111 / 149
ララス・ゼアンラーク1
コレドール王太子殿下の婚約者に選ばれて、思い浮かんだのは生理不順のことだった。このせいで外されるかもしれない、選ばれたのに外されるなんて、周りにどんな目で見られるか分からない。
ララスの成長と共に高くなっていったプライドが許さなかった。
その頃にはララスは勉強も成績優秀で、知識が豊富だと褒められることが多かった。自分には価値があると他者も思っている。
だから不正を犯すことになった。
ララスも最初はどうしたらいいのか分からなかった。
両親に相談しようかとも思ったが、まずは自分で考えてみようと、賢い自分が考えればいい考えが浮かぶはずだと自惚れてもいた。
王宮で受ければ、何か見付かってしまうかもしれない。だが、王宮で受けると決まっている。
どうにか別のところで受けたとして、王家に提出したい。
そこへ同じく候補者に選ばれたアイラー・オイキス伯爵令嬢、サエリ・パジルア伯爵令嬢がカフェに行く話をしていた。何か使えないかと思ったが、考えてもララス一人でできることは限られる。
生理不順のことを知っていたのは、乳母で世話係をしていたオメリー・ジンクだけだった。生まれた時からずっと一緒で、オメリーだけには何でも話していた。
『ララス様は優秀でございますね』
『ララス様はお美しいですよ』
オメリーはララスを何でも肯定してくれる存在だった。外見もあまり自信がなかったが、オメリーだけは美しいと言ってくれていた。
そして二人が事故に遭ったと聞き、運が向いたのか、オメリーが何かしたのかもしれないが、本人に聞くことはしなかった。
アイラーとサエリのお見舞いに行き、診断を控えていたためにここで受けたらどうかと勧めた。そうすれば、診断書という形になると思ったからである。
自分だけ診断書ではなく、他にもいれば目を付けられることはない。
そして、二人のどちらかの診断書をどうにか手に入れられないかと考えていた。だが、それは邸の中で解決することになった。
メイドがブライダルチェックを受けたという話を聞いた時は、飛び上がりたい思いだった。
なかなか見せようとしなかったが、強く言えば従うのが使用人である。手に入れて、上手に写して、返してあげた。役に立つことができて、光栄だろうくらいの気持ちだった。
今では誰だったのかすら、ララスは覚えていなかった。
その後、よく考えるとアイラーとサエリの診断書を写していたら、王家側でバレていたかもしれない。運は私に向いているとまた思った。
診断書を持って、お父様には生理不順は治ったとはいえ、何か見付かるかもしれない、そんなことで外されることは嫌だと話した。
すると、サインはお父様が引退間近の侍医の名前を写してくれた。お母様は大丈夫なのかと言ったが、こんなことで外されてはララスが可哀想だと意見は一致した。
生理不順は続いていたが、治療をすればバレると思い、何もしていなかった。
それでも、コレドールの婚約者に選ばれて、王太子妃になって、子どもは産めなかったが、何の問題もないはずだった。
シュリリーが考えたように、ララスは貴族なら離縁されるかもしれないが、王家は側妃の制度があるのだから離縁されないことも魅力だった。
ララスにとって後継者を産むよりも、王太子妃に王妃になることが重要であった。
側妃のことは覚悟していたことだった。歓迎することはないが、自分を変わらずに正妃として扱って欲しいことを伝えれば、皆が当たり前だと言ってくれた。しかも、やって来たのは壊れた女だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
本日も1日2回、投稿させていただきます。
ついに動き出します。
いつもの17時をお楽しみに。
よろしくお願いいたします。
ララスの成長と共に高くなっていったプライドが許さなかった。
その頃にはララスは勉強も成績優秀で、知識が豊富だと褒められることが多かった。自分には価値があると他者も思っている。
だから不正を犯すことになった。
ララスも最初はどうしたらいいのか分からなかった。
両親に相談しようかとも思ったが、まずは自分で考えてみようと、賢い自分が考えればいい考えが浮かぶはずだと自惚れてもいた。
王宮で受ければ、何か見付かってしまうかもしれない。だが、王宮で受けると決まっている。
どうにか別のところで受けたとして、王家に提出したい。
そこへ同じく候補者に選ばれたアイラー・オイキス伯爵令嬢、サエリ・パジルア伯爵令嬢がカフェに行く話をしていた。何か使えないかと思ったが、考えてもララス一人でできることは限られる。
生理不順のことを知っていたのは、乳母で世話係をしていたオメリー・ジンクだけだった。生まれた時からずっと一緒で、オメリーだけには何でも話していた。
『ララス様は優秀でございますね』
『ララス様はお美しいですよ』
オメリーはララスを何でも肯定してくれる存在だった。外見もあまり自信がなかったが、オメリーだけは美しいと言ってくれていた。
そして二人が事故に遭ったと聞き、運が向いたのか、オメリーが何かしたのかもしれないが、本人に聞くことはしなかった。
アイラーとサエリのお見舞いに行き、診断を控えていたためにここで受けたらどうかと勧めた。そうすれば、診断書という形になると思ったからである。
自分だけ診断書ではなく、他にもいれば目を付けられることはない。
そして、二人のどちらかの診断書をどうにか手に入れられないかと考えていた。だが、それは邸の中で解決することになった。
メイドがブライダルチェックを受けたという話を聞いた時は、飛び上がりたい思いだった。
なかなか見せようとしなかったが、強く言えば従うのが使用人である。手に入れて、上手に写して、返してあげた。役に立つことができて、光栄だろうくらいの気持ちだった。
今では誰だったのかすら、ララスは覚えていなかった。
その後、よく考えるとアイラーとサエリの診断書を写していたら、王家側でバレていたかもしれない。運は私に向いているとまた思った。
診断書を持って、お父様には生理不順は治ったとはいえ、何か見付かるかもしれない、そんなことで外されることは嫌だと話した。
すると、サインはお父様が引退間近の侍医の名前を写してくれた。お母様は大丈夫なのかと言ったが、こんなことで外されてはララスが可哀想だと意見は一致した。
生理不順は続いていたが、治療をすればバレると思い、何もしていなかった。
それでも、コレドールの婚約者に選ばれて、王太子妃になって、子どもは産めなかったが、何の問題もないはずだった。
シュリリーが考えたように、ララスは貴族なら離縁されるかもしれないが、王家は側妃の制度があるのだから離縁されないことも魅力だった。
ララスにとって後継者を産むよりも、王太子妃に王妃になることが重要であった。
側妃のことは覚悟していたことだった。歓迎することはないが、自分を変わらずに正妃として扱って欲しいことを伝えれば、皆が当たり前だと言ってくれた。しかも、やって来たのは壊れた女だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
本日も1日2回、投稿させていただきます。
ついに動き出します。
いつもの17時をお楽しみに。
よろしくお願いいたします。
あなたにおすすめの小説
愛なんか消えてしまえと願う私は悪くないと思う
ましろ
恋愛
「赤ちゃんができたの」
母の言葉に目眩がした。
我が家の両親は恋愛結婚。身分差から駆け落ち同然で一緒になった二人は未だにその愛は消えず、燃え上がり続けているのだからある意味凄いわ。
でもね? どうしてそんなにも子どもを作ってしまうの⁉
私を入れて子どもは七人。お父さんの給料ではお手伝いさんなんか雇えるわけもなく、おっとりしたお嬢様気質の抜けないお母さんだけで家事育児などできるはずもなく。
そうなると働き手は長女の私だ。
ずっと小さな頃から弟妹のお世話と家事に明け暮れ、それなのにまだ産むと言うの?
「……ねえ、お母さんにとって子どもって何?」
「うふふ。それはね、愛の結晶よ」
愛。愛って何? 私はあなたの愛のために働き詰めなのですけど?
自分達の手に余るなら、そんなモノなど捨ててしまえっ!
❦R-15は保険です。
連載中のものが止まったままのくせに!とは言わないで(泣)
現在、作業中のものがなかなか終わらなくて息抜きのための不定期連載です。
やり直し令嬢は本当にやり直す
お好み焼き
恋愛
やり直しにも色々あるものです。婚約者に若い令嬢に乗り換えられ婚約解消されてしまったので、本来なら婚約する前に時を巻き戻すことが出来ればそれが一番よかったのですけれど、そんな事は神ではないわたくしには不可能です。けれどわたくしの場合は、寿命は変えられないけど見た目年齢は変えられる不老のエルフの血を引いていたお陰で、本当にやり直すことができました。一方わたくしから若いご令嬢に乗り換えた元婚約者は……。
【完結】薔薇の花をあなたに贈ります
彩華(あやはな)
恋愛
レティシアは階段から落ちた。
目を覚ますと、何かがおかしかった。それは婚約者である殿下を覚えていなかったのだ。
ロベルトは、レティシアとの婚約解消になり、聖女ミランダとの婚約することになる。
たが、それに違和感を抱くようになる。
ロベルト殿下視点がおもになります。
前作を多少引きずってはいますが、今回は暗くはないです!!
11話完結です。
この度改編した(ストーリーは変わらず)をなろうさんに投稿しました。
【完結】都合のいい女ではありませんので
風見ゆうみ
恋愛
アルミラ・レイドック侯爵令嬢には伯爵家の次男のオズック・エルモードという婚約者がいた。
わたしと彼は、現在、遠距離恋愛中だった。
サプライズでオズック様に会いに出かけたわたしは彼がわたしの親友と寄り添っているところを見てしまう。
「アルミラはオレにとっては都合のいい女でしかない」
レイドック侯爵家にはわたししか子供がいない。
オズック様は侯爵という爵位が目的で婿養子になり、彼がレイドック侯爵になれば、わたしを捨てるつもりなのだという。
親友と恋人の会話を聞いたわたしは彼らに制裁を加えることにした。
※独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
他の人を好きになったあなたを、私は愛することができません
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私シーラの婚約者レヴォク第二王子が、伯爵令嬢ソフィーを好きになった。
第三王子ゼロアから聞いていたけど、私はレヴォクを信じてしまった。
その結果レヴォクに協力した国王に冤罪をかけられて、私は婚約破棄と国外追放を言い渡されてしまう。
追放された私は他国に行き、数日後ゼロアと再会する。
ゼロアは私を追放した国王を嫌い、国を捨てたようだ。
私はゼロアと新しい生活を送って――元婚約者レヴォクは、後悔することとなる。
彼女の離縁とその波紋
豆狸
恋愛
夫にとって魅力的なのは、今も昔も恋人のあの女性なのでしょう。こうして私が悩んでいる間もふたりは楽しく笑い合っているのかと思うと、胸にぽっかりと穴が開いたような気持ちになりました。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。
すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…
アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。
婚約者には役目がある。
例え、私との時間が取れなくても、
例え、一人で夜会に行く事になっても、
例え、貴方が彼女を愛していても、
私は貴方を愛してる。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 女性視点、男性視点があります。
❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。
あなたの仰ってる事は全くわかりません
しげむろ ゆうき
恋愛
ある日、婚約者と友人が抱擁してキスをしていた。
しかも、私の父親の仕事場から見えるところでだ。
だから、あっという間に婚約解消になったが、婚約者はなぜか私がまだ婚約者を好きだと思い込んでいるらしく迫ってくる……。
全三話