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愛してはいけない人
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フルヴィア皇太子妃はレイラはまずは公爵邸に慣れるべきだと、刺激しないように距離を取っていたため、久しぶりに会ったが、にこやかに笑うレイラに驚いた。
「おめでとう。順調だと聞いているわ」
「そのようです」
「母国には知らせていないから安心して頂戴。黙っていたからって問題になることはないわ」
「ありがとうございます」
「お茶を持って来たの。妊婦でも大丈夫ということだから、口に合うなら飲んでみて頂戴」
「ありがとうございます」
フルヴィアはケーキを見ることも出来ないことはクノルから聞いているので、ケーキやお菓子は持って来ていない。
お茶も妊婦でも影響がなく、甘みのない商品を、ちょうど姉が妊娠中だという侍女に買いに行かせ、買い物からフルヴィアが妊娠したと思われるのも、レイラの妊娠もまだ一部にしか知らされていないため、最大限の注意を払って、邸にやって来た。
「飲めそうです」
「それは良かったわ」
レイラは食事を美味しいと思っていないだろうことも聞いていた。栄養を取っているだけだという。お茶も飲めるか、飲めないかであって、好みなどは関係ない。
フルヴィアはレイラの大きなお腹を見て、やはり羨ましいと思った。
このままだと側妃を娶ることになるだろう。分かってはおり、理解もしていたが、共に過ごす内に情は生まれる。
「羨ましいとは言ってはいけないんでしょうけど、やっぱり番って特別なのねって思ってしまったの。あなたを責めているわけではないのよ」
「そうですか…」
「私も母国からは嫁ぐ時には感謝されたのに、最近は子どもが出来ないことをネチネチ聞いて来るの。嫌になっちゃうわ」
本当は女は子どもを産ませる道具だと言いそうになったが、レイラにぶつけていい言葉ではないと、慌ててかき消した。
フルヴィアは、母国からは子どもはまだなのかと問われている。妊娠しやすくなると、それこそお茶や、こういった物を食べたらいいと、子どものことは母国でも理解してあり、側妃を娶ることになっても、変わらないと決まっていたはずが、やはり子どもが出来ることで、強固なものにしたいのだろう。
王女として理解は出来るが、だからといって妊娠するものでもない。
キア皇国の方が『番ではないのだから』と寛容ですらある、だがそれもずっとというわけにはいかない。
ひとりでいい、レイラのように妊娠したい。
妊婦の側にいると、伝染するということを聞いたことがあった。是非、伝染して私の元へ子どもが来てくれないだろうか。
「悪阻はどうだった?」
「ほとんどなかったようです」
「そうなの!人によっては酷いと言うから良かったわ」
「はい」
「何か必要なものがあったら、言って頂戴」
「ありがとうございます。おそらく、準備してくれていると思います」
クノルが準備していると言っていたので、大丈夫だろう。生まれれば、妹君にも知らされて、母国から送って貰えばいいから、私の出る幕はないだろう。
レイラとは王宮で会ったのが最後だが、明らかに顔が違う。何か問題があってはいけないと、最初は監視をもさせていたが、やはり結婚を勧めて良かったと思った。
あのまま、修道院に入っていたら、こんな顔は見られなかっただろう。
「レイラ嬢は、表情も明るくなって、驚いてしまったたわ」
「そうでしょうか?」
「ええ、もし私にも子どもが出来たら、一緒に遊ばせましょうね」
「是非遊んでやってください」
「母になると違うのね」
レイラはキョトンとした顔をしており、フルヴィアはもしかしたら、まだ自分では自覚がないのかもしれないと微笑ましく思った。
この時、問いただせていたら、何か違ったのかもしれない。
「おめでとう。順調だと聞いているわ」
「そのようです」
「母国には知らせていないから安心して頂戴。黙っていたからって問題になることはないわ」
「ありがとうございます」
「お茶を持って来たの。妊婦でも大丈夫ということだから、口に合うなら飲んでみて頂戴」
「ありがとうございます」
フルヴィアはケーキを見ることも出来ないことはクノルから聞いているので、ケーキやお菓子は持って来ていない。
お茶も妊婦でも影響がなく、甘みのない商品を、ちょうど姉が妊娠中だという侍女に買いに行かせ、買い物からフルヴィアが妊娠したと思われるのも、レイラの妊娠もまだ一部にしか知らされていないため、最大限の注意を払って、邸にやって来た。
「飲めそうです」
「それは良かったわ」
レイラは食事を美味しいと思っていないだろうことも聞いていた。栄養を取っているだけだという。お茶も飲めるか、飲めないかであって、好みなどは関係ない。
フルヴィアはレイラの大きなお腹を見て、やはり羨ましいと思った。
このままだと側妃を娶ることになるだろう。分かってはおり、理解もしていたが、共に過ごす内に情は生まれる。
「羨ましいとは言ってはいけないんでしょうけど、やっぱり番って特別なのねって思ってしまったの。あなたを責めているわけではないのよ」
「そうですか…」
「私も母国からは嫁ぐ時には感謝されたのに、最近は子どもが出来ないことをネチネチ聞いて来るの。嫌になっちゃうわ」
本当は女は子どもを産ませる道具だと言いそうになったが、レイラにぶつけていい言葉ではないと、慌ててかき消した。
フルヴィアは、母国からは子どもはまだなのかと問われている。妊娠しやすくなると、それこそお茶や、こういった物を食べたらいいと、子どものことは母国でも理解してあり、側妃を娶ることになっても、変わらないと決まっていたはずが、やはり子どもが出来ることで、強固なものにしたいのだろう。
王女として理解は出来るが、だからといって妊娠するものでもない。
キア皇国の方が『番ではないのだから』と寛容ですらある、だがそれもずっとというわけにはいかない。
ひとりでいい、レイラのように妊娠したい。
妊婦の側にいると、伝染するということを聞いたことがあった。是非、伝染して私の元へ子どもが来てくれないだろうか。
「悪阻はどうだった?」
「ほとんどなかったようです」
「そうなの!人によっては酷いと言うから良かったわ」
「はい」
「何か必要なものがあったら、言って頂戴」
「ありがとうございます。おそらく、準備してくれていると思います」
クノルが準備していると言っていたので、大丈夫だろう。生まれれば、妹君にも知らされて、母国から送って貰えばいいから、私の出る幕はないだろう。
レイラとは王宮で会ったのが最後だが、明らかに顔が違う。何か問題があってはいけないと、最初は監視をもさせていたが、やはり結婚を勧めて良かったと思った。
あのまま、修道院に入っていたら、こんな顔は見られなかっただろう。
「レイラ嬢は、表情も明るくなって、驚いてしまったたわ」
「そうでしょうか?」
「ええ、もし私にも子どもが出来たら、一緒に遊ばせましょうね」
「是非遊んでやってください」
「母になると違うのね」
レイラはキョトンとした顔をしており、フルヴィアはもしかしたら、まだ自分では自覚がないのかもしれないと微笑ましく思った。
この時、問いただせていたら、何か違ったのかもしれない。
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