王道くんと、俺。(※現在、六章以降を手直し中。2026.1〜)

葉津緒

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第二章

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「へ、あれっ……紀幸?」


「おー? なんだなんだ、早くも氷川のお手つきか。やるなぁ転入生。ヨッ、彼氏嫉妬深いねぇー」

「か、彼氏ってなんだよ! 紀幸と俺は寮の同部屋なんだから、仲が良くても別に不思議じゃないだろッ」

「……」


うわぁ。
氷川紀幸くん今、すんごい残念そうな表情になってたよ?
それに、かーなり(大型の)ワンコっぽいなぁ。垂れた耳と尻尾が見えそう。
俺より少し背が高いし、顔も男前な部類なんだけどちょっとコレ可愛いなぁ。
頭撫でてみたいなぁー。

だがしかし。
歩くん総受けプロセスの大事な攻め要員なわけだし、俺が仲良くしちゃダメだよね。
むうう、残念。


「まぁたそんな照れんなよ、転入生」

「照れてねーし!」


 ヒューヒュー


なんて、俺の悩みも知らずさっきから茶々を入れてるのは、俺の前の席に座るお調子者

“富丘 太賀”(トミオカタイガ)

通称「トラちゃん」だ。
サッカー部期待の次期エース。とか本人は言ってるけど、身長が173センチとやや低めなのが残念。
いや、でもまあ、うん。
俺はこれから背が伸びる予定だしきっとトラちゃんも大きくなれるよ。頑張れー。


「なあ、郁人お前さ。今すっごく俺に失礼なこと考えてない?」

「……ナイですよ?」

「じゃあこの手、何」


 撫で撫で撫で


あれ?
ついうっかり、トラちゃんの坊主頭を撫でてました。ちくちくして手触り良いですね。
エヘッ。


「…………」


あ、ペシッと手を叩かれました。
「いつも笑顔でごまかせると思いやがって!」とか「絶対に郁人よりでかくなって撫で回してやるーっ」という独り言(だよね?)は、聞こえないフリをしたほうがいいのかな。
だってなんか顔赤いし。絶対怒ってるよね?


「へえ、氷川くんと瀬戸くんって同室なんだ。あ、僕は中村千裕。こっちのうるさいのが富丘太賀。これからよろしくね」


そう言って歩くんに笑顔を向けるのは

“中村 千裕”(ナカムラチヒロ)

こと、チーちゃん。
トラちゃんより少しだけ背が低い、温和な癒し系美人さん。
俺の右斜め前の席なんだよー。


「ああ! 俺のことは歩って呼び捨てでいいから。俺も千裕って呼んでいいか?」

「うん。僕はそれで構わないよ」

.
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