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責務1
「エースト殿下、ミジュリー殿下、スルト殿下から責任について話を伺った上で、協議しました。その上で決まった結果をお伝えします」
皆が席に着き、一切笑っていないキールスとリュエンザと向き合うと、コレゼリト公爵が説明を行った。
スルトは緊張はしていたが、何を言われれも受け止める覚悟を決めている。エーストとミジュリーはこれでモルゾフ王国へ謝罪に行く手配を行えると思っていた。
「身の振り方が決まった。これから説明をする。しっかり受け止めなさい」
「「「はい」」」
キールスが伝えると、エーストとミジュリーとスルトはしっかりと答えた。
「まずはスルト」
「はい」
「ハーベン伯爵領の一部だった王領の管理を任せる」
ハーベン伯爵領は隣接した領の貴族が爵位を返上したり、問題を起こしたりで、意図せず大きくなっていたが管理ができなくなって、一部が王領になっていた。
「承知いたしました」
「しっかりやりなさい」
「はい、頑張ります」
スルトは頭を下げ、マリージュも動揺することはなくその様子を冷静に見つめていた。エーストとミジュリーもどういう意図なのかと頭を働かせていたが、口を開いたのはアリーシャであった。
「お祖父様、どういうことですか」
マリージュもスルトが話をしているからと思い、口を閉じるように言わなかった。
「分からないか?」
「はい、お父様は王族ではなくなるのですか?」
「それはこれからの行動で決めることになる」
スルトは反省していると判断し、様子を見ることにした。
「私はどうなるのですか!王族ではなくなるということですか!」
「そうだな、スルトが王族を抜ければアリーシャも王族ではなくなる」
「そんなの、そんなの嫌です!」
「これは決まったことだ」
「だったら、伯父様、エースト伯父様の子どもになります!」
その言葉に驚いたのはマリージュだったが、スルトは二度目だったためにキールスに話したのだから、もう何を言っても変わらないだろうと項垂れるしかなかった。
「そうか、アリーシャはそう希望するのだな?」
「はい、私は唯一の王女ですから、王家に残るべきだと考えます」
キールスはスルトとマリージュに視線を移したが、スルトは諦めたような顔をしており、マリージュも一瞬驚いてはいたが、同じく諦めたような顔をしていた。
「アリーシャはエーストとミジュリーの娘になりたいのだな?」
「はい」
「エーストとミジュリーはどうだ?」
「私は構いませんが、皆の意見を尊重いたします」
エーストは一瞬、スルトを見たが項垂れている姿にショックを受け、アリーシャの気持ちもわかるが、意見を聞いてからだと思った。
「はい、私も同じ意見でございます」
「ありがとうございます!伯父様、伯母様!」
アリーシャはすっかり自分だけは王族に残れると思い、エーストとミジュリーと笑顔を向けていた。
「スルトとマリージュはどうだ?」
「アリーシャの考えた結果でしょうから、希望するのなら仕方ありません」
「私も希望するのなら、構いません」
スルトは僅かだったが、マリージュはこれまでずっとアリーシャに向き合ってきた。だが、その結果がエーストとミジュリーの子どもになりたいならば、もう何も言うことはなかった。
「そうか」
「ならば、アリーシャはエーストとミジュリーの養子になるということで、これからの話を進める。アリーシャ、それでいいな?意見は変えないな?」
「はい!お願いいたします」
アリーシャはまだエーストとミジュリーの結果を聞いていないのに、これで王女のままでいられると思っており、スルトよりも厳しい状況になるのではないかと危惧していたのはスルトとマリージュとミレックだけであった。
「では、続いてエーストとミジュリーについて伝える」
「「はい」」
皆が席に着き、一切笑っていないキールスとリュエンザと向き合うと、コレゼリト公爵が説明を行った。
スルトは緊張はしていたが、何を言われれも受け止める覚悟を決めている。エーストとミジュリーはこれでモルゾフ王国へ謝罪に行く手配を行えると思っていた。
「身の振り方が決まった。これから説明をする。しっかり受け止めなさい」
「「「はい」」」
キールスが伝えると、エーストとミジュリーとスルトはしっかりと答えた。
「まずはスルト」
「はい」
「ハーベン伯爵領の一部だった王領の管理を任せる」
ハーベン伯爵領は隣接した領の貴族が爵位を返上したり、問題を起こしたりで、意図せず大きくなっていたが管理ができなくなって、一部が王領になっていた。
「承知いたしました」
「しっかりやりなさい」
「はい、頑張ります」
スルトは頭を下げ、マリージュも動揺することはなくその様子を冷静に見つめていた。エーストとミジュリーもどういう意図なのかと頭を働かせていたが、口を開いたのはアリーシャであった。
「お祖父様、どういうことですか」
マリージュもスルトが話をしているからと思い、口を閉じるように言わなかった。
「分からないか?」
「はい、お父様は王族ではなくなるのですか?」
「それはこれからの行動で決めることになる」
スルトは反省していると判断し、様子を見ることにした。
「私はどうなるのですか!王族ではなくなるということですか!」
「そうだな、スルトが王族を抜ければアリーシャも王族ではなくなる」
「そんなの、そんなの嫌です!」
「これは決まったことだ」
「だったら、伯父様、エースト伯父様の子どもになります!」
その言葉に驚いたのはマリージュだったが、スルトは二度目だったためにキールスに話したのだから、もう何を言っても変わらないだろうと項垂れるしかなかった。
「そうか、アリーシャはそう希望するのだな?」
「はい、私は唯一の王女ですから、王家に残るべきだと考えます」
キールスはスルトとマリージュに視線を移したが、スルトは諦めたような顔をしており、マリージュも一瞬驚いてはいたが、同じく諦めたような顔をしていた。
「アリーシャはエーストとミジュリーの娘になりたいのだな?」
「はい」
「エーストとミジュリーはどうだ?」
「私は構いませんが、皆の意見を尊重いたします」
エーストは一瞬、スルトを見たが項垂れている姿にショックを受け、アリーシャの気持ちもわかるが、意見を聞いてからだと思った。
「はい、私も同じ意見でございます」
「ありがとうございます!伯父様、伯母様!」
アリーシャはすっかり自分だけは王族に残れると思い、エーストとミジュリーと笑顔を向けていた。
「スルトとマリージュはどうだ?」
「アリーシャの考えた結果でしょうから、希望するのなら仕方ありません」
「私も希望するのなら、構いません」
スルトは僅かだったが、マリージュはこれまでずっとアリーシャに向き合ってきた。だが、その結果がエーストとミジュリーの子どもになりたいならば、もう何も言うことはなかった。
「そうか」
「ならば、アリーシャはエーストとミジュリーの養子になるということで、これからの話を進める。アリーシャ、それでいいな?意見は変えないな?」
「はい!お願いいたします」
アリーシャはまだエーストとミジュリーの結果を聞いていないのに、これで王女のままでいられると思っており、スルトよりも厳しい状況になるのではないかと危惧していたのはスルトとマリージュとミレックだけであった。
「では、続いてエーストとミジュリーについて伝える」
「「はい」」
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