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気持ち
「ベルブルー伯爵家のロミさん?」
「忘れなさい、彼女の気持ちを聞いてからだ」
「でも、運命は一回だけですよ?」
長寿でもない種族は運命に出会えるのは、生きている内の一回だけと言われており、これを諦めればエドワースは運命と結婚することはできない。
出会う相手のいない者もいるが、いるはずなのに出会えない者もいる中、出会えただけでも幸運だと言える。
「彼女は私に何も感じていなかったんだ」
「それって」
「望んでいない再会だったのかもしれない。恋人もいると言っていたんだ」
「それは……」
「分かっただろう?黙って、忘れなさい」
「はい……」
さすがに拒絶されているかもしれないことから、デイルースもそれ以上は何も言えなかった。
どうにかこっそりと会う約束をして、目立たぬ場所で話をしようと思っていた矢先、どのような人物なのか興味を持ってしまったデイルースのせいで、両親に知られることになってしまった。
「どういうことだ?」
「どうして言ってくれなかったの?」
両親はこんな大事なことをすぐに言わないなんてと顔に書かれており、ここで認めないこともできないために否定することはしなかった。
「恋人がいるそうですから、彼女の気持ちを聞いてからと思っておりましたので」
「恋人が?」
「でも、もう別れているって聞きました」
「デイ、忘れろと言っただろう」
調査書にも書かれ、デイルースも周りに聞いたのかとは思ったが、今は伝えないで欲しかった。
「気になるじゃないですか、そうしたら画家志望でアニノー王国に行ったきりなんでしょう?筆不精だから手紙も彼女が一方的に送っているだけじゃないかって言われていましたよ」
「そうなのか?」
「恋人よりも夢を取ったんですよ、芸術家なのですから」
芸術家と付き合うのは難しく、相手は苦労すると言われている。帰ってこなくなったり、愛人を作ったり、パトロンと関係を持ったり、評判は良くない。
それでも売れればいいが、売れなければ誰かが支えなくてはならない。
ミグリン伯爵家もあることから、ロミが支えているわけではないだろうが、お金を送ったりもしているのかもしれない。
「だったら、婚約を申し込もう」
「待ってください」
「待ってられませんよ!」
「そうですよ!ロミ嬢を実は狙っていたという令息も多かったそうですよ」
「っな!」
華美にしていなかっただけで、見ている人は見ている。それでも無理矢理に婚約をするようなことがなかったのは、家のこともだが、ナインのことも抑止力になっていたのだろう。
「調査もしたのでしょう?問題があったの?」
デイルースは調査書のことも話したのかと、溜息をついた。
「ありませんが、彼女は私に何も感じていないと言ったんです」
「そ、それは」
父親は言葉に詰まり、可哀想にという視線であったが、母親は冷静であった。
「恋人がいるからそう言ったんじゃないの?」
「そうですよ!」
両親もデイルースも早くしなくてはと、エドワースも止めることはできなかった。
あれよあれよと、翌日には両親はベルブルー伯爵家に婚約の申し込みに向かってしまった。伯爵はロミのことなど考えてもいなかったことから、有難い申し出だとすぐさま受けようとした。
ロミの上に二人の姉がいたが、一人は結婚して出て行き、一人は遠くに働きに出ているために邸にはいなかった。
だが、夫人はナインの存在を知っており、口を挟もうとした。
「お前は黙っていろ!運命なのだぞ」
「ですが」
「恋人がいらっしゃることは聞いております」
「恋人?そうなのか?」
夫人は頷いており、伯爵は眉間に皺を寄せた。
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本日もお読みいただきありがとうございます。
本日は1日2回、投稿させていただきます。
次はいつもの17時です。
どうぞよろしくお願いいたします。
「忘れなさい、彼女の気持ちを聞いてからだ」
「でも、運命は一回だけですよ?」
長寿でもない種族は運命に出会えるのは、生きている内の一回だけと言われており、これを諦めればエドワースは運命と結婚することはできない。
出会う相手のいない者もいるが、いるはずなのに出会えない者もいる中、出会えただけでも幸運だと言える。
「彼女は私に何も感じていなかったんだ」
「それって」
「望んでいない再会だったのかもしれない。恋人もいると言っていたんだ」
「それは……」
「分かっただろう?黙って、忘れなさい」
「はい……」
さすがに拒絶されているかもしれないことから、デイルースもそれ以上は何も言えなかった。
どうにかこっそりと会う約束をして、目立たぬ場所で話をしようと思っていた矢先、どのような人物なのか興味を持ってしまったデイルースのせいで、両親に知られることになってしまった。
「どういうことだ?」
「どうして言ってくれなかったの?」
両親はこんな大事なことをすぐに言わないなんてと顔に書かれており、ここで認めないこともできないために否定することはしなかった。
「恋人がいるそうですから、彼女の気持ちを聞いてからと思っておりましたので」
「恋人が?」
「でも、もう別れているって聞きました」
「デイ、忘れろと言っただろう」
調査書にも書かれ、デイルースも周りに聞いたのかとは思ったが、今は伝えないで欲しかった。
「気になるじゃないですか、そうしたら画家志望でアニノー王国に行ったきりなんでしょう?筆不精だから手紙も彼女が一方的に送っているだけじゃないかって言われていましたよ」
「そうなのか?」
「恋人よりも夢を取ったんですよ、芸術家なのですから」
芸術家と付き合うのは難しく、相手は苦労すると言われている。帰ってこなくなったり、愛人を作ったり、パトロンと関係を持ったり、評判は良くない。
それでも売れればいいが、売れなければ誰かが支えなくてはならない。
ミグリン伯爵家もあることから、ロミが支えているわけではないだろうが、お金を送ったりもしているのかもしれない。
「だったら、婚約を申し込もう」
「待ってください」
「待ってられませんよ!」
「そうですよ!ロミ嬢を実は狙っていたという令息も多かったそうですよ」
「っな!」
華美にしていなかっただけで、見ている人は見ている。それでも無理矢理に婚約をするようなことがなかったのは、家のこともだが、ナインのことも抑止力になっていたのだろう。
「調査もしたのでしょう?問題があったの?」
デイルースは調査書のことも話したのかと、溜息をついた。
「ありませんが、彼女は私に何も感じていないと言ったんです」
「そ、それは」
父親は言葉に詰まり、可哀想にという視線であったが、母親は冷静であった。
「恋人がいるからそう言ったんじゃないの?」
「そうですよ!」
両親もデイルースも早くしなくてはと、エドワースも止めることはできなかった。
あれよあれよと、翌日には両親はベルブルー伯爵家に婚約の申し込みに向かってしまった。伯爵はロミのことなど考えてもいなかったことから、有難い申し出だとすぐさま受けようとした。
ロミの上に二人の姉がいたが、一人は結婚して出て行き、一人は遠くに働きに出ているために邸にはいなかった。
だが、夫人はナインの存在を知っており、口を挟もうとした。
「お前は黙っていろ!運命なのだぞ」
「ですが」
「恋人がいらっしゃることは聞いております」
「恋人?そうなのか?」
夫人は頷いており、伯爵は眉間に皺を寄せた。
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本日は1日2回、投稿させていただきます。
次はいつもの17時です。
どうぞよろしくお願いいたします。
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