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チェルシーは姿絵の納品に商会を訪れると、キャローズのおかしな言動について、ベイクに伝えることにした。
「私が着たら有名になれると思うんです…?」
「驚いてしまったの!もしかしたらシトリンのことを、知っているのかと、探ってみたのだけど…」
「だけど?」
ベイクはまだシトリンの人気が話題になるほど達していると思えず、話の続きを催促するように合いの手を入れた。
「私は目を引くみたいなんです。だからそんな私が着たら、妹さんも注目を集めると思うんですって」
「は、い?」
「おかしいでしょう?」
「どうしてそんな話になったのか…言ってはあれですけど、勘違いを起こしそうな女性なのですか?」
「まあ、土台って言うのかしら。侯爵令息に見初められたということが、自信にはなっているのではない?」
「それは、確かにそうですね」
準男爵の娘が、侯爵令息に見初められるということは大きな自信となるだろう。
「どこまで勘違いを晒すかは分からないけど、何も要らないと言った口で、ドレスを欲しいなんて言っている時点でね?」
「欲が出ているということですね?」
「ええ、フォスト様が与える物は、今までより上等な物のはずじゃない?」
「間違いなくそうでしょう」
キャローズがこれが欲しいと自分で選ばない限りは、購入している質自体が、全く違うのである。
「ベイク様の言っていたパーティーとかで、見られることによって、自分は目を引く存在だと思ったのではないかしら?」
「ああ、そういうことですか」
「ええ、まだ繋がるには早い段階だと思っていたから」
「そうなっても、商会は構いませんよ?モデルはいない、全く同じなのかと突き通しますから」
「そうだとしても、手を煩わせるじゃない」
販売停止を求められる可能性も考えてはいるが、売り飛ばした後にして欲しいと、チェルシーは考えるようになっていた。
「でも、シトリン売れ始めていますよ」
「そう?やはり露出が増えてからの方が売れるわよね」
「はい」
「私もその方が得意ですしね」
「チェルシー様は見せ方、肌感が素晴らしいですから」
チェルシーの絵は繊細でありながらも、肌の質感がまるで触れたくなるような一線を画すものになっている。だからこそ、艶やかさが増し、喜ばれている。
勿論、性的対象として見るために描かれているのだが、芸術面でもルイ様も素晴らしいと評していた。
「褒め過ぎだわ」
「いいえ、そんなことはありません」
「ではそろそろ、過激な第四弾まで持って行って、シトリンも売れていれば、第三弾を出しましょうかね」
「そうですね」
シトリンが売れ始めていると言っても、シトリンだけは一歩、二歩、出遅れている状態のままであり、おかげで購入されていなくとも、シトリンの顔は最下位という形で悪目立ちしている部分もある。
ベイクは急に売れたりするのではないかと、少し期待もしていたが、現実はそう甘くはなかった。
それでも前よりは売れており、次が見たいからと別の子のファンでも、買ってくれる人もおり、同情でも売れる方がいい。
「動機は意地悪な気持ちではあったけど、やっぱり自分の作った物を買って貰えるというのは嬉しいことね」
「それは良かったです。ですが、チェルシー様の絵なら、別の絵でも求められるのではありませんか」
「商売にして置いて、あれだけど…私は真っ当な絵を描いて、評価を受けるのは怖いのよ。だから、唯一褒めて貰った裸婦にしがみついているのだと思うわ」
「そのようなことは」
「いいえ」
チェルシーは珍しいギフトこそ持っているが、秀でた才能を持っていないチェルシーは、トートレイ伯爵家では特別ではないと感じながら、生きて来た。
それでも、特別ではない人間だからこその役割があるとも思っている。
「私が着たら有名になれると思うんです…?」
「驚いてしまったの!もしかしたらシトリンのことを、知っているのかと、探ってみたのだけど…」
「だけど?」
ベイクはまだシトリンの人気が話題になるほど達していると思えず、話の続きを催促するように合いの手を入れた。
「私は目を引くみたいなんです。だからそんな私が着たら、妹さんも注目を集めると思うんですって」
「は、い?」
「おかしいでしょう?」
「どうしてそんな話になったのか…言ってはあれですけど、勘違いを起こしそうな女性なのですか?」
「まあ、土台って言うのかしら。侯爵令息に見初められたということが、自信にはなっているのではない?」
「それは、確かにそうですね」
準男爵の娘が、侯爵令息に見初められるということは大きな自信となるだろう。
「どこまで勘違いを晒すかは分からないけど、何も要らないと言った口で、ドレスを欲しいなんて言っている時点でね?」
「欲が出ているということですね?」
「ええ、フォスト様が与える物は、今までより上等な物のはずじゃない?」
「間違いなくそうでしょう」
キャローズがこれが欲しいと自分で選ばない限りは、購入している質自体が、全く違うのである。
「ベイク様の言っていたパーティーとかで、見られることによって、自分は目を引く存在だと思ったのではないかしら?」
「ああ、そういうことですか」
「ええ、まだ繋がるには早い段階だと思っていたから」
「そうなっても、商会は構いませんよ?モデルはいない、全く同じなのかと突き通しますから」
「そうだとしても、手を煩わせるじゃない」
販売停止を求められる可能性も考えてはいるが、売り飛ばした後にして欲しいと、チェルシーは考えるようになっていた。
「でも、シトリン売れ始めていますよ」
「そう?やはり露出が増えてからの方が売れるわよね」
「はい」
「私もその方が得意ですしね」
「チェルシー様は見せ方、肌感が素晴らしいですから」
チェルシーの絵は繊細でありながらも、肌の質感がまるで触れたくなるような一線を画すものになっている。だからこそ、艶やかさが増し、喜ばれている。
勿論、性的対象として見るために描かれているのだが、芸術面でもルイ様も素晴らしいと評していた。
「褒め過ぎだわ」
「いいえ、そんなことはありません」
「ではそろそろ、過激な第四弾まで持って行って、シトリンも売れていれば、第三弾を出しましょうかね」
「そうですね」
シトリンが売れ始めていると言っても、シトリンだけは一歩、二歩、出遅れている状態のままであり、おかげで購入されていなくとも、シトリンの顔は最下位という形で悪目立ちしている部分もある。
ベイクは急に売れたりするのではないかと、少し期待もしていたが、現実はそう甘くはなかった。
それでも前よりは売れており、次が見たいからと別の子のファンでも、買ってくれる人もおり、同情でも売れる方がいい。
「動機は意地悪な気持ちではあったけど、やっぱり自分の作った物を買って貰えるというのは嬉しいことね」
「それは良かったです。ですが、チェルシー様の絵なら、別の絵でも求められるのではありませんか」
「商売にして置いて、あれだけど…私は真っ当な絵を描いて、評価を受けるのは怖いのよ。だから、唯一褒めて貰った裸婦にしがみついているのだと思うわ」
「そのようなことは」
「いいえ」
チェルシーは珍しいギフトこそ持っているが、秀でた才能を持っていないチェルシーは、トートレイ伯爵家では特別ではないと感じながら、生きて来た。
それでも、特別ではない人間だからこその役割があるとも思っている。
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