魂喰い

葉津緒

文字の大きさ
3 / 7
喰われた直後に…

しおりを挟む
『魂喰い』である弟にがっつかれ強制的な空イキを体験した後……俺は必死に祈り続けていた。
理由は研究所の所長さんからの伝言と、弟の発言だ。

「研究所の皆が見ている前で」
「今度はイかないように頑張って」

俺をおちょくるのが楽しくて仕方がない。
常日頃、そう明言しやがる弟のことだ。
研究員の前で実の兄貴を無理やりイかせたり、人前で生き恥をさらす俺を見て大爆笑……なんて姿が容易に目に浮かぶ。
というか嬉々としてやりそうだ。むしろ今までされなかったのが不思議なくらいだ。

うおおお、絶対イヤだぁぁあ!
神様仏様宇宙人さま、誰でも良いから助けてください。お願いします、今すぐ『魂喰い』を治してーッ!


「ところでさー兄貴」

「な、何だよっ」


ベッドの上に座る俺を、床に立つ弟が見下ろしてくる。
人の真剣な祈りの最中に邪魔すんな、と睨みつけても怯む様子はない。全くもって平然としてやがる。
……くそう、やっぱ自分と同じ顔だと恐く見えないのかな。


「さっき空イキした後、自分でちゃんと精液出した?」

「へ」


ちょっと待って。
いきなり何言ってんのお前。


「何かさぁ、ドライってめちゃくちゃ気持ち良いらしいんだけど、身体にはあんま良くないんだって。詳しいことは俺も知らないけどね、噂だと頭が馬鹿になるとかチンコが駄目になるとか」

「えっ」


あまりに予想外な言葉に、一瞬で血の気が引いた。
そんなまさか俺のチンコ駄目になっちゃうの?
頭は元々あれだけどチンコが駄目って何。
痛くなったり腫れたり腐ったり最悪もげて無くなるとか……そういや前に、条件が揃うとチンコが爆発する都市伝説みたいなの無かったっけ。
――ひいぃいいっ。

涙目になる俺の腕を、やけにいい笑顔の弟が掴んだ。
その途端びくりと跳ねる身体。
ああっ、嫌だ待って今はまだ触られたくないんだってば。


「ほら見せて見せて、兄貴の可愛いチンコが変になってないか、俺が確認してあげるから」

「ちょっ、止めろバカ。あっやだ触んな……ひっ、ァ、うゃああぁん!」



………………。



.
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~

マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。 王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。 というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。 この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。

【完結】弟を幸せにする唯一のルートを探すため、兄は何度も『やり直す』

バナナ男さん
BL
優秀な騎士の家系である伯爵家の【クレパス家】に生まれた<グレイ>は、容姿、実力、共に恵まれず、常に平均以上が取れない事から両親に冷たく扱われて育った。  そんなある日、父が気まぐれに手を出した娼婦が生んだ子供、腹違いの弟<ルーカス>が家にやってくる。 その生まれから弟は自分以上に両親にも使用人達にも冷たく扱われ、グレイは初めて『褒められる』という行為を知る。 それに恐怖を感じつつ、グレイはルーカスに接触を試みるも「金に困った事がないお坊ちゃんが!」と手酷く拒絶されてしまい……。   最初ツンツン、のちヤンデレ執着に変化する美形の弟✕平凡な兄です。兄弟、ヤンデレなので、地雷の方はご注意下さいm(__)m

つぎはぎのよる

伊達きよ
BL
同窓会の次の日、俺が目覚めたのはラブホテルだった。なんで、まさか、誰と、どうして。焦って部屋から脱出しようと試みた俺の目の前に現れたのは、思いがけない人物だった……。 同窓会の夜と次の日の朝に起こった、アレやソレやコレなお話。

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

罰ゲームって楽しいね♪

あああ
BL
「好きだ…付き合ってくれ。」 おれ七海 直也(ななみ なおや)は 告白された。 クールでかっこいいと言われている 鈴木 海(すずき かい)に、告白、 さ、れ、た。さ、れ、た!のだ。 なのにブスッと不機嫌な顔をしておれの 告白の答えを待つ…。 おれは、わかっていた────これは 罰ゲームだ。 きっと罰ゲームで『男に告白しろ』 とでも言われたのだろう…。 いいよ、なら──楽しんでやろう!! てめぇの嫌そうなゴミを見ている顔が こっちは好みなんだよ!どーだ、キモイだろ! ひょんなことで海とつき合ったおれ…。 だが、それが…とんでもないことになる。 ────あぁ、罰ゲームって楽しいね♪ この作品はpixivにも記載されています。

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

処理中です...