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【テイラー】妃2
「ちゃ、ん、とおな、じ、けつ、えき、が、たに、してや、ったのだ、から、べつ、に、いい、で、しょ」
「何てメイドだ?」
「わた、し、はくわ、しく、しら、ない。う、ばが、ぜ、んぶ、やって、く、れた」
「乳母の名前は?」
「もー、らー、もう、いな、い、けど」
ロウスは虚ろな目で、腑抜けなような話し方ではあるが、思った以上のことを話していると感じていた。ある意味、爵位の高さによってやり口も巧妙である。
「亡くなったのか?」
「びょ、う、いんにいる」
「どこの病院だ?」
「せん、と、びょ、う、いん」
「すぐに向かわせろ」
「は!」
ドアソア公爵家がどう動くか分からないが、先に手を打たれる前にモーラーという乳母を確保に向かわせた。
「ドアソア公爵家は関わっていないのか?」
「そう、おと、う、さ、まは、ま、じめ、おと、うとも、おな、じ」
「母親は?」
「おか、さま、もし、らない」
「何度、行った?」
「じゅ、っか、いくらい」
「陛下、先程のメイミー・ライグのことを聞いてください」
初めて、テイラーがディオエルに自白剤を使用中に声を掛けた。
「ハウニー妃の侍女であるメイミー・ライグを知っているか?」
「ああ、たぶ、ん、うば、が、だいじょ、うぶか、ため、した、おん、な」
やはり、彼女もアイルーン・デリアの血を輸血されていた。
だが、本人は否定しており、先程のテイラーの質問から、自分もされた様に無理矢理行われたのか、望んで行ったのかを見極めていたのだろう。
そして、彼女は気付いていないのか、了承した上で行ったのかのどちらかである。
「何度、試した?」
「た、しか、にか、い、だ、ったかな」
「記録は残しているか?」
「わ、た、しは、し、らない」
乳母のモーラーが、ロウスの望みを叶えていたのだろう。
「テイラー嬢、他に聞きたいことはあるか?」
「直接、訊ねてもいいのですか?」
「ああ、構わない」
ディオエルは了承しながらも、実行犯たちには一切問うことはなかったのに、ロウスには何か聞きたいことがあるのかと、少し緊張した。
「ロウス妃、これから彼女が質問するから答えなさい」
「だ、れよ」
「質問に答えればいい」
時間も限られていることから、テイラーのことを説明する時間はない。
「そんなに皇帝陛下の子どもを妊娠したかったですか?」
「そう、よ。あた、り、まえ、せい、ひに、なり、た、かった」
ロウスは正妃になりたかった。だからこそ、妊娠して、子どもを産むことは不可欠であった。
ローズミーのことは、寵妃だと名ばかりであることも気付いていた。だから、勘違い女だとしか思っていなかった。
「番が妊娠してどう思いました?」
「くや、し、かった」
「死んで欲しいと思いましたか?」
「そん、な、こと、はな、い。つが、い、に、なに、かあれば、へい、かに、えい、きょ、うがある」
アイルーンのためではないが、アイルーンが考えていたこととと同じで、テイラーは納得した。
「では、ローズミーが妊娠してどう思いましたか?」
「もっと、くや、し、か、った。あ、んな、ばか、に、こど、もな、んて」
「ローズミーにあなたは何かしましたか?」
「して、ない。なに、か、あれば、け、せば、いい、もの」
皆にはギョッとする答えだったが、ロウスにとっては当然のことであり、ディオエルもそうだろうなと思い、テイラーもその言葉には納得した。
イオリクはローズミーがそんな風に思われていたことに驚いたが、公爵家の力を使えば簡単だろうとも思った。そして、ロウスは否定したが、もしかしたらローズミーの今の状態は、誰かに何かされたのではないかと考えるようになっていた。
「疑似番は失敗していると知らなかったのですか?」
「し、ってる。でも、わ、たしは、ち、がうか、ら」
「何てメイドだ?」
「わた、し、はくわ、しく、しら、ない。う、ばが、ぜ、んぶ、やって、く、れた」
「乳母の名前は?」
「もー、らー、もう、いな、い、けど」
ロウスは虚ろな目で、腑抜けなような話し方ではあるが、思った以上のことを話していると感じていた。ある意味、爵位の高さによってやり口も巧妙である。
「亡くなったのか?」
「びょ、う、いんにいる」
「どこの病院だ?」
「せん、と、びょ、う、いん」
「すぐに向かわせろ」
「は!」
ドアソア公爵家がどう動くか分からないが、先に手を打たれる前にモーラーという乳母を確保に向かわせた。
「ドアソア公爵家は関わっていないのか?」
「そう、おと、う、さ、まは、ま、じめ、おと、うとも、おな、じ」
「母親は?」
「おか、さま、もし、らない」
「何度、行った?」
「じゅ、っか、いくらい」
「陛下、先程のメイミー・ライグのことを聞いてください」
初めて、テイラーがディオエルに自白剤を使用中に声を掛けた。
「ハウニー妃の侍女であるメイミー・ライグを知っているか?」
「ああ、たぶ、ん、うば、が、だいじょ、うぶか、ため、した、おん、な」
やはり、彼女もアイルーン・デリアの血を輸血されていた。
だが、本人は否定しており、先程のテイラーの質問から、自分もされた様に無理矢理行われたのか、望んで行ったのかを見極めていたのだろう。
そして、彼女は気付いていないのか、了承した上で行ったのかのどちらかである。
「何度、試した?」
「た、しか、にか、い、だ、ったかな」
「記録は残しているか?」
「わ、た、しは、し、らない」
乳母のモーラーが、ロウスの望みを叶えていたのだろう。
「テイラー嬢、他に聞きたいことはあるか?」
「直接、訊ねてもいいのですか?」
「ああ、構わない」
ディオエルは了承しながらも、実行犯たちには一切問うことはなかったのに、ロウスには何か聞きたいことがあるのかと、少し緊張した。
「ロウス妃、これから彼女が質問するから答えなさい」
「だ、れよ」
「質問に答えればいい」
時間も限られていることから、テイラーのことを説明する時間はない。
「そんなに皇帝陛下の子どもを妊娠したかったですか?」
「そう、よ。あた、り、まえ、せい、ひに、なり、た、かった」
ロウスは正妃になりたかった。だからこそ、妊娠して、子どもを産むことは不可欠であった。
ローズミーのことは、寵妃だと名ばかりであることも気付いていた。だから、勘違い女だとしか思っていなかった。
「番が妊娠してどう思いました?」
「くや、し、かった」
「死んで欲しいと思いましたか?」
「そん、な、こと、はな、い。つが、い、に、なに、かあれば、へい、かに、えい、きょ、うがある」
アイルーンのためではないが、アイルーンが考えていたこととと同じで、テイラーは納得した。
「では、ローズミーが妊娠してどう思いましたか?」
「もっと、くや、し、か、った。あ、んな、ばか、に、こど、もな、んて」
「ローズミーにあなたは何かしましたか?」
「して、ない。なに、か、あれば、け、せば、いい、もの」
皆にはギョッとする答えだったが、ロウスにとっては当然のことであり、ディオエルもそうだろうなと思い、テイラーもその言葉には納得した。
イオリクはローズミーがそんな風に思われていたことに驚いたが、公爵家の力を使えば簡単だろうとも思った。そして、ロウスは否定したが、もしかしたらローズミーの今の状態は、誰かに何かされたのではないかと考えるようになっていた。
「疑似番は失敗していると知らなかったのですか?」
「し、ってる。でも、わ、たしは、ち、がうか、ら」
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