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王太子妃3
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「大きな声を上げて申し訳ございません」
「ええ、大きな声はやめていただきたいです」
「はい……失礼いたしました」
さすがに不味いと思ったミジュリーはコレドールに頭を下げた。
エーストと一緒にいる時は余裕を見せるためにも、宥める側のミジュリーだが、ブルーベルのことは見下していたために堪え性がなかった。
「あの、ブルーベル殿下、いかがですか?妹の娘の話なのですよ?マリージュもあなたが力を貸してくれることを望んでいるわ」
本当はミジュリーはマリージュが行くと思っていたが、エーストの評価が下がっており、あてにならないと思われている。ゆえに今回はミジュリーが行くことに決まった。
気は乗らなかったが、エーストの期待には答えなければならない。
だが、ブルーベルは首が僅かに動いているくらいで、一向に反応はない。
最終的にはオペリーク王国に、コレドールに頼むことになるために、ミジュリーは何か言ってくれるのではないかと思ったが、本当に会話に入る様子もない。
そうなるとミジュリーが一人で語り掛けているだけの状態であった。
「あの、王太子殿下はどう思いますか?」
「ブルーベルへのお話なのでしょう?私は口を挟まないと伝えたはずです」
「ですが、夫なのですから妻のことは関係ございますでしょう?」
「王太子妃殿下はブルーベルにお頼みなのでしょう?私は関与いたしません」
コレドールはミジュリーには興味もないというと、見ることもせずに答え、信じられないという顔をしていたが、見ていたのはモモリくらいであった。
「ですが、殿下にとっても姪にあたりますでしょう?」
「それは王太子妃殿下もではありませんか?」
「私は血が繋がっておりませんから」
その言葉にコレドールは何を言っているのかと笑いそうになった。
「それは私もでございますよ?」
「っん、そうですわね……ほほほ」
笑ってごまかせるようなことではなく、ミジュリーは他責思考だということを露呈させていた。
「ですが、本当に困っておりますの。ブルーベル殿下はマリージュを大事に思っておりましたから、アリーシャにも幸せな結婚をして欲しいと、心では思ってらっしゃると思いますわ」
この状態でブルーベルから言葉を引き出すのは難しいと判断したミジュリーは、コレドールに訴え掛ける方法に変えることにした。
だが、コレドールもブルーベルはアリーシャが生まれた頃にはオペリーク王国におり、会ったことがないことは明らかであるために、そんなことを考えるだろうかとしか思えなかった。
「縁談でしたら、エルゲリータ王国から申し込めばよろしいのではありませんか?なぜブルーベルに頼む必要があるのでしょうか?」
さすがにリュメリー王国への縁談ということはないだろうが、どうしてブルーベルに頼むかが理解できない。
「勿論、こちらからも申し込むつもりではおります。ですがオペリーク王国からも口添えがあれば、スムーズに進むのではないかと思うのです。アリーシャも断られるようなことになれば、傷付くことになりますから」
ミジュリーはアリーシャを特に可愛いとも大事にも思っていないが、エーストは王女として利用するところはするが、スルトに似た姪であることから可愛がっている。
ゆえに縁談についても利がないとならないとは思っているが、国にもアリーシャにも良い縁談で、可哀想な思いをさせたくはないとは思っている。
それに従うのがミジュリーにとって正しいことである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
2月はあっという間ですね、気付けば明日までなんてビックリです。
本日は1日2回、投稿させていただきます。
次はいつもの17時です。
どうぞよろしくお願いいたします。
「ええ、大きな声はやめていただきたいです」
「はい……失礼いたしました」
さすがに不味いと思ったミジュリーはコレドールに頭を下げた。
エーストと一緒にいる時は余裕を見せるためにも、宥める側のミジュリーだが、ブルーベルのことは見下していたために堪え性がなかった。
「あの、ブルーベル殿下、いかがですか?妹の娘の話なのですよ?マリージュもあなたが力を貸してくれることを望んでいるわ」
本当はミジュリーはマリージュが行くと思っていたが、エーストの評価が下がっており、あてにならないと思われている。ゆえに今回はミジュリーが行くことに決まった。
気は乗らなかったが、エーストの期待には答えなければならない。
だが、ブルーベルは首が僅かに動いているくらいで、一向に反応はない。
最終的にはオペリーク王国に、コレドールに頼むことになるために、ミジュリーは何か言ってくれるのではないかと思ったが、本当に会話に入る様子もない。
そうなるとミジュリーが一人で語り掛けているだけの状態であった。
「あの、王太子殿下はどう思いますか?」
「ブルーベルへのお話なのでしょう?私は口を挟まないと伝えたはずです」
「ですが、夫なのですから妻のことは関係ございますでしょう?」
「王太子妃殿下はブルーベルにお頼みなのでしょう?私は関与いたしません」
コレドールはミジュリーには興味もないというと、見ることもせずに答え、信じられないという顔をしていたが、見ていたのはモモリくらいであった。
「ですが、殿下にとっても姪にあたりますでしょう?」
「それは王太子妃殿下もではありませんか?」
「私は血が繋がっておりませんから」
その言葉にコレドールは何を言っているのかと笑いそうになった。
「それは私もでございますよ?」
「っん、そうですわね……ほほほ」
笑ってごまかせるようなことではなく、ミジュリーは他責思考だということを露呈させていた。
「ですが、本当に困っておりますの。ブルーベル殿下はマリージュを大事に思っておりましたから、アリーシャにも幸せな結婚をして欲しいと、心では思ってらっしゃると思いますわ」
この状態でブルーベルから言葉を引き出すのは難しいと判断したミジュリーは、コレドールに訴え掛ける方法に変えることにした。
だが、コレドールもブルーベルはアリーシャが生まれた頃にはオペリーク王国におり、会ったことがないことは明らかであるために、そんなことを考えるだろうかとしか思えなかった。
「縁談でしたら、エルゲリータ王国から申し込めばよろしいのではありませんか?なぜブルーベルに頼む必要があるのでしょうか?」
さすがにリュメリー王国への縁談ということはないだろうが、どうしてブルーベルに頼むかが理解できない。
「勿論、こちらからも申し込むつもりではおります。ですがオペリーク王国からも口添えがあれば、スムーズに進むのではないかと思うのです。アリーシャも断られるようなことになれば、傷付くことになりますから」
ミジュリーはアリーシャを特に可愛いとも大事にも思っていないが、エーストは王女として利用するところはするが、スルトに似た姪であることから可愛がっている。
ゆえに縁談についても利がないとならないとは思っているが、国にもアリーシャにも良い縁談で、可哀想な思いをさせたくはないとは思っている。
それに従うのがミジュリーにとって正しいことである。
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本日もお読みいただきありがとうございます。
2月はあっという間ですね、気付けば明日までなんてビックリです。
本日は1日2回、投稿させていただきます。
次はいつもの17時です。
どうぞよろしくお願いいたします。
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