75 / 92
回想10
6
しおりを挟む
白目を剥いて泡を吹くリーダーの姿に、カメラ男が涙目蒼白になって逃げようとした。のを、とりあえず動けなくしたけど。
ちなみに今、親衛隊と副会長が青褪めながら自分の股間を守ってます。すっげぇ内股になり、身を屈めながら膝で隠す感じというか。
……うん、なんかごめん。
「コホン。あーその、あんたら大丈夫か?」
「えっ、あ、うん。大丈――危な、後ろッ」
「!?」
「チッ、くそっ!」
突然背後から長い得物(金属バットか?)で殴りかかられ、ギリギリ躱す。
すかさずとった距離を縮められ、二度三度と続く空気を切る音に、三人が固唾を呑んで見詰めている。
と、ほんの少しぐらついた俺を狙って相手が笑いながら振り被るのが見え――。
「ぐっ、な、なんだお前ら!? 離せッ、いぎゃああ?!」
「うるせぇな。俺らの妖精襲ってんじゃねーよ、カスが。っと悪い、ちょっと遅くなったか?」
「今は女吸血鬼姿の妖精みたいだけどね。やあ、久しぶり。元気そうで何より。でも相変わらず詰めが甘いかな。どんなときでも油断は禁物だと思うよ」
――だが振り下ろす前に、相手の背後から現れた赤青コンビの赤髪が、六人目の敵を掴み投げ飛ばしていた。
おい、武器を持ってた奴の腕があらぬ方向に曲がってるぞ。痛みに苦しんでるのを騒がしいからって無理やり意識刈る(落とす)なよ、青髪。
お前らも相変わらず容赦ねぇな。つか、妖精言うな。
「お前らがなんで学園に。まあ、でも助かった」
「うん。見張り役だと思うけど、廊下から中を覗いてる男が身を屈めながら教室に入ってくのが見えて、焦ったよ」
「おー、本当にな。青のせいで少し迷ったが間に合って良かっ……たんだ、よな? え。ちょっ、おま、足見えてる!」
なるほど、六人目は教室の外にいたのか。見張り役がいる可能性を失念するとは面目無い。
こんな初歩的なミス、師匠にバレたら絶対笑顔でしごかれる……よし、あとで二人を口封じに殺るか。
それはともかく、足が見えたからなんだっていうんだ。
確かにドレス前面ほぼ中央にできた裂け目(かなり大胆なスリット?)からは、歩くたびに俺の生っ白い足が見え隠れする。
人の足を凝視したかと思えば耳まで真っ赤になり、両手で目を覆って顔を逸らす赤髪。だが、指の隙間からチラチラと横目でこっちを覗いてはさらに首や手まで真っ赤になりハアハアしだす挙動不審っぷり。発作か?
「大丈夫か、お前」
「だ、だだ、大丈夫! いや、うん、えっ、何が?」
まあ、本人が大丈夫と言うなら大丈夫だろう。それじゃあ遠慮なく。
俺より大分背の高い奴の鼻先まで近寄り、くるりと背を向ける。
「えっ、な、何。何して……?」
「ん。これ外して」
後ろ手に縛られてる現状を見て分かれよ。そして助けろ。
.
ちなみに今、親衛隊と副会長が青褪めながら自分の股間を守ってます。すっげぇ内股になり、身を屈めながら膝で隠す感じというか。
……うん、なんかごめん。
「コホン。あーその、あんたら大丈夫か?」
「えっ、あ、うん。大丈――危な、後ろッ」
「!?」
「チッ、くそっ!」
突然背後から長い得物(金属バットか?)で殴りかかられ、ギリギリ躱す。
すかさずとった距離を縮められ、二度三度と続く空気を切る音に、三人が固唾を呑んで見詰めている。
と、ほんの少しぐらついた俺を狙って相手が笑いながら振り被るのが見え――。
「ぐっ、な、なんだお前ら!? 離せッ、いぎゃああ?!」
「うるせぇな。俺らの妖精襲ってんじゃねーよ、カスが。っと悪い、ちょっと遅くなったか?」
「今は女吸血鬼姿の妖精みたいだけどね。やあ、久しぶり。元気そうで何より。でも相変わらず詰めが甘いかな。どんなときでも油断は禁物だと思うよ」
――だが振り下ろす前に、相手の背後から現れた赤青コンビの赤髪が、六人目の敵を掴み投げ飛ばしていた。
おい、武器を持ってた奴の腕があらぬ方向に曲がってるぞ。痛みに苦しんでるのを騒がしいからって無理やり意識刈る(落とす)なよ、青髪。
お前らも相変わらず容赦ねぇな。つか、妖精言うな。
「お前らがなんで学園に。まあ、でも助かった」
「うん。見張り役だと思うけど、廊下から中を覗いてる男が身を屈めながら教室に入ってくのが見えて、焦ったよ」
「おー、本当にな。青のせいで少し迷ったが間に合って良かっ……たんだ、よな? え。ちょっ、おま、足見えてる!」
なるほど、六人目は教室の外にいたのか。見張り役がいる可能性を失念するとは面目無い。
こんな初歩的なミス、師匠にバレたら絶対笑顔でしごかれる……よし、あとで二人を口封じに殺るか。
それはともかく、足が見えたからなんだっていうんだ。
確かにドレス前面ほぼ中央にできた裂け目(かなり大胆なスリット?)からは、歩くたびに俺の生っ白い足が見え隠れする。
人の足を凝視したかと思えば耳まで真っ赤になり、両手で目を覆って顔を逸らす赤髪。だが、指の隙間からチラチラと横目でこっちを覗いてはさらに首や手まで真っ赤になりハアハアしだす挙動不審っぷり。発作か?
「大丈夫か、お前」
「だ、だだ、大丈夫! いや、うん、えっ、何が?」
まあ、本人が大丈夫と言うなら大丈夫だろう。それじゃあ遠慮なく。
俺より大分背の高い奴の鼻先まで近寄り、くるりと背を向ける。
「えっ、な、何。何して……?」
「ん。これ外して」
後ろ手に縛られてる現状を見て分かれよ。そして助けろ。
.
10
あなたにおすすめの小説
笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。
百合豚、男子校に入る。
揺
BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。
母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは――
男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。
この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。
それでも眞辺は決意する。
生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。
立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。
さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。
百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。
風に立つライオン
壱(いち)
BL
BL非王道全寮制学園の生徒会役員の主人公。王道転入生によって学校内の秩序や生徒会の役割だとかが崩壊した。金、地位、名誉、名声、権力、全てを手にしている者になったつもりでいたのは誰だったのか。
王道を脇役に主人公は以前出会った生徒会長の父との再会、恋人だった義父の病んでそうなカンジに眩暈がしそうだった。
オム・ファタールと無いものねだり
狗空堂
BL
この世の全てが手に入る者たちが、永遠に手に入れられないたった一つのものの話。
前野の血を引く人間は、人を良くも悪くもぐちゃぐちゃにする。その血の呪いのせいで、後田宗介の主人兼親友である前野篤志はトラブルに巻き込まれてばかり。
この度編入した金持ち全寮制の男子校では、学園を牽引する眉目秀麗で優秀な生徒ばかり惹きつけて学内風紀を乱す日々。どうやら篤志の一挙手一投足は『大衆に求められすぎる』天才たちの心に刺さって抜けないらしい。
天才たちは蟻の如く篤志に群がるし、それを快く思わない天才たちのファンからはやっかみを買うし、でも主人は毎日能天気だし。
そんな主人を全てのものから護る為、今日も宗介は全方向に噛み付きながら学生生活を奔走する。
これは、天才の影に隠れたとるに足らない凡人が、凡人なりに走り続けて少しずつ認められ愛されていく話。
2025.10.30 第13回BL大賞に参加しています。応援していただけると嬉しいです。
※王道学園の脇役受け。
※主人公は従者の方です。
※序盤は主人の方が大勢に好かれています。
※嫌われ(?)→愛されですが、全員が従者を愛すわけではありません。
※呪いとかが平然と存在しているので若干ファンタジーです。
※pixivでも掲載しています。
色々と初めてなので、至らぬ点がありましたらご指摘いただけますと幸いです。
いいねやコメントは頂けましたら嬉しくて踊ります。
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる