【完結】聖女の在り方

野村にれ

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衝撃2

「まず婚約はマリアール侯爵家に申し込まれたものであるために、撤回してもらうことになるだろう」
「そんな!でも、私は養子なのですから、どうせ血の繋がりがなくても関係ないじゃないですか」

 ホーリーはイリアと違って、自分が養子であることを負い目に感じていた。

 シールドの子どもではないなら、血の繋がりなどもうどうでもいいではないかと、さらに声を上げた。

「いや、リリカは君をシールドの子どもだと言ったのだ。それが違ったとなれば、いくら養子でも、マリアール侯爵家を騙したことになる。そなたは関与していないことだが、養子は白紙になった」
「そ、んな……」

 ホーリーは一気にリリカに怒りが湧いた。

「では、お母様が嘘を付かなければ良かったのですか!」
「そうだな、だがそなたは別の家で暮らすことになっただろうな」
「えっ」

 リリカの不貞が判明していたら、そもそもシールドと再婚はできなかった。

 ホーリーもマリアール侯爵家で暮らすことはなく、コロゾ子爵家もどうなっていたかによるために、今、このような事態にはならなかった。

 2歳のホーリーなら、記憶もあまり残らなかっただろう。

「そなたはマリアール侯爵家に来る前のことで、思い出したことはないか?」
「ありません」

 ホーリーが養子のこと聞いた後で、何か覚えていることはないか調査員が訊ねたが、覚えていないと証言をしていた。

「そうか」
「私は父親と会っているのですか?」
「おそらく、そうだろうな」
「えっ、そんなこと……」

 困惑したホーリーは幼い頃の記憶を思い返したが、マリアール侯爵家でのことしか思い出せなかった。

「そなたには辛い事実だろう。だが当面、学園も休んで、王宮で監視をさせてもらうことになる」
「えっ」
「そなたは当時、まだ幼く、罪に問うことはないが、発表ができるまでは、受け入れる時間だと思って欲しい」
「シューク様にも会えないんですか!」

 シュークにも話をしなくてはならないが、どう話せばいいのかと考えていたが、まさか監視されるとは思っていなかった。

 だが、帰ると言っても、マリアール侯爵家に戻れないのかと、ぼんやり思った。

「あちらにはまだ知らせられない」
「そんな!」
「サント王国は武力行使も辞さない国だ。今回の件で問題になったら、国の問題になるんだ。そなたに責任が取れるか?」
「っ」

 監視をするために逃げ出すようなことはできないが、シュークに会おうなどと思わせることもさせないためにも、 厳しい言い方をすることにした。

「マリアール侯爵家ではなくとも、ドゥエンス公爵令息が、そなたと婚約したいということなら、反対をすることはない。落ち着けば、連絡を取るといい」
「えっ……いいのですか?」
「ああ、王家の承認がいるのはマリアール侯爵家だったからだ」

 その言葉にホーリーは婚約を認めてもらえない覚悟をしていたが、認められはしたが、それはマリアール侯爵家の血筋ではないことである。

 シュークは聖女の血筋を気にしていたことから、違うと分かれば婚約を再度申し込むことはないではないかという考えに行き着き、絶望していた。

 そして、自分はマリアール侯爵家から出されたらどうなるのか、そもそも貴族でいられるのか。一体、どこへ行けばいいのか。

「……私はマリアール侯爵家を出されて、どうなるのですか」
「そうだな、それも落ち着いた後で相談をしよう」

 クーカ夫人の生家が受け入れるか、他に引き受ける家があるか、どこにもなければ保護施設になるだろう。

 ホーリーは生まれて、シールドの子どもだと言われて育って来たのだから、どうにか学園は卒業させてやりたいとは考えていた。

「はい」
「必要な物はマリアール侯爵家から持って来てもらうようにする」
「はい……」

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