【完結】聖女の在り方

野村にれ

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最期の面会7

「あなた、本当に不貞行為なんてしたの?リリカが?」

 クーカはリリカが不貞行為を行ったことに、未だに信じられない気持ちでいっぱいであった。

「はい、行いました」
「その人と逃げたっていうの?」
「そうです」
「えっ?逃げてから出会ったのではないの?」

 フーカは一人で逃げて、その後でその平民に会ったのだと思っていた。

「違います。二人で逃げたんです」
「じゃあ、その男に騙されたんでしょう?そうでしょう?」
「そうね」

 騙されただけだとなれば、リリカの罪ではなく、コロゾ子爵家の罪が軽くなるだろうと思い、フーカとクーカは頷き合った。

「違います。騙されてなどいません」
「騙されたのよ!その男はどうなっているの?ちゃんとその男にも責任を取らせないと、こっちのせいだけじゃないわ」
「それは王家がお調べになられていると思います」
「そ、そうなの?」
「はい、当然のことだと思います」

 その言葉に王家が介入し、リリカが騙されていないといい、その平民も同じことを言えば、打つ手ないことに気付き、旗色が悪くなった。

「ホーリーが可哀想だとは思わなかったの!」
「思っております。謝罪をして、生きて欲しいと伝えました」
「イリアだって、これから苦労するわ」
「はい、分かっております」
「何も分かってないわ!私たちだって、平民……嘘でしょ、私も離縁されたら、平民になるの……あんたのせいで、あんたが、逃げなければ」

 自分たちもこれからどうすればいいのか、余っている爵位などあるはずもなく、このままいけばバインダ、クーカ、ジンダは平民となる。

 フーカもこのまま、離縁されれば、同じく平民になる。

「申し訳ございません」
「謝ってもないもならないわ!どうにかしなさいよ!」
「申し訳ございません」
「せめて戻って来なければ、良かったじゃない!死んだことになっていたのに!その方がマシだったわ!」
「はい、そう思います」
「どこかで野垂れ死ぬなりすれば良かったじゃない!何なのよ!」

 冷たい目をした夫に追い出されたフーカは、婚家に戻れるとは思えず、そのまま机に突っ伏した。

 リリカも戻らなければ、伯爵家ではなくなったが、コロゾ子爵家として残っただろうと思っている。

 だが、イライラした、上手くいかなかっただけで、自分が優位に立てる存在だからと、リリカを八つ当たりのはけ口にして、生きて来た四人が自分のせいで落ちぶれることで困っている姿は、胸のすく思いだった。

 これから苦労することなのだろうが、何にも思わなかった。

 四人もリリカのことに興味はなかったが、リリカも離れたことで、四人のことはどうなろうが、興味も亡くなっていることに気付いた。

「お時間はあと10分です」
「っは、はい。何か言いたいことはあるか?」
「もうないわ……」

 フーカは泣いており、それはこれからを悲観する涙であった。

「お前、ざまあみろとでも思っているのか?自分が愛されなかったからって」

 ジンダはどこか開き直っている様子のリリカに、愛されなかったからやり返しているのではないかと思えていた。

「そのようなことは思っておりません」
「お前は、処刑されても、私たちは生きて行かないといけない」
「では、一緒に処刑になってくれるのですか?」
「はあ?」
「何を言っているの!」

 ジンダは驚き、フーカは信じられないと大声を上げた。

「連帯責任だったら、可能性はあるのではありませんか?違うのですか?」
「っな、何だと……」

 バインダはリリカも処刑にまでなるとは思っておらず、強制労働になるくらいだと考えており、まさか連帯責任で処刑などあり得ないことだと思っていた。

 だが、絶対にないとは思えず、処刑になると言いながら、落ち着いているリリカに気味の悪さを感じていた。

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