【完結】聖女の在り方

野村にれ

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神託3

 王宮で質問を四人で話し合い、聖女のこと、戦渦のこと、ホーリーの生年月日、可能であれば今後も神託が下りることはあるのか、神罰についても聞いてみようと、優先順位も決めて、翌日の同じ時間になった。

 同じように準備を行い、いくら昨日も目撃をしたとはいえ、慣れることも、緊張が薄まることはなかった。

 ―質問を受けよう、だが、時間は限られる

 時間ピッタリに現れた神の文字に、背筋を伸ばし、レプラが答えた。

「はい、貴重なお時間をありがとうございます。では、恐れながら質問をさせていただきます。現在、セイント王国に聖女、もしくは聖人がいらっしゃるという解釈で合っておりますでしょうか」

 ―そうだ、手紙が届いただろう

「はい、届きました。では、戦渦というのは詳しくお伺いすることはできるのでしょうか」

 ―伝えられる範囲にはなる

「はい、ありがとうございます」

 ―ホーリーが嫁ぎ、サント王国で聖女のような扱いになる、だが他国からホーリーの出生が疑われることになり、そのことで戦争になる、そのせいでセイント王国も巻き込まれる

「っ、そういうことですか。ありがとうございます」

 四人は戦争が起こるではなく、戦渦に巻き込まれると伝えられたことで、そういった意味だったのかと、しっかりと理解した。

「では、リリカがホーリーは1023年3月7日が出生日だと申告しておりますが、正しいのでしょうか」

 ―正しい

「ありがとうございます」

 ―ああ、そうだ、イリア・マリアールはシールド・マリアールの子どもだ、そちらは疑わなくていい

「はい、彼女が聖女ということでよろしいでしょうか」

 ―それには答えないでいよう、本人が明かして欲しくないということだから、誰かは告げない

「しょ、承知いたしました」

 ―父親のことはいいのか?

「まだ調べられておりません」

 ―デリイ王国にいる

「デリイ王国に……エバンジー・ジッソワードは、生きているのでしょうか」

 ―生きている。リリカが消えたカフェの店員だった

「店員……では、そこで出会い、一緒に逃げたのでしょうか」

 ―そうだ、不貞行為は逃げる前からだ

「っな」

 ―他に質問はあるか

「神罰などはあるのでしょうか」

 ―それは答えられない

「承知いたしました、申し訳ございません」

 ―では、終わりだ、また何かあれば聖女から連絡がいくだろう

「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」

 四人は深く頭を下げて、神託は終わったが、なかなか頭を上げられなかった。

「これからは私が動くところだな」

 ギルクは頭を下げたまま告げ、皆もふうと息を吐いて、頭を上げた。

「そうですわね」
「聖女は……イリアがだが、聖女として扱わない方がいいということだろうか」
「そうですね、ですが……イリアも最近、知ったということでしょうか」
「そういうことだろうな」
「ですが、本人は明かして欲しくないということですから、詮索はしないようにいたしましょう」

 記録では手紙もあったが、本人が告げたり、誰かが言伝で知らせたりしたために、聖女は認定されていたが、おそらくされていない者もいるために、絶対ではない。

「そうだな」

 レプラはセイント王国の神官長として、今回のことを記録に残すために教会に留まることになった。

 神託の内容は、人が書き残したりすることはしてはならない。残せないとされており、これまでも内容までは残されていない。

 ただし、どのような経緯で信託が下りたか。神託が下りた日時、誰が聞いたかなど、そういった部分を残すことになる。

 これは今、ギルクやレプラに引き継がれている記録に追加され、歴史的に残ることになり、いずれ子孫や後継者が読むことになるだろう。

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