平凡な365日

葉津緒

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回想6

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学園中に二人の噂(目撃談)が広まるのも当然だった。
それはつまり



「ねぇ!」「僕らの話を」「ちゃんと聞いてる!?」

「は、はいっ、すみません」


昨日の三人に見つかった俺が詰問されるという、欝陶しい事態になるのも自明というか。
まるで恩を仇で返された気分だ。
いや、うん。なんか微妙に違うけど。


「本当に悪いと思ってるなら、あいつを呼び出してきなよ」

「……はい?」

「昨日からずっと風紀委員長さまが一緒で隙もないし、困ってるんだよねぇ」

「僕達が相手だと不審がられちゃうけど、その点お前なら大丈夫でしょ。平凡同士、疑われにくそうじゃない?」

「えっと、呼び出して、その後どうするんですか」

「ふふ、昨日お前も言ってたよね。大丈夫、嫌いなあいつに身の程を思い知らせてあげるだけ。どお、嬉しいでしょ」


へえ、こいつらまだ諦めてないわけね。
だからって俺を巻き込むなよ全然嬉しくねーし。はあ、どうすっかなぁ。


「あの、ごめんなさい急用を思い出しました」

「はぁ?」
「ちょっと!」
「待っ……」


そりゃもう、やっぱ逃げるしかなくね?




――ドンッ



「痛てっ」「!?」


トイレから廊下へと逃げ出した直後、誰かにぶつかった。
結構な衝撃があったし相手も痛いだろうなこれ、すまん。


「ちょっと待ちなよ、お前……って」

「あっ、ふ、副会長さま?」

「絶対逃がさないからね、えッ!」


追ってきた奴らの言葉で俺はようやく気が付いた。
今ぶつかった相手が幸か不幸か学園の有名人、副会長さまだということに。


「君達そんなに恐い顔をして何を騒いでいるんですか?」

「え、あの」

「ぼ僕達は別に、その」

「こ、恐い顔って……」


お?
副会長の言葉に一人落ち込んだ。
そして無理やり口角を上げて笑おうとするから、引きつった面白い顔になってるぞ。
ああほら、今俺らの脇を通った一般客もギョッとしてすぐ目を逸らしたし。ぷぷっ。


「せっかくの学園祭ですよ。仲良く楽しんでくださいね」

「は……」「はい」「すみませんでした」

.
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