【完結】私は運命なのですか

野村にれ

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結婚1

「君は感じていないのかもしれないが、私はそのように感じている」
「そうですか……私には分からず申し訳ありません」

 ロミは唇を噛み締めながら、頭を下げた。

「謝ることではない。君のせいではないだろう?むしろ、私の事情だろう。私が怖いか?もう許可なく抱き着いたりはしない」

 この前のこともあるだろうが、いくらロミが背が高い方でも身体も大きいことから怖いと感じているのかと考えた。

「お話したこともない方なので……どう話をしたらいいか分からず、ご不快に思われたのならば失礼いたしました」
「ゆっくりでいいので、慣れてくれるとありがたい」
「はい、努力いたします」

 身分差も年齢差もあり、婚約が決まって初めて話すロミは何の問題もない受け答えではあるのだが、エドワースはどこか納得できない気持ちになってた。

 きっと運命というものに幻想を抱いていないつもりだったが、もっとロマンティックに考えていた差だろう。

「仕事は大丈夫か?」
「はい、来月で辞めることになりました」
「メイドを続けるのは難しいと思うが、翻訳の方は君がしたいのなら、考えることはできる」
「はい、ありがとうございます」

 ロミはセルリッツ侯爵家のメイドを来月末で辞め、それからは結婚式の準備とエレット公爵家に慣れてもらうために通うことになった。

 メイド、翻訳もしていたように礼儀作法や学力は申し分なく、伯爵家から公爵家に嫁ぐことは珍しいことではないために身分差は影響はなかった。

 特に夫人はロミのドレスを選んだり、お化粧を考えたりと、結婚式を指折り楽しみにしていた。

 ただ、エドワースとロミはお茶の時間を取ったり、出掛けたりもしたが、ロミが慣れることはなく距離はなかなか縮まることはなかった。

 元より大人しい女性なのだろうと、エドワースもおしゃべりではないために、会話は弾まない。おかげでジストがしゃべり続けていたことすらある。

 それはエドワースが始めから失敗を犯したことで遠慮もあり、なかなか緊張が抜けないロミに、初々しいと言えばそうなのだが、気安い関係にはなれないまま、二人は結婚式を迎えた。

 公爵夫人の見立てでロミは素材が良かったこともあり、ロミは美しく変貌を遂げたのようなウエディングドレスに身を包んだ。その姿にエドワースは誰にも見せたくないと思ったほどだった。

 ロミとナインのことは同級生や友人には有名だったために、ナインと別れてエドワースと結婚することに驚かれはしたが、帰ってこないナインに仕方ない、これで良かったのだろうと、周りには異を唱える者はいなかった。

 家族も父親は上機嫌で、母親も応援し、姉二人も結婚式に参列し、ロミを祝った。妹二人はロミを羨ましがり、私にも運命が現れますようにと願うようになった。

 嫡男である弟も時期当主として、姉の結婚を喜んだ。

 エレット公爵家側も家族はロミを歓迎し、親族も丁度いい相手ではないかベルブルー伯爵家を評価していた。

 エドワースに憧れていた令嬢たちも運命だと聞けば、諦めざる得ない。それでも急に現れたようなあまり目立たないロミにいい印象を持たないのも事実だったが、悔しいと思うばかりだった。

 エドワースとロミは結婚式も初夜も無事に終え、ふたりは夫婦として歩むようになった。

 周りから見れば、初々しい新婚のふたりは夫婦になって少しずつ距離を縮めていき、ロミはエドワースの妻として、エレット公爵家に相応しいようにと努力を重ね、エドワースも騎士の仕事もあるために多忙だが、休みの日は必ずロミとふたりで出掛けたり、一緒に過ごした。

 運命に沿うように、ふたりは夫婦になっていった。

 ロミの元へはベルブルー伯爵家で居心地の悪い妹たちはよくやって来て、姉たちも時折ではあるが訪れることもあった。

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