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第三章『神々の黄昏』
chapter26「*episode長谷川輝『長谷川輝の事情~前編~』」
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今日も楽しかった。
部活もそうだが、思わず開かれる事になった突発の二次会もだ。
馬鹿げた事で笑いあえる友人。
何気ない事を面白おかしくできる時間。
……だが、そんな日常が楽しければ楽しかった分だけ“その時”が来るのが憂鬱になる。
――乱雑に扉が開かれる音で目を覚ます。
「んにゅ?」
隣では寝相の悪さからか、俺に抱きつくような形でリョウが寝そべっていた。
開かれた扉の前には、仕事帰りの母が立っていた。
「アキラ……あんた」
最悪の場面を見られてしまった。
「ついにそっちに目覚めたのかい?」
「違うっ」
隣のリョウを遠くへと転がす。
「むぎゅぅ」
コロコロと転がるリョウ。
「あ、お早う御座います」
「どうしたんだいリョウ君? 家は大丈夫なのかい?」
「ちょっとパパが帰って来ちゃってて、お邪魔かなって……すぐに帰ります」
「あぁ、そうしな。あんたの家も難儀だねぇ」
「お邪魔しました~」
リョウが去っていった。
「ま、今の時代、よほどの成功者じゃないと女なんか寄ってこないからね。ソッチに走ってもいいんじゃないかい?」
「だから違うというに……」
俺の母は……いわゆる水商売という奴をやっている。
一昔前までは良い所のホステスをやっていたらしいが、年を取るに連れて指名が減り、人間関係もわずらわしくなった所を良いパトロンに巡りあって今では二駅ほど離れた場所でスナックを開いている。
家が狭いため店の方が居心地がいいらしく、接客以外の雑用を終わらせると終電がなくなっているという理由で、始発と共に寝るためだけに帰ってくるのが日課になっていた。
「今のうちに作っとかないと、女は年取るほどに求める物が面倒になってくるよ」
「余計なお世話だ」
「ま、そういう所だけは父親(アイツ)に似なくて良かったのかもしれないけどね。人様に迷惑かけない訳だからさ」
煙草を吸いながらカラカラと笑う。
ウイスキーのボトルを空け、適当に飲み始める。
「ん?」
そして、開いたままにしてあった俺の鞄に目を付ける。
そこにあったのは――。
「……いや、これは」
「あんた。まだ進学なんて考えてたのかい?」
――近隣の大学の案内パンフレット。
戯れに、いや、実はわりと真剣に考えていた進学用の……まぁくだらない夢のようなものだ。
「無理無理無理無理。あんな低レベルのとこでいくらトップでいたってね、どうせ三流のとこしかいけないよ? しかも理系じゃなくて文系でしょ? 何の役に立つの。くだらない小説読んで作家について調べたってね。米粒一つの価値にだってなりゃしないんだよ! それじゃ就職の何の役にも立ちゃしないじゃないかい。おとなしく就職しときな。工場とかなら中卒の奴だっているんだから。頭下げて従っときな。今時学歴なんざね。よほど良いとこいかないかぎり糞の役にも立ちゃしないんだよ。あんたも生まれてくるタイミングが悪かったねぇ。もう少し遅ければそれに気付けて、無駄なとこ通わせずに済んだっていうのに。もうこんな世の中、中卒でいいんだよ中卒で。仕事しとけ! お願いだからさっさと稼いで楽させておくれ!」
――これじゃ何のために産んだんだかわかりゃしないよ。
何度も言われてきた言葉だった。
――腹もたるむし体も悪化する一方だ。子供なんて産まないにこしたことはないね。
言外に伝わるいつもの言葉。
――あんたなんか産むんじゃなかったよ。
母は……俺の存在を疎んでいる。
片親ながら育ててくれたことには恩を感じてはいる。
だが、それは世間体とプライドのためだけに俺を育てているようなもので――。
「女にでも生まれてくれりゃよかったのにね。今の時代、男に生まれたって成功するのは一部だけ。相手が見つかるのだって成功してる一部だけだ。あんた二分の一で失敗したねぇ」
ウイスキーのグラスを空にしながら、雪崩のように吐き散らされる言葉に辟易とする。
――俺だって、生まれたくて生まれてきたわけじゃない。
誰も産んでくれなんて頼んでない。
貴様らのくだらない快楽の果てにひりだしただけのくせに。
そうでなきゃ誰が望むものか……こんな腐りきった世界に!
酔っているからといって、言っていい言葉と悪い言葉がある。
それでも口に出される言葉、という事は――本心という事。
「小説家になりたいんだっけ? 無理無理無理無理。夢見てんじゃないよ。成功する奴ってのはね。生まれつきもう決まってるんだよ。あんただって知ってるでしょ? 叔父さんの話。アイツはね。アコースティックギターも上手かったし歌も良い線行ってた。それなのにあの結果だよ。話したよね? ラジオの新曲デビューのコーナー。曲そのものは認めてもらえたのに。顔が悪いから誰々さんだかの歌って事にして世に出してあげるから歌詞と曲を売ってください、だとさ。最初から曲と歌詞を奪い取るためだけのコーナーだったんだよ。いいかい。成功する奴ってのはね、四つの内のどれかを最低限持ってなきゃいけないんだ。何かわかるかい? それはね。ツテ、コネ、家柄。そして運だ。ツテやコネ、家柄なんかで知り合いがプッシュしてくれないと成功なんてしないで埋もれるし、さもなくば、運が無くても埋もれるだけ。あんたの好きな作家で例えてやろうか? 同人で成功した誰かさんはね。そりゃあ面白いシナリオと文章力があっただろうよ。でもね。他にライバルの少ないタイミング、という運と、名曲を作ってくれる奴、または良い絵を書いてくれる奴に恵まれた。この二つの要素があったから成功したんだ。この二つが無ければどっちも、いかに実力があろうとも埋もれてるよ」
迂闊に夢を見ないようにするためか、どこまでが真実なのか、母は時折、口を酸っぱくして夢など見るもんじゃないと語る。
「な○うだのカ○ヨムだのだってねぇ。出版社が裏で何やってるかわかったもんじゃないよ? だって、奴らの手の内にはもう、売り出したい作家なんざ山ほどいるんだ。賞を取ったものの腐らせてる作家。コネとして仲の良い作家希望者。今は編集としてくすぶってるけどいつかは売れたいって奴。素人じゃあないから確実に途中で逃げることは無いという絶対の信頼のある人間だ。そんなのがいくらでもいるってのに、なんでわざわざいつ投げ出すかもわからない素人なんかに任せるってのさ。叔父さんの例も話しただろう? 大人はね。そういう汚いことをするんだよ。会社はね。そういう事をするんだよ。社会はね。そういう事をするんだよ。だってお金がかかってるんだよ? 会社で働いている何人もの生活がかかってるんだ。どうして不安定な素人なんかに任せられるっていうんだい? 夢を見せてるだけ。最初はどうだったか知らないけどね。どうせ今じゃコネツテだよ。そうじゃなきゃなんだっていきなりウン十万なんて点数がポンと入るのさ。裏で何らかの力も一切働かずに、運も偶然も無く、いきなりウン十万なんて点がどうやって付くってんだい? それでも可能性があるだなんて思えるんならね。せいざい詐欺には気をつけろとしか言えないね。そんな夢みたいなこと、ありえないんだよ。言っただろ? 世の中、ツテ、コネ、家柄、運だ。どれかが無い奴は一生成功なんてしないのさ」
どこまで信じていいのかわからない持論を吐く。
元ホステスの情報網もあり、場合によっては信頼にたる情報もあるのかもしれない。
それにしたって、あまりにも夢の無い……。
――だが、それが現実なのだろう。
わかっている。夢を食い物にする悪党が世間にあふれているという事も。
わかっている。実力なんていくらあったって、運が無ければ大成なんてしないという事も。
わかっている。社会も会社も汚いものなんだ、という事も。
「昔はアレだね。声優なんて夢見せるビジネスも一時期流行ったねぇ。未だに騙されてる馬鹿もいるみたいだけど、アレこそその縮図みたいなもんさ。昔は違っただろうけどね。今じゃあ子役タレントの二世だの、あらかじめ売る事が決まってる奴が練習するためだけに養成所があって、後はそれらを維持したり、事務所の養分になるためだけにレッスンしてるんだ。夢を売ってるだけ。叶わない一時の夢をね。こちとら職業上そういう話をよく聞くんだから、よくわかってるんだよ。そもそも芸能界なんてヤ○ザのシノギみたいなもんだしねぇ」
眠りにつくために、安酒を煽る様に口にする母。
「豚みたいな奴でも、恋人ができる奴がいる。痩せてようとマッチョだろうと、顔が良かろうと悪かろうと。ダメな奴はダメだし。簡単に手に入れられる奴は簡単に手に入れちまうのさ。勉強のできないチビでも恋人はできる。けど、出来ない奴は一生できない。なんでかわかるかい? 運だよ。世の中全部運なのさ。コネもツテも家柄も、生まれ持ってる運だ。運の良い奴だけが手に入れるべきものを手に入れる。ダメな奴はいくら努力したって無駄。実力も糞もない。そういう風にできてるんだよ。努力なんざ無駄なのさ。手に入れられる奴は何をしたってそれが手に入るように世界が動く。手に入らない奴はいくらがんばっても世界が全てを阻害する。得られるものは自動的に得られるようになってるんだ。逆に言えば、今手には言って無いモノはいくら求めても無駄なんだ。得られる奴の下には、がんばらなくたってそれが手に入るように世の中はできてるんだから。あんたのやりたい小説の道だってね、適当に書いたら売れちゃいました~なんて運の良い奴か、コネかツテだよ。努力で成功する奴がいるとすれば、それは努力しなくてもそこに辿り着けた奴なのさ。努力したって、埋没する奴は、それがそいつの運命なんだ。運命ってのはね、変えられないんだよ」
グラスを空にし、さらにもう一杯と注ぎ込む。
「金のある奴の所には金が集まる。名誉のある奴の所には名誉が集まる。運の良い奴の所には運の良い事が集まる。今何も無い奴の所にはね、いくらがんばろうと努力しようと実力を高めようと、何も集まりゃしないから、結局全ては無駄に終わる。ある奴の下にしか来ないんだよ。だから今無いものをいくら求めても無駄なのさ」
昔から口を酸っぱくして言われてきた。
「友達が勝手に応募しちゃって? そんなんで受かる訳ないだろが。そういう設定にして、夢を売ってるんだよ」
「この顔で売れてるって時点で、最初から社長の恋人かなんかだったんだろ? プッシュの仕方が不自然だったしね」
「この声優だって二世なんだろ? 親が力貸さなかったわけないだろうが」
「この子だってそうさ。明らかに親が音楽界のトップっていうコネさ。それ以外でどうやって売れるってんだい」
「世の中ね、夢を見たって無駄なの。若い奴はいつだってそう。夢に焼かれて灰になる。年取ってから気付いたって遅いのさ」
マスメディアの謳う夢に騙されるな。
半透明の琥珀色な液体に何を映し出しているのか。母は寂しげにグラスを見つめながら俺に現実を伝える。
「諦めて、夢なんざ捨てて堅実な人生を歩みな。とにかく金を稼げ。嫌なら出てけ。義務があるのは15までだ。3年も猶予をくれてやったんだ。これ以上は甘えるな。それでもどうしても大学に行きたいってんなら、自分で金をためて行くことだね。ちなみに借りるって手も無しだ。帰ってくるアテの無い金は貸さない主義なんでね」
夢も希望も無く、ただ死を恐れて、楽しみも目標も無く、ただ生きる。
食べて、出して、何も得られず。働いて、寝て、未来も何も無い。
そんな灰色の世界を……生き続けてどうする?
次世代へのバトンタッチだって、昔は良かった。
今の時代よりも遥かに結婚は楽で、マスメディアの洗脳もまだマシだったせいか、男は女となんとか巡り合えた。
もっと過去なんてさらに楽だ。お見合い、許婚、帯引き夜祭。
いくらでも、次世代へとつなぐ方法があった。
だが、今は違う。
『年収一千万は欲しい。くだらない遊びは止めろ。オタク趣味はキモイ。財布の紐は握らせろ。私は2000円ディナー、貴方はワンコインね。だけど私より沢山働いて私より良い給料持ってきてね。だけどデートで奢るのは男の方、当たり前よね。で、首になったら別れるから』
こんな時代に次世代に受け継ぐ命なんて……受け継がせない方が正解なんじゃないか?
布団に入り込み、いつの間にか寝息を立てる母を前に……俺は辟易としていた。
いや、辟易としているのはこの世界そのものに対してかもしれない。
かつての母から聞かされた言葉。幻想の声が耳に木霊する。
「売れる奴なんて始めから決まってるのさ。システムができてるんだよ。まずは家柄。自由に出来る金があってはじめて好きな事ができるんだ。うちにあるかい? そんなもん。その時点であんたははずしてんのさ。まずは家柄。これがない。だからダメ。もちろん家柄はコネにだってなる。会社の懇意の社長の息子とかなら、多少はひいきしてくれるだろ? 世の中そういうもんさ。さぁ、小説、漫画、芸能界、その他もろもろ。家柄やコネがまったく役に立たないなんて事はあるでしょうか? ……よほど実力が酷くない限りはね、ある程度はひいきしてくれるもんさ。そのひいきがあるから、成功するんだよ。それが0じゃ、埋もれるだけだよ」
「あんたの見てるアニメにさ。時々なんでこんな声で主役張ってんだ? ってヒロインいないかい? ぶっちゃけ大して可愛い声じゃない子。たまにいるだろ? さて、何で売り出してもらえてるんだろうね。演技が上手いから? 本当にそいつは飛びぬけて上手かい? これが答えさ。どの世界だってね、所詮はコネとツテなんだよ。マスメディアに強い力を持ってる奴だけが売り出してもらえるのさ。親の力とかね。そして宣伝してもらえるから有名になれるのさ。実力だけで成功するなんて無理無理無理無理」
「芸能界は腐ってる。マスメディアだって腐ってる。政治家だって腐ってるんだから、世界そのものが腐ってるのさ。こんな腐った世の中の一体何を信用したら良い? 貴族や奴隷が無くなった何ていったってね。名前が消えただけなんだよ。名前が消えて境界が曖昧になっただけ。支配者層はいつだって二代三代。政治家のウィ○ペディアを見てごらん。どれだけ二世三世の多いことか。政治も芸能も、人々が憧れる世界や支配する側ってのはどこだって血統が基本さ。貴族が無くなった訳じゃないんだ。貴族という名称が無くなっただけなんだよ。じゃあ奴隷はどうだろうね。コンビニの店員をみてごらんよ。悪質な客に絡まれて、ストレス解消の道具にされて、安月給で働かされてる底辺層。少しはマシなんだろうけどね。アレだってまだまだ、奴隷システムが残ってるようなもんだろ。もっと労働者に人権をって叫ぶべきなんじゃないかねぇ? 今でも残っているんだよ。何も変わっちゃいないのさ」
夢を見せないためか、どこまでが真実なのか、そこまではわからないが、まことしやかに真実とやらを語る言葉。
いつだったかに言われた言葉。それは呪いのように俺を束縛し、この世界に対する絶望感を深めていく。
――無名の人間が努力で成り上がるなんてもはやありえない。
努力は全て無駄。
成功する奴は成功するし、失敗する奴は失敗する。
それはもはや生まれつき決まっている。
「あんたが、運の良い奴だと思えるだけの運を持っていないのなら、夢なんて見ないことだね。その感覚はきっと当たってるから。運の良い奴は最初から自分が成功すると信じられるだけの運を体感している。持っている。だから持ってない奴は、その直感どおり、持ってないのさ。持ってないんだから、成功なんてできようはずがないんだよ。諦めな」
“選択肢の無い選択の自由”という名の理不尽。
平等という名の不平等がまかり通り、偽りの自由による格差社会は見えざる貴族と隠された奴隷を生み出し不自由な不平等のままに狂った理想郷を語る。
灰色の建造物の立ち並ぶモノクロな世界。
人々はカラフルな板をつつく事で快楽に浸る。
ランダム制のある情報を得て、無意味な勝利に酔いしれるために、稼いだ日銭を無駄に浪費する。
マスメディアは偽りの夢と幸福を嘯いて、政治家は世迷い事の理想と共に大衆の不自由を敷く。
変えたくても変えられない世界。
剣と槍の世界ではなく、銃という絶対の武装になってしまったせいで、革命さえ起こせない世界。
政治家になれたとしても、派閥などの力関係で理想に向けて動くことなどもはや不可能。
がんじがらめの呪縛のような世界。
「夢も希望も無いな……」
力なく落とした手。机の上に置いてあった本に当たり、床へと本が落ちる。
床に散らばるは、ライトノベルに良くはさまれているあのチラシだ。
『異世界転生!』『異世界転移!!』
そこには、異世界の文字が躍っていた。
「異世界か……」
行けるものなら行ってみたいものだ。
もし行けたなら、その世界では理想を実現できるだろうか。
この世界よりも、努力のしがいのある世界だろうか。
がんばれば報われるような、胸躍るロマンのある世界なのだろうか。
目の前には、集めた無数の魔道書。
いくら唱えても無駄だった。
おまじないは所詮おまじない。
現代魔術は心の変容と嘯いたところで、現実逃避に変わりは無し。
いくら心を自らの意思で変化させようと、外の現実は変わらないし、耐えられるようにいくらなったとしても、世界の歪みは変わらない。
歪んだ世界に順応するために、心を歪めていくだけの作業。
この世界に魔法は無い。
――異世界にもしいけたなら。
ケイトは、両親から逃げるために俺の家に来た。
リョウも、父親から逃げるために俺の家に来た。
タケシは、別に逃げる必要も無いのだろう。アイツは強いからな。
ケイト達には逃げ場がある。
いつでも俺の家に来れば良い。
母親(アイツ)が帰ってくるまでならば匿ってやれるから。
けど――俺はどうすればいい?
現実はどこまでも俺を夢も希望も無い理想の無い絶望の灰色の世界へと突き落としていく。
俺はそれが嫌でたまらない。
けれど俺には……。
なぁ、ケイト。
俺は――。
一体、どこに逃げればいいんだ……?
部活もそうだが、思わず開かれる事になった突発の二次会もだ。
馬鹿げた事で笑いあえる友人。
何気ない事を面白おかしくできる時間。
……だが、そんな日常が楽しければ楽しかった分だけ“その時”が来るのが憂鬱になる。
――乱雑に扉が開かれる音で目を覚ます。
「んにゅ?」
隣では寝相の悪さからか、俺に抱きつくような形でリョウが寝そべっていた。
開かれた扉の前には、仕事帰りの母が立っていた。
「アキラ……あんた」
最悪の場面を見られてしまった。
「ついにそっちに目覚めたのかい?」
「違うっ」
隣のリョウを遠くへと転がす。
「むぎゅぅ」
コロコロと転がるリョウ。
「あ、お早う御座います」
「どうしたんだいリョウ君? 家は大丈夫なのかい?」
「ちょっとパパが帰って来ちゃってて、お邪魔かなって……すぐに帰ります」
「あぁ、そうしな。あんたの家も難儀だねぇ」
「お邪魔しました~」
リョウが去っていった。
「ま、今の時代、よほどの成功者じゃないと女なんか寄ってこないからね。ソッチに走ってもいいんじゃないかい?」
「だから違うというに……」
俺の母は……いわゆる水商売という奴をやっている。
一昔前までは良い所のホステスをやっていたらしいが、年を取るに連れて指名が減り、人間関係もわずらわしくなった所を良いパトロンに巡りあって今では二駅ほど離れた場所でスナックを開いている。
家が狭いため店の方が居心地がいいらしく、接客以外の雑用を終わらせると終電がなくなっているという理由で、始発と共に寝るためだけに帰ってくるのが日課になっていた。
「今のうちに作っとかないと、女は年取るほどに求める物が面倒になってくるよ」
「余計なお世話だ」
「ま、そういう所だけは父親(アイツ)に似なくて良かったのかもしれないけどね。人様に迷惑かけない訳だからさ」
煙草を吸いながらカラカラと笑う。
ウイスキーのボトルを空け、適当に飲み始める。
「ん?」
そして、開いたままにしてあった俺の鞄に目を付ける。
そこにあったのは――。
「……いや、これは」
「あんた。まだ進学なんて考えてたのかい?」
――近隣の大学の案内パンフレット。
戯れに、いや、実はわりと真剣に考えていた進学用の……まぁくだらない夢のようなものだ。
「無理無理無理無理。あんな低レベルのとこでいくらトップでいたってね、どうせ三流のとこしかいけないよ? しかも理系じゃなくて文系でしょ? 何の役に立つの。くだらない小説読んで作家について調べたってね。米粒一つの価値にだってなりゃしないんだよ! それじゃ就職の何の役にも立ちゃしないじゃないかい。おとなしく就職しときな。工場とかなら中卒の奴だっているんだから。頭下げて従っときな。今時学歴なんざね。よほど良いとこいかないかぎり糞の役にも立ちゃしないんだよ。あんたも生まれてくるタイミングが悪かったねぇ。もう少し遅ければそれに気付けて、無駄なとこ通わせずに済んだっていうのに。もうこんな世の中、中卒でいいんだよ中卒で。仕事しとけ! お願いだからさっさと稼いで楽させておくれ!」
――これじゃ何のために産んだんだかわかりゃしないよ。
何度も言われてきた言葉だった。
――腹もたるむし体も悪化する一方だ。子供なんて産まないにこしたことはないね。
言外に伝わるいつもの言葉。
――あんたなんか産むんじゃなかったよ。
母は……俺の存在を疎んでいる。
片親ながら育ててくれたことには恩を感じてはいる。
だが、それは世間体とプライドのためだけに俺を育てているようなもので――。
「女にでも生まれてくれりゃよかったのにね。今の時代、男に生まれたって成功するのは一部だけ。相手が見つかるのだって成功してる一部だけだ。あんた二分の一で失敗したねぇ」
ウイスキーのグラスを空にしながら、雪崩のように吐き散らされる言葉に辟易とする。
――俺だって、生まれたくて生まれてきたわけじゃない。
誰も産んでくれなんて頼んでない。
貴様らのくだらない快楽の果てにひりだしただけのくせに。
そうでなきゃ誰が望むものか……こんな腐りきった世界に!
酔っているからといって、言っていい言葉と悪い言葉がある。
それでも口に出される言葉、という事は――本心という事。
「小説家になりたいんだっけ? 無理無理無理無理。夢見てんじゃないよ。成功する奴ってのはね。生まれつきもう決まってるんだよ。あんただって知ってるでしょ? 叔父さんの話。アイツはね。アコースティックギターも上手かったし歌も良い線行ってた。それなのにあの結果だよ。話したよね? ラジオの新曲デビューのコーナー。曲そのものは認めてもらえたのに。顔が悪いから誰々さんだかの歌って事にして世に出してあげるから歌詞と曲を売ってください、だとさ。最初から曲と歌詞を奪い取るためだけのコーナーだったんだよ。いいかい。成功する奴ってのはね、四つの内のどれかを最低限持ってなきゃいけないんだ。何かわかるかい? それはね。ツテ、コネ、家柄。そして運だ。ツテやコネ、家柄なんかで知り合いがプッシュしてくれないと成功なんてしないで埋もれるし、さもなくば、運が無くても埋もれるだけ。あんたの好きな作家で例えてやろうか? 同人で成功した誰かさんはね。そりゃあ面白いシナリオと文章力があっただろうよ。でもね。他にライバルの少ないタイミング、という運と、名曲を作ってくれる奴、または良い絵を書いてくれる奴に恵まれた。この二つの要素があったから成功したんだ。この二つが無ければどっちも、いかに実力があろうとも埋もれてるよ」
迂闊に夢を見ないようにするためか、どこまでが真実なのか、母は時折、口を酸っぱくして夢など見るもんじゃないと語る。
「な○うだのカ○ヨムだのだってねぇ。出版社が裏で何やってるかわかったもんじゃないよ? だって、奴らの手の内にはもう、売り出したい作家なんざ山ほどいるんだ。賞を取ったものの腐らせてる作家。コネとして仲の良い作家希望者。今は編集としてくすぶってるけどいつかは売れたいって奴。素人じゃあないから確実に途中で逃げることは無いという絶対の信頼のある人間だ。そんなのがいくらでもいるってのに、なんでわざわざいつ投げ出すかもわからない素人なんかに任せるってのさ。叔父さんの例も話しただろう? 大人はね。そういう汚いことをするんだよ。会社はね。そういう事をするんだよ。社会はね。そういう事をするんだよ。だってお金がかかってるんだよ? 会社で働いている何人もの生活がかかってるんだ。どうして不安定な素人なんかに任せられるっていうんだい? 夢を見せてるだけ。最初はどうだったか知らないけどね。どうせ今じゃコネツテだよ。そうじゃなきゃなんだっていきなりウン十万なんて点数がポンと入るのさ。裏で何らかの力も一切働かずに、運も偶然も無く、いきなりウン十万なんて点がどうやって付くってんだい? それでも可能性があるだなんて思えるんならね。せいざい詐欺には気をつけろとしか言えないね。そんな夢みたいなこと、ありえないんだよ。言っただろ? 世の中、ツテ、コネ、家柄、運だ。どれかが無い奴は一生成功なんてしないのさ」
どこまで信じていいのかわからない持論を吐く。
元ホステスの情報網もあり、場合によっては信頼にたる情報もあるのかもしれない。
それにしたって、あまりにも夢の無い……。
――だが、それが現実なのだろう。
わかっている。夢を食い物にする悪党が世間にあふれているという事も。
わかっている。実力なんていくらあったって、運が無ければ大成なんてしないという事も。
わかっている。社会も会社も汚いものなんだ、という事も。
「昔はアレだね。声優なんて夢見せるビジネスも一時期流行ったねぇ。未だに騙されてる馬鹿もいるみたいだけど、アレこそその縮図みたいなもんさ。昔は違っただろうけどね。今じゃあ子役タレントの二世だの、あらかじめ売る事が決まってる奴が練習するためだけに養成所があって、後はそれらを維持したり、事務所の養分になるためだけにレッスンしてるんだ。夢を売ってるだけ。叶わない一時の夢をね。こちとら職業上そういう話をよく聞くんだから、よくわかってるんだよ。そもそも芸能界なんてヤ○ザのシノギみたいなもんだしねぇ」
眠りにつくために、安酒を煽る様に口にする母。
「豚みたいな奴でも、恋人ができる奴がいる。痩せてようとマッチョだろうと、顔が良かろうと悪かろうと。ダメな奴はダメだし。簡単に手に入れられる奴は簡単に手に入れちまうのさ。勉強のできないチビでも恋人はできる。けど、出来ない奴は一生できない。なんでかわかるかい? 運だよ。世の中全部運なのさ。コネもツテも家柄も、生まれ持ってる運だ。運の良い奴だけが手に入れるべきものを手に入れる。ダメな奴はいくら努力したって無駄。実力も糞もない。そういう風にできてるんだよ。努力なんざ無駄なのさ。手に入れられる奴は何をしたってそれが手に入るように世界が動く。手に入らない奴はいくらがんばっても世界が全てを阻害する。得られるものは自動的に得られるようになってるんだ。逆に言えば、今手には言って無いモノはいくら求めても無駄なんだ。得られる奴の下には、がんばらなくたってそれが手に入るように世の中はできてるんだから。あんたのやりたい小説の道だってね、適当に書いたら売れちゃいました~なんて運の良い奴か、コネかツテだよ。努力で成功する奴がいるとすれば、それは努力しなくてもそこに辿り着けた奴なのさ。努力したって、埋没する奴は、それがそいつの運命なんだ。運命ってのはね、変えられないんだよ」
グラスを空にし、さらにもう一杯と注ぎ込む。
「金のある奴の所には金が集まる。名誉のある奴の所には名誉が集まる。運の良い奴の所には運の良い事が集まる。今何も無い奴の所にはね、いくらがんばろうと努力しようと実力を高めようと、何も集まりゃしないから、結局全ては無駄に終わる。ある奴の下にしか来ないんだよ。だから今無いものをいくら求めても無駄なのさ」
昔から口を酸っぱくして言われてきた。
「友達が勝手に応募しちゃって? そんなんで受かる訳ないだろが。そういう設定にして、夢を売ってるんだよ」
「この顔で売れてるって時点で、最初から社長の恋人かなんかだったんだろ? プッシュの仕方が不自然だったしね」
「この声優だって二世なんだろ? 親が力貸さなかったわけないだろうが」
「この子だってそうさ。明らかに親が音楽界のトップっていうコネさ。それ以外でどうやって売れるってんだい」
「世の中ね、夢を見たって無駄なの。若い奴はいつだってそう。夢に焼かれて灰になる。年取ってから気付いたって遅いのさ」
マスメディアの謳う夢に騙されるな。
半透明の琥珀色な液体に何を映し出しているのか。母は寂しげにグラスを見つめながら俺に現実を伝える。
「諦めて、夢なんざ捨てて堅実な人生を歩みな。とにかく金を稼げ。嫌なら出てけ。義務があるのは15までだ。3年も猶予をくれてやったんだ。これ以上は甘えるな。それでもどうしても大学に行きたいってんなら、自分で金をためて行くことだね。ちなみに借りるって手も無しだ。帰ってくるアテの無い金は貸さない主義なんでね」
夢も希望も無く、ただ死を恐れて、楽しみも目標も無く、ただ生きる。
食べて、出して、何も得られず。働いて、寝て、未来も何も無い。
そんな灰色の世界を……生き続けてどうする?
次世代へのバトンタッチだって、昔は良かった。
今の時代よりも遥かに結婚は楽で、マスメディアの洗脳もまだマシだったせいか、男は女となんとか巡り合えた。
もっと過去なんてさらに楽だ。お見合い、許婚、帯引き夜祭。
いくらでも、次世代へとつなぐ方法があった。
だが、今は違う。
『年収一千万は欲しい。くだらない遊びは止めろ。オタク趣味はキモイ。財布の紐は握らせろ。私は2000円ディナー、貴方はワンコインね。だけど私より沢山働いて私より良い給料持ってきてね。だけどデートで奢るのは男の方、当たり前よね。で、首になったら別れるから』
こんな時代に次世代に受け継ぐ命なんて……受け継がせない方が正解なんじゃないか?
布団に入り込み、いつの間にか寝息を立てる母を前に……俺は辟易としていた。
いや、辟易としているのはこの世界そのものに対してかもしれない。
かつての母から聞かされた言葉。幻想の声が耳に木霊する。
「売れる奴なんて始めから決まってるのさ。システムができてるんだよ。まずは家柄。自由に出来る金があってはじめて好きな事ができるんだ。うちにあるかい? そんなもん。その時点であんたははずしてんのさ。まずは家柄。これがない。だからダメ。もちろん家柄はコネにだってなる。会社の懇意の社長の息子とかなら、多少はひいきしてくれるだろ? 世の中そういうもんさ。さぁ、小説、漫画、芸能界、その他もろもろ。家柄やコネがまったく役に立たないなんて事はあるでしょうか? ……よほど実力が酷くない限りはね、ある程度はひいきしてくれるもんさ。そのひいきがあるから、成功するんだよ。それが0じゃ、埋もれるだけだよ」
「あんたの見てるアニメにさ。時々なんでこんな声で主役張ってんだ? ってヒロインいないかい? ぶっちゃけ大して可愛い声じゃない子。たまにいるだろ? さて、何で売り出してもらえてるんだろうね。演技が上手いから? 本当にそいつは飛びぬけて上手かい? これが答えさ。どの世界だってね、所詮はコネとツテなんだよ。マスメディアに強い力を持ってる奴だけが売り出してもらえるのさ。親の力とかね。そして宣伝してもらえるから有名になれるのさ。実力だけで成功するなんて無理無理無理無理」
「芸能界は腐ってる。マスメディアだって腐ってる。政治家だって腐ってるんだから、世界そのものが腐ってるのさ。こんな腐った世の中の一体何を信用したら良い? 貴族や奴隷が無くなった何ていったってね。名前が消えただけなんだよ。名前が消えて境界が曖昧になっただけ。支配者層はいつだって二代三代。政治家のウィ○ペディアを見てごらん。どれだけ二世三世の多いことか。政治も芸能も、人々が憧れる世界や支配する側ってのはどこだって血統が基本さ。貴族が無くなった訳じゃないんだ。貴族という名称が無くなっただけなんだよ。じゃあ奴隷はどうだろうね。コンビニの店員をみてごらんよ。悪質な客に絡まれて、ストレス解消の道具にされて、安月給で働かされてる底辺層。少しはマシなんだろうけどね。アレだってまだまだ、奴隷システムが残ってるようなもんだろ。もっと労働者に人権をって叫ぶべきなんじゃないかねぇ? 今でも残っているんだよ。何も変わっちゃいないのさ」
夢を見せないためか、どこまでが真実なのか、そこまではわからないが、まことしやかに真実とやらを語る言葉。
いつだったかに言われた言葉。それは呪いのように俺を束縛し、この世界に対する絶望感を深めていく。
――無名の人間が努力で成り上がるなんてもはやありえない。
努力は全て無駄。
成功する奴は成功するし、失敗する奴は失敗する。
それはもはや生まれつき決まっている。
「あんたが、運の良い奴だと思えるだけの運を持っていないのなら、夢なんて見ないことだね。その感覚はきっと当たってるから。運の良い奴は最初から自分が成功すると信じられるだけの運を体感している。持っている。だから持ってない奴は、その直感どおり、持ってないのさ。持ってないんだから、成功なんてできようはずがないんだよ。諦めな」
“選択肢の無い選択の自由”という名の理不尽。
平等という名の不平等がまかり通り、偽りの自由による格差社会は見えざる貴族と隠された奴隷を生み出し不自由な不平等のままに狂った理想郷を語る。
灰色の建造物の立ち並ぶモノクロな世界。
人々はカラフルな板をつつく事で快楽に浸る。
ランダム制のある情報を得て、無意味な勝利に酔いしれるために、稼いだ日銭を無駄に浪費する。
マスメディアは偽りの夢と幸福を嘯いて、政治家は世迷い事の理想と共に大衆の不自由を敷く。
変えたくても変えられない世界。
剣と槍の世界ではなく、銃という絶対の武装になってしまったせいで、革命さえ起こせない世界。
政治家になれたとしても、派閥などの力関係で理想に向けて動くことなどもはや不可能。
がんじがらめの呪縛のような世界。
「夢も希望も無いな……」
力なく落とした手。机の上に置いてあった本に当たり、床へと本が落ちる。
床に散らばるは、ライトノベルに良くはさまれているあのチラシだ。
『異世界転生!』『異世界転移!!』
そこには、異世界の文字が躍っていた。
「異世界か……」
行けるものなら行ってみたいものだ。
もし行けたなら、その世界では理想を実現できるだろうか。
この世界よりも、努力のしがいのある世界だろうか。
がんばれば報われるような、胸躍るロマンのある世界なのだろうか。
目の前には、集めた無数の魔道書。
いくら唱えても無駄だった。
おまじないは所詮おまじない。
現代魔術は心の変容と嘯いたところで、現実逃避に変わりは無し。
いくら心を自らの意思で変化させようと、外の現実は変わらないし、耐えられるようにいくらなったとしても、世界の歪みは変わらない。
歪んだ世界に順応するために、心を歪めていくだけの作業。
この世界に魔法は無い。
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現実はどこまでも俺を夢も希望も無い理想の無い絶望の灰色の世界へと突き落としていく。
俺はそれが嫌でたまらない。
けれど俺には……。
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