【完結】愛しくない、あなた

野村にれ

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【テイラー】ミリオン王国7

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「え、あの、そうではありません。言い方が悪かったのかもしれませんが、私は陛下のためを思って申したに過ぎません…」
「私がいいと言っているのにか?」
「それは…」
「彼女も望んでいるなどを嘘を言い、どういうつもりだ?」

 先程は嘘であることは明らかであるために、指摘しなかったが、軽んじている様子に苛立っていた。

「嘘ではありません!」
「王妃、デリア侯爵、嘘であろう?」
「私はそのようなことは一度も聞いておりません」
「私もでございます」

 二人を睨み付けたが、この場で押し進めようとしているのはギリシスだけで、味方などいない。

「無理強いをするのならば、こちらも相応の対応をさせて貰う」
「…な」
「当然ではないか、二度も彼女を苦しめたくない」
「ですが、彼女もいい生活が送れるのですよ?」
「私が言えた義理ではないが、アイルーンの暮らしを知っている彼女が、竜帝国の暮らしをいい暮らしだと言えると思っているのか?」

 ギリシスにもアイルーンがどのように暮らしていたかは、事細かではないが、知らせてある。だが、そのようなことも、覚えていなかったのである。

「平民ではなくなり、働くこともないではありませんか」
「そなたは自分の価値で、自分の視点でしか、考えられないのだな…考えを改めた方がいい」
「ーっ」

 ギリシスの言葉はお金のために娘を無理に嫁がせるような台詞は、国王としては、あまりに薄っぺらい考えにしか思えなかった。

 生きていくのに困っているのならば、もしかしたら手を伸ばしたかもしれないが、現状に不満のない彼女には全く魅力のない話だろう。

「そもそも、なぜそなたに判断されなければならない?私のためではなく、彼女を嫁がせて、アイルーン・デリアの代わりにしようとしているのだろう?目的はなんだ?金か?援助か?」
「いいえ!そのようなことは…代わりなどとも思っておりません…」

 ギリシスは全て図星であり、それでも認めるべきではないと否定をしたが、口にしていないだけで、今までの言葉がそう言っているも同然であった。

 まだどうにかなるとは思っているのは、ギリシスだけであった。

「いや、そなたは思っている。アイルーン嬢は駄目だったが、今度はテイラー嬢を嫁がせればいい。今度は上手くいくなどと思っているのではないか?」
「…ですが、彼女は同じ魂を持つものではありませんか」
「だから何だ?」
「…」

 臣下ではないために、殺気こそ放たれなかったが、睨み付けられたギリシスは、ビリビリと感じて黙り込んだ。

「ならば、そなたは毎日暗殺者に狙われる生活を送れるのだな?」
「……えっ、暗殺者ですか?え、どうして…」
「テイラー嬢にとっては、自分が殺された場所で、犯人は罰されたが、知っている者もいる状態だ。もしかしたら、恨みに思っている者がおり、また害されるかもしれないと思っても、無理はないではないか」
「それならば、こちらで侍女や護衛を用意させていただければ、問題ありません!」

 ギリシスは考えていたことを言うチャンスとばかりに、力強く訴えたが、イオリク以外の者はそういう意味ではないと思ったが、気付くこともない。

 シュアリアもエレサーレも、さすがに口を挟むことは出来ず、渋い顔だけはしながら、成り行きを見守るしかなかった。

「ならば、手配しよう。それで、私は出来るということを証明してくれ。話はそれからだな」
「…冗談ですよね?」
「冗談なわけがないだろう!そなたが言っているのは、そのような環境に身を置くということだろうが!」

 ギリシスとイオリク以外は、深く頷いており、ディオエルはちゃんと反省し、テイラーのことを考えていると、ギリシスの好感度が急降下していると同時に、ディオエルの好感度は上がっていた。
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