【完結】メイド・マイ・デイ

野村にれ

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呪う

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 呪いは皆に平等ではなかったが、頭痛や腹痛から尿路結石、痛風、帯状疱疹、関節リウマチなど痛みのある病に罹ることになった。

 治療が全く効かないことはなかったが、治っても再発や別の病が起こるために、終わりはなかった。

 それでも、祖父母、父母、姉よりは血縁のある親族は軽いものであった。ただ起こることのなかった痛みである。

 呪いは確実に起こっていた。

 涼希を恨むことにはなったが、何を言っても仕方がないと、親戚付き合いもなくなった。

 世間にも涼希が離婚されたこと、運命の相手ではなかったこと、騙していたということが知れ渡ることになり、メッセージで最低などと送られてきたが、涼希はもうお金を返すことだけに集中して、見ないことにした。

 それでも、家を訪ねてくる者もいた。

 引っ越せばよかったが、持ち家で賠償金もあるために、引っ越すお金も惜しかった。

 どうしてそんなことをしたのかと問われても答えられずに、親身になってくれた友人も一人もいなくなった。それも仕方ないと、覚悟をしており、それよりも平気な顔をして会うことの方が辛かった。

 化け物のように笑っていたのに、もう一切笑うこともなく、ただ働いていた。

 だが、呪いが一番酷かったのは当然だが涼希で、全身の広範囲に激しい痛みが続く難病になり、最初はそれでも工場で働いていたが、難しくなった。

 約束通り治験に切り替わり、身体で支払うこととなった。わざとではないかというほど痛みがなくなることはなく、しかも対応は悪かった。

「触りたくもないんだけど」
「今の状態で、風俗に突っ込んだら?」
「呪いで効かないんじゃない?」

 だが、涼希はただ耐えた。

 痛いなど詠が甚振られて笑った自分が、言える言葉でもなかった。甚振られないだけでも、マシだと思った。

 花穂は苗字を三島にすることはせず、田生のままでいた。

 涼希が妹だと知って、陰口を言われることはあったが、友人たちは花穂のせいではないと言ってくれたことが救いであった。

 仕事も妖が関わっていない会社を探す方が難しかったが、辞めさせられることはなかった。

 子どもたちも呪いによって、どこかが痛いということが多かったが、病院に連れて行き、ごめんねと慰めることしかできなかった。

 花穂自身も痛みの病に悩まされ、結局、アパートから実家に帰ることになった。皆で助け合わなければ、生活もままならなくなってしまったからである。

 近所にも自慢していたのは美里だけだったために、陰口は言われているだろうが、敬遠されるだけで、静かに過ごした。

 奏からは一度も連絡はなく、しばらくすると再婚したということを人伝に聞き、しっかりと受け止めた。

 離婚された美里は関節リウマチになり、体の多くの関節に痛みや腫れ、こわばりが現れ、働いてもいなかったが、働けるような状態ではなくなり、うるさいだけの実家のお荷物に成り果てた。

 しかも、祖父母も年齢に呪いが重なり、介護が必要になっていた。

 誠一は美里のいる実家に耐えられなくて出て行っており、洋介もなかった世界のことで関わりを拒否しており、介護をするのは美里しかいない。

 だが、美里に介護ができるはずもなく、出て行きたくとも住むところはなく、則人や花穂や涼希に連絡をしたが、拒否されており、家にも押し掛けたが、相手にしてもらえなかった。

 居場所のためには介護をするしかなく、痛む身体に蝕まれながら生きていくしかなかった。

 英仁は何も手に付かず、酒を飲み、睡眠薬や抗不安薬に頼る日々になっていた。

「英仁……具合はどうだ?」
「ああ、良くないな」
「そうか、無理はするな。ゆっくりすればいい」

 光峯も英仁に何を言っても、渇きは癒やせないことを分かっているために、今を生かすことしかできなかった。
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