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エルゲリータ王国・王家4
エーストは推薦状にミジュリーにブルーベルのサインを写させて、再度スチュワートへの婚約の申し込みと共にモルゾフ王国に使者に持って行かせた。
これで上手くいくのが一番いいが、上手くいかなくても責任はブルーベルにある。もしも書いていないと証明されても、エズリラ侯爵家に取ってもらえばいい。
どう転んでもエーストには責任はないとほくそ笑んだ。
そして、モルゾフ王国からいい返事が一番良いが、考えるという旨の答えが返って来るだろうと使者が戻って来るのを待っていた。
翌々日には使者は戻っては来たが、返事は持っていなかった。
「返事はこちらから送るとのことです」
「その場で確認するように言わなかったのか?」
「王家の方には会えませんでした……」
使者も返事をもらってくるように言われていたために、粘ってはみたが冷たくあしらわれたような印象であった。
「会えなかった?」
「はい、急に来られても対応できないと……返事を待ちますとも伝えたのですが、宰相様が返事は送るからとおっしゃられまして、申し訳ございません」
「そうか、仕方ない……」
前はその場で返事をもらえたために、すぐにもらえると思っていたが、考えてくれるということなのだろうと返事を待つことにした。
オペリーク王国の意向とは違っても、王太子妃になったブルーベルを無視することはできないだろう。義妹はリュメリー王国の王太子妃でもあることも考慮される。
アリーシャがモルゾフ王国の王太子妃になれば、リュメリー王国との関係も見直してもらえるだろう。そうなれば、ジラートも良い婚約ができる。
エーストは甘えて頼りにされているアリーシャのことも可愛いが、結局はジーラスのためであった。
考えたくはないが、悪い返事だったとして、責任を取ってブルーベルが王太子妃から外されたとしても、自分に偉そうな口を叩いたのだから、自業自得である。戻って来ることになるだろうが、エズリラ侯爵家も受け入れないだろう。
そして、返事が来ないまま数日が経っていた。
「返事が遅いな……」
エーストは執務室でミジュリーと、指で机を叩きながら苛立っていた。
「ええ、やっぱり待たせたほうが良かったのではないかしら?」
「そうだな」
「考えるのなら考えるで、こちらに一度連絡するべきでしょう?もうどうなっているのかしら」
ミジュリーはオペリーク王国で我慢ができなかったことをエーストに叱られると覚悟していたが、溜息をつかれて呆れられてしまったことがショックだった。
でもエーストは一行が出て行っても、エズリラ侯爵家に推薦状を頼むという次の考えを話し始め、いい考えだとは思ったが、さすがにこのような状態でサインがもらえるのだろうかと思った。
だが、エズリラ侯爵がブルーベルにもらいに行った事実さえあればいいという考えにさすが私の夫だと感動した。
そこでミジュリーは何とか挽回しようとブルーベルのサインは自分がすると申し出ると、頼むと言ってもらえて、ホッとしたのである。
ゆえに返事が来ないことに苛立つエーストに賛同して、自分も同じ気持ちであることを必死で訴えていた。
「もしかしたらあちらも正式にお考えなのかもしれませんね」
「二度目だから待たせてもいいと思っているのかもしれないな……」
エルゲリータ王国は縁を結びたいと思われていることは仕方ないが、それでも下に見られることは不愉快であった。
本当なら向こうから婚約を申し込んでもらいたかったが、思ったよりもスチュワートは競争率が高かった。だが、リュメリー王国に申し込むことができない今、モルゾフ王国しかない。絶対にアリーシャを嫁がせなくてはならない。
だが、そこへ宰相であるコレゼリト公爵がやって来て、エーストとミジュリーは国王夫妻に呼び出されることになった。
これで上手くいくのが一番いいが、上手くいかなくても責任はブルーベルにある。もしも書いていないと証明されても、エズリラ侯爵家に取ってもらえばいい。
どう転んでもエーストには責任はないとほくそ笑んだ。
そして、モルゾフ王国からいい返事が一番良いが、考えるという旨の答えが返って来るだろうと使者が戻って来るのを待っていた。
翌々日には使者は戻っては来たが、返事は持っていなかった。
「返事はこちらから送るとのことです」
「その場で確認するように言わなかったのか?」
「王家の方には会えませんでした……」
使者も返事をもらってくるように言われていたために、粘ってはみたが冷たくあしらわれたような印象であった。
「会えなかった?」
「はい、急に来られても対応できないと……返事を待ちますとも伝えたのですが、宰相様が返事は送るからとおっしゃられまして、申し訳ございません」
「そうか、仕方ない……」
前はその場で返事をもらえたために、すぐにもらえると思っていたが、考えてくれるということなのだろうと返事を待つことにした。
オペリーク王国の意向とは違っても、王太子妃になったブルーベルを無視することはできないだろう。義妹はリュメリー王国の王太子妃でもあることも考慮される。
アリーシャがモルゾフ王国の王太子妃になれば、リュメリー王国との関係も見直してもらえるだろう。そうなれば、ジラートも良い婚約ができる。
エーストは甘えて頼りにされているアリーシャのことも可愛いが、結局はジーラスのためであった。
考えたくはないが、悪い返事だったとして、責任を取ってブルーベルが王太子妃から外されたとしても、自分に偉そうな口を叩いたのだから、自業自得である。戻って来ることになるだろうが、エズリラ侯爵家も受け入れないだろう。
そして、返事が来ないまま数日が経っていた。
「返事が遅いな……」
エーストは執務室でミジュリーと、指で机を叩きながら苛立っていた。
「ええ、やっぱり待たせたほうが良かったのではないかしら?」
「そうだな」
「考えるのなら考えるで、こちらに一度連絡するべきでしょう?もうどうなっているのかしら」
ミジュリーはオペリーク王国で我慢ができなかったことをエーストに叱られると覚悟していたが、溜息をつかれて呆れられてしまったことがショックだった。
でもエーストは一行が出て行っても、エズリラ侯爵家に推薦状を頼むという次の考えを話し始め、いい考えだとは思ったが、さすがにこのような状態でサインがもらえるのだろうかと思った。
だが、エズリラ侯爵がブルーベルにもらいに行った事実さえあればいいという考えにさすが私の夫だと感動した。
そこでミジュリーは何とか挽回しようとブルーベルのサインは自分がすると申し出ると、頼むと言ってもらえて、ホッとしたのである。
ゆえに返事が来ないことに苛立つエーストに賛同して、自分も同じ気持ちであることを必死で訴えていた。
「もしかしたらあちらも正式にお考えなのかもしれませんね」
「二度目だから待たせてもいいと思っているのかもしれないな……」
エルゲリータ王国は縁を結びたいと思われていることは仕方ないが、それでも下に見られることは不愉快であった。
本当なら向こうから婚約を申し込んでもらいたかったが、思ったよりもスチュワートは競争率が高かった。だが、リュメリー王国に申し込むことができない今、モルゾフ王国しかない。絶対にアリーシャを嫁がせなくてはならない。
だが、そこへ宰相であるコレゼリト公爵がやって来て、エーストとミジュリーは国王夫妻に呼び出されることになった。
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