【完結】私は運命なのですか

野村にれ

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従順

「寮が空きそうだから、二人で住むことにしたの」
「広い寮なの?」
「そうそう、家族向けでもあるのだけど、姉妹でも住めるんですって」

 一人ずつの寮もあるが、エイクはライアだけを残すのは忍びなく、一年だけならと邸に残ることにした。

「姉妹も家族だものね、いいじゃない。楽しそう」
「でしょう?」
「まずはあの家を出ないと始まらないからね。エイク姉様には申し訳ないと思っていたのよ」
「そんなこと気にしなくていいわ」

 ライアも婚約者もできず、今は邸から通ってくれている姉と住むように寮を申し込んでいた。そして、空きが出るということで、一緒に住まないかと持ち掛けた。

「それが一番ね」
「お母様は一人残されるけど、まあ仕方ないということで」
「あの邸はお父様とマシューの邸だもの、仕方ないわよ」

 ベルブルー伯爵家は父親とマシューが言うことが最優先である。母も娘たちも同居人でしかない。

「お母様も嫌なら実家にでも帰ったらいいのよ」
「そうね」

 嫌ならば逃げる場所はある、留まっているのは母の意思だと思っている。

「お父様には言ったの?」
「ええ、言ったけど、興味がないのだから、いつもの通りよ」
「そう」

 エイクとライアが二人で一緒だから安心などという考えはなく、姉たちが出て行くのも止めることはなく、妹たちも同じであった。

 ロミだけは相手が相手ということで、それなりのことはしてくれたが、それも長い目で見ればマシューのためである。

 エイクとライアが寮に住むことになったことは、エドワースも聞くことになり、結婚する時に邸を出ることが当然だと思っていた。だが、次姉は仕事で出ていると聞いていたために、驚くことはなかった。

「御父上は許可したのか?」
「ええ、拒否する理由がありませんから。喜んで出すと思いますよ」
「本当に弟君のことしか考えていないのだな」

 ベルブルー伯爵は何かあった時は助けて欲しいようなことは言っていたが、エレット公爵家に対して、何か要求するようなことはない。

 お金にも困っていないこともあるが、娘にはお金は使いたくはないのだろう。

 エドワースも生まれたのは息子だったが、これが娘だったとしても何かが変わるとは思えない。

「父にとって子どもはマシューだけですから」
「だがな」
「気にしないでください。あの子たちも部署は違うでしょうけど、同じ職場で、一緒に住むのなら安心ですから」
「それはそうだが……」

 ベルブルー伯爵のことは理解できなかったが、この話でエドワースはロミに意思がないことは、間違いだったとも分かった。

 王宮で働くエイクのことは義妹をよろしくお願いいたしますと話をしていたが、ライアについても同じように話をしておいた。

 伯爵家であることから馬鹿にされるようなことはないとは思うが、これでエレット公爵家も義妹たちのこと大事に思っていることを示すことはできる。

 だからと言って義妹たちが偉そうに振舞うような性格ではないことも、エドワースもよく知っていた。

 その後、エドワースとロミの間には第二子ミズリーも生まれて、ますます賑やかになって、夫婦仲も家族としても、エドワースにとって理想のような姿になっていた。

 忘却の儀式のことを忘れることもあったが、大丈夫だろうかと思うことはあったが、ロミは子どもたちの良き母で、エレット次期公爵夫人としても申し分ない。

 エレット公爵家もデイルースも結婚し、ベルブルー伯爵家も二女であるクリスも同僚と結婚をして、エイクとライアも結婚して、マシューも父親の気に入った相手と結婚した。

 運命と結婚はエドワースとロミだけであったが、それでも色々あっても、それぞれが家族を持ち、何の問題もなかった。

 だが、ある夜に事態は一変することになった。


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本日もお読みいただきありがとうございます。

こちらの作品は来週には最終回を迎える予定です。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。

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