奴も感激して媚びへつらうに違いない。
そう思ったのだが。


『おい、お前の名前を教えろ!』

『え? あのぅ、千賀郁人ですけど。どちら様ー?』

『フッ、俺様は橘飛鳥だ。お前、俺様のモノになれよ』

『お断りしますー』

『は?!(即答? うッ、笑顔かわ)』


 ………………
 ………………
 ………………?


『何やってんだ郁人、今のうちに早く逃げるぞ!』

『あ、優ちゃん? んと了解ー。(この人なんで固まってんだろ)』



あの日、なぜか奴の笑顔を間近に見て身体が動かなくなった俺様。
その隙をつき誰かに千賀郁人を連れ去られ、我に返った頃にはもう誰もいなかった。

.
感想 15

あなたにおすすめの小説

それはきっと、気の迷い。

葉津緒
BL
王道転入生に親友扱いされている、気弱な平凡脇役くんが主人公。嫌われ後、総狙われ? 主人公→睦実(ムツミ) 王道転入生→珠紀(タマキ) 全寮制王道学園/美形×平凡/コメディ?

「王道くんと、俺。」番外編

葉津緒
BL
こちらは「王道くんと、俺。」の番外編になります。 会話文中心、if設定など。 ほぼパラレルワールド的な内容だと思ってお読み頂ければ……。 全寮制学園/王道/脇役/美形/腐男子/偽チャラ男/親衛隊持ち/訳あり/攻め複数 ※先に「本編」をお読みになってからご覧ください。 ※一部、記号や擬音を使用しています。苦手な方は回避をお願い致します。

幼馴染が王道学園に入学希望!?断固阻止したい

ふわりんしず。
BL
白百合みたいなアイツがふにゃりと、 気の抜けた笑顔で俺に言った。 『小・中・高、男子校でね高校からは外部入学したいなって思ってるんだぁ』 「…正気か?」 『うん!でね?サッくんも一緒に、』 「断固拒否する!てか、阻止してぇ!」 ⚠︎『』のセリフは受けちゃんのセリフ。

また恋人に振られたので酒に飲まれていたらゴツい騎士に求婚していた件

月衣
BL
また恋人に振られた魔導省のエリート官吏アルヴィス。失恋のショックで酒に溺れた彼は勢いのまま酒場に現れた屈強な王宮騎士ガラティスに求婚してしまう。 翌朝すべての記憶を保持したまま絶望するアルヴィスだったが当のガラティスはなぜか本気だった。 「安心しろ。俺は誠実な男だ。一度決めたことは覆さない」 逃げようとするエリート魔導師と絶対に逃がさない最強騎士 貢ぎ体質な男が捕まる強制恋愛コメディのつもりです!!

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

メインキャラ達の様子がおかしい件について

白鳩 唯斗
BL
 前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。  サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。  どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。  ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。  世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。  どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!  主人公が老若男女問わず好かれる話です。  登場キャラは全員闇を抱えています。  精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。  BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。  恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。

王道学園のモブ

四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。 私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。 そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。