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力になりたい
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エルドールはヨルレアンに頼られたと感じていることで、かつてないほどのやる気を漲らせていた。
時間があれば、王家にある書物を読み更けていた。閲覧禁止以外は、全て閲覧することが出来る。馬鹿息子扱いでも王族である特権である。
ヨルレアンも、この国で使っても心が痛まず、力を持った人間であるために、特権を期待して頼むことにした。
両親も兄も妹も、さすがに奇行ともいうべき行動に、始めは何をしているのかと思ったが、ヨルレアンに頼られて、やる気になっていると聞けば、それならしっかりやらせようと見守ることにした。
ちなみに兄・ローレルと、妹・メイランにも謝罪をしたが、『お前(お兄様)がそんなに愚かだと思わなかった』と、同じ台詞を言われている。
エルドールはかつてないほど頑張っていたが、オールエドリレット、もしくはオールドリゥドレットという名前はなかなか見付からない。
ヨルレアンがあればと言ったことから、ない可能性も高いことは、解読に触れたエルドールにも分かっていた。
学園でも図書館に行き、歴史が書いてあるような本を借りて来ては読んでいた。
エルドールの様子をオマリーは、今でもとても気にしていた。
既に手伝いを断られているので、さすがに再び手伝いたいと申し出ることはしなかったが、エルドールたちが席を外した隙に、机にあったメモを盗み見た。
エルドールが何か調べているのは、これだったのだと思い、オマリーは勝手に調べ始めることにした。
そして、エルドールは何も見付けられないまま数日が過ぎ、生徒会室で満面の笑みのオマリーが、エルドールに声を掛けた。
「殿下、こちらを」
オマリーはエルドールに向かって、書類を差し出した。エルドールは何かの書類かと思い、ああと言いながら受け取ったが、書いてある内容が理解が出来なかった。
「これは?渡す書類を間違えていないか?」
「勝手に申し訳ないとは思ったのですが、どうしても力になりたくて…」
エルドールは言葉の意味と、書類の意味がさっぱり分からなかった。
「何の話だい?」
「あの、本当に偶然なのですが、殿下の机にメモ書きのようなものが見えて、私も調べてみたのです」
「メモ…?」
エルドールは勝手に見たのかと不快に思ったが、机に置いてあったならば、目に入ることもあり、責めるほどでもないかと冷静になった。
「何を見たのか知らないが、そのようなことはしなくていい」
「ですが、お忙しそうにしていらしたので、私もお役に立ちたかったのです」
オマリーは駄目でしたかと言わんばかりに、潤んだ瞳で見つめた。
「心意気だけは受け取って置くが、今後はこのようなことはしなくていい。君には君のやることがあるだろう?」
「きちんとやっておりますので、大丈夫です」
「それなら、私は大丈夫だから他の者を手伝ってやってくれ。誰か、手伝って欲しい者はいるか?」
エルドールは、ジュニパー以外のメンバーが生徒会室にいたので、見渡しながら声を掛けた。
「では計算を手伝って貰いたいです!」
声を上げたのは、ローズマリーであった。
「ローズマリー嬢を手伝ってくれ」
「は、はい。ですが、殿下もいつでも言ってください」
「ああ、分かった」
オマリーは大人しく机に戻って行き、ローズマリーから計算を頼まれていた。エルドールはカイロスと目を合わせたが、二人とも怪訝な表情をしていた。
しかも、オマリーの持って来た資料は、なぜか楽器のヴァイオリンについてであった。エルドールはヴァイオリンなどと書いた記憶もなく、何のメモを見たのだろうかと思ったが、時間の無駄だと追及する気もなかった。
夕食の席で、家族に今日のことを話すと、ローレルとメイランも怪訝な表情をしながら、首を傾けた。
「手伝って、手柄が欲しいのか?」
「自分は優秀だと知らしめたいのかしら?」
時間があれば、王家にある書物を読み更けていた。閲覧禁止以外は、全て閲覧することが出来る。馬鹿息子扱いでも王族である特権である。
ヨルレアンも、この国で使っても心が痛まず、力を持った人間であるために、特権を期待して頼むことにした。
両親も兄も妹も、さすがに奇行ともいうべき行動に、始めは何をしているのかと思ったが、ヨルレアンに頼られて、やる気になっていると聞けば、それならしっかりやらせようと見守ることにした。
ちなみに兄・ローレルと、妹・メイランにも謝罪をしたが、『お前(お兄様)がそんなに愚かだと思わなかった』と、同じ台詞を言われている。
エルドールはかつてないほど頑張っていたが、オールエドリレット、もしくはオールドリゥドレットという名前はなかなか見付からない。
ヨルレアンがあればと言ったことから、ない可能性も高いことは、解読に触れたエルドールにも分かっていた。
学園でも図書館に行き、歴史が書いてあるような本を借りて来ては読んでいた。
エルドールの様子をオマリーは、今でもとても気にしていた。
既に手伝いを断られているので、さすがに再び手伝いたいと申し出ることはしなかったが、エルドールたちが席を外した隙に、机にあったメモを盗み見た。
エルドールが何か調べているのは、これだったのだと思い、オマリーは勝手に調べ始めることにした。
そして、エルドールは何も見付けられないまま数日が過ぎ、生徒会室で満面の笑みのオマリーが、エルドールに声を掛けた。
「殿下、こちらを」
オマリーはエルドールに向かって、書類を差し出した。エルドールは何かの書類かと思い、ああと言いながら受け取ったが、書いてある内容が理解が出来なかった。
「これは?渡す書類を間違えていないか?」
「勝手に申し訳ないとは思ったのですが、どうしても力になりたくて…」
エルドールは言葉の意味と、書類の意味がさっぱり分からなかった。
「何の話だい?」
「あの、本当に偶然なのですが、殿下の机にメモ書きのようなものが見えて、私も調べてみたのです」
「メモ…?」
エルドールは勝手に見たのかと不快に思ったが、机に置いてあったならば、目に入ることもあり、責めるほどでもないかと冷静になった。
「何を見たのか知らないが、そのようなことはしなくていい」
「ですが、お忙しそうにしていらしたので、私もお役に立ちたかったのです」
オマリーは駄目でしたかと言わんばかりに、潤んだ瞳で見つめた。
「心意気だけは受け取って置くが、今後はこのようなことはしなくていい。君には君のやることがあるだろう?」
「きちんとやっておりますので、大丈夫です」
「それなら、私は大丈夫だから他の者を手伝ってやってくれ。誰か、手伝って欲しい者はいるか?」
エルドールは、ジュニパー以外のメンバーが生徒会室にいたので、見渡しながら声を掛けた。
「では計算を手伝って貰いたいです!」
声を上げたのは、ローズマリーであった。
「ローズマリー嬢を手伝ってくれ」
「は、はい。ですが、殿下もいつでも言ってください」
「ああ、分かった」
オマリーは大人しく机に戻って行き、ローズマリーから計算を頼まれていた。エルドールはカイロスと目を合わせたが、二人とも怪訝な表情をしていた。
しかも、オマリーの持って来た資料は、なぜか楽器のヴァイオリンについてであった。エルドールはヴァイオリンなどと書いた記憶もなく、何のメモを見たのだろうかと思ったが、時間の無駄だと追及する気もなかった。
夕食の席で、家族に今日のことを話すと、ローレルとメイランも怪訝な表情をしながら、首を傾けた。
「手伝って、手柄が欲しいのか?」
「自分は優秀だと知らしめたいのかしら?」
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