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婚約1
「きちんと話をされてからの方がいいと、私どもも思っております。後から問題になってはよろしくありませんから」
「そうですね、承知しました。こちらでお話をしておきましょう」
ベルブルー伯爵は誰かは知らないが、エレット公爵家よりもいい家ではないだろう。息子のためにも、ロミが公爵家に嫁げば、助けになると考えてほくそ笑んだ。
夫人に誰なのかを聞いた伯爵は男爵家くらいだろうと思っていたために同じ伯爵家には驚いたが、ミグリン伯爵家に話に向かった。
「そうですか、ロミ嬢に縁談が……」
ミグリン伯爵夫妻はロミとも親しくしており、顔を見合わせて表情を曇らせた。
あんなナインを好いてくれて有り難い、いずれは二人が結婚したら、せめて家や家具などを用意しようと考えていた。
「話を聞けば、留学したまま帰って来ていないそうではありませんか」
「はい、その通りです……」
ロミは時折、手土産を持って顔を出してくれているが、ナインから連絡はないと言っていた。それでも忙しいのだろうと微笑んでいた。
私たちもナインに連絡をしているが、当然のように返事はない。
「連絡も取っていないとか」
二人の妹、使用人にロミのことを聞くと恋人のことを知っており、画家を目指して留学をしており、最近は連絡も取っていないことも突き止めていた。
「はい……」
「そちらの子息もロミのことなど、どうでもいいのではありませんか」
「そのようなことはないです。ふたりはとても仲が良かったですから、ロミ嬢もよく顔を出してくれております」
「それでも連絡も、帰ってくる様子もないのですよね?」
嫡男でもなく、画家を目指してなんて、公爵令息と比べるまでもない。
だが、婚約をしていないとはいえ、同じ伯爵家であるために穏便に済ませようとは思っていた。
「お恥ずかしながら、夢中になる質ですので」
きっと食べることや寝ることも忘れて、絵を描いているのだろうと考えている。両親もロミも体は心配だが、それでいいと考えていた。
「そうですか。ですが婚約の相手はエレット公爵家です。こちらからは断れませんから、嫁がせようと思っております」
「そうですか……」
「ロミが待っていない方が、子息も留学に集中ができて、気が楽になるのではありませんか?」
「ロミ嬢は何とおっしゃっているのでしょうか」
「娘も理解しておりますよ」
さすがにロミも喜んでいると言わなかったのは、無自覚だったが、信憑性があっただろう。
「そうですか、承知しました」
連絡をしないナインが悪く、きちんと婚約もナインもロミも望まなかったことからしていなかった。何の拘束力もない恋人関係を今さら後悔することになった。
しかも、エレット公爵家ともなれば断れる縁談ではなく、婚約していても、発生していたのはお金くらいだろうことは理解せざる得なかった。
ナインにはアニノー王国に行って伝えるしかないだろう。後悔しても連絡をしなかったナインが悪い、本人にもさすがに自覚があるだろう。
「息子には伝えておきます。ロミ嬢にありがとうございました、幸せになって欲しいとお伝えください」
「分かりました、ではそのようにしていただけると助かります」
伯爵はロミはおろか、娘の婚約をした覚えもなかったために、これで簡単だったなと考えながら、邸に戻ってすぐにエレット公爵家に話が付いたこと、婚約を受け入れる手紙を書いて送った。
しかも、ロミには何も伝えられることはなく、反発したら面倒だからという理由で婚約のことも口止めをし、その間にエレット公爵家とベルブルー伯爵家の間で婚約は成立しようとしていた。
エレット公爵家に招かれたベルブルー伯爵は、娘の婚約というよりも息子が困った時にこれで助けてくれる家が増えたとしか考えていなかった。
「そうですね、承知しました。こちらでお話をしておきましょう」
ベルブルー伯爵は誰かは知らないが、エレット公爵家よりもいい家ではないだろう。息子のためにも、ロミが公爵家に嫁げば、助けになると考えてほくそ笑んだ。
夫人に誰なのかを聞いた伯爵は男爵家くらいだろうと思っていたために同じ伯爵家には驚いたが、ミグリン伯爵家に話に向かった。
「そうですか、ロミ嬢に縁談が……」
ミグリン伯爵夫妻はロミとも親しくしており、顔を見合わせて表情を曇らせた。
あんなナインを好いてくれて有り難い、いずれは二人が結婚したら、せめて家や家具などを用意しようと考えていた。
「話を聞けば、留学したまま帰って来ていないそうではありませんか」
「はい、その通りです……」
ロミは時折、手土産を持って顔を出してくれているが、ナインから連絡はないと言っていた。それでも忙しいのだろうと微笑んでいた。
私たちもナインに連絡をしているが、当然のように返事はない。
「連絡も取っていないとか」
二人の妹、使用人にロミのことを聞くと恋人のことを知っており、画家を目指して留学をしており、最近は連絡も取っていないことも突き止めていた。
「はい……」
「そちらの子息もロミのことなど、どうでもいいのではありませんか」
「そのようなことはないです。ふたりはとても仲が良かったですから、ロミ嬢もよく顔を出してくれております」
「それでも連絡も、帰ってくる様子もないのですよね?」
嫡男でもなく、画家を目指してなんて、公爵令息と比べるまでもない。
だが、婚約をしていないとはいえ、同じ伯爵家であるために穏便に済ませようとは思っていた。
「お恥ずかしながら、夢中になる質ですので」
きっと食べることや寝ることも忘れて、絵を描いているのだろうと考えている。両親もロミも体は心配だが、それでいいと考えていた。
「そうですか。ですが婚約の相手はエレット公爵家です。こちらからは断れませんから、嫁がせようと思っております」
「そうですか……」
「ロミが待っていない方が、子息も留学に集中ができて、気が楽になるのではありませんか?」
「ロミ嬢は何とおっしゃっているのでしょうか」
「娘も理解しておりますよ」
さすがにロミも喜んでいると言わなかったのは、無自覚だったが、信憑性があっただろう。
「そうですか、承知しました」
連絡をしないナインが悪く、きちんと婚約もナインもロミも望まなかったことからしていなかった。何の拘束力もない恋人関係を今さら後悔することになった。
しかも、エレット公爵家ともなれば断れる縁談ではなく、婚約していても、発生していたのはお金くらいだろうことは理解せざる得なかった。
ナインにはアニノー王国に行って伝えるしかないだろう。後悔しても連絡をしなかったナインが悪い、本人にもさすがに自覚があるだろう。
「息子には伝えておきます。ロミ嬢にありがとうございました、幸せになって欲しいとお伝えください」
「分かりました、ではそのようにしていただけると助かります」
伯爵はロミはおろか、娘の婚約をした覚えもなかったために、これで簡単だったなと考えながら、邸に戻ってすぐにエレット公爵家に話が付いたこと、婚約を受け入れる手紙を書いて送った。
しかも、ロミには何も伝えられることはなく、反発したら面倒だからという理由で婚約のことも口止めをし、その間にエレット公爵家とベルブルー伯爵家の間で婚約は成立しようとしていた。
エレット公爵家に招かれたベルブルー伯爵は、娘の婚約というよりも息子が困った時にこれで助けてくれる家が増えたとしか考えていなかった。
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