平凡な365日

葉津緒

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白目を剥いて泡を吹くリーダーの姿に、カメラ男が涙目蒼白になって逃げようとした。のを、とりあえず動けなくしたけど。

ちなみに今、親衛隊と副会長が青褪めながら自分の股間を守ってます。すっげぇ内股になり、身を屈めながら膝で隠す感じというか。
……うん、なんかごめん。


「コホン。あーその、あんたら大丈夫か?」

「えっ、あ、うん。大丈――危な、後ろッ」

「!?」

「チッ、くそっ!」


突然背後から長い得物(金属バットか?)で殴りかかられ、ギリギリ躱す。
すかさずとった距離を縮められ、二度三度と続く空気を切る音に、三人が固唾を呑んで見詰めている。
と、ほんの少しぐらついた俺を狙って相手が笑いながら振り被るのが見え――。


「ぐっ、な、なんだお前ら!? 離せッ、いぎゃああ?!」


「うるせぇな。俺らの妖精襲ってんじゃねーよ、カスが。っと悪い、ちょっと遅くなったか?」

「今は女吸血鬼姿の妖精みたいだけどね。やあ、久しぶり。元気そうで何より。でも相変わらず詰めが甘いかな。どんなときでも油断は禁物だと思うよ」


――だが振り下ろす前に、相手の背後から現れた赤青コンビの赤髪が、六人目の敵を掴み投げ飛ばしていた。
おい、武器を持ってた奴の腕があらぬ方向に曲がってるぞ。痛みに苦しんでるのを騒がしいからって無理やり意識刈る(落とす)なよ、青髪。
お前らも相変わらず容赦ねぇな。つか、妖精言うな。


「お前らがなんで学園ここに。まあ、でも助かった」

「うん。見張り役だと思うけど、廊下から中を覗いてる男が身を屈めながら教室に入ってくのが見えて、焦ったよ」

「おー、本当にな。青のせいで少し迷ったが間に合って良かっ……たんだ、よな? え。ちょっ、おま、足見えてる!」


なるほど、六人目は教室の外にいたのか。見張り役がいる可能性を失念するとは面目無い。
こんな初歩的なミス、師匠にバレたら絶対笑顔でしごかれる……よし、あとで二人を口封じに殺るか。

それはともかく、足が見えたからなんだっていうんだ。
確かにドレス前面ほぼ中央にできた裂け目(かなり大胆なスリット?)からは、歩くたびに俺の生っ白い足が見え隠れする。
人の足を凝視したかと思えば耳まで真っ赤になり、両手で目を覆って顔を逸らす赤髪。だが、指の隙間からチラチラと横目でこっちを覗いてはさらに首や手まで真っ赤になりハアハアしだす挙動不審っぷり。発作か?


「大丈夫か、お前」

「だ、だだ、大丈夫! いや、うん、えっ、何が?」


まあ、本人が大丈夫と言うなら大丈夫だろう。それじゃあ遠慮なく。
俺より大分背の高い奴の鼻先まで近寄り、くるりと背を向ける。


「えっ、な、何。何して……?」

「ん。これ外して」


後ろ手に縛られてる現状を見て分かれよ。そして助けろ。

.
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