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収束4
「王家でも、オルト殿下はいいのですか?」
「はい。王子妃なら何かあれば、切り捨てればいいと考えてらっしゃると思います」
「切り捨てる……」
「はい、実際、私は三回目の最後に会った際に、疲れ果てて役目を果たせない私に、オルト殿下は婚約を白紙にするとおっしゃられましたから」
「え、えっ?そうだったのですか?」
口を押えて驚いたのは、レオーラだった。
「はい、実はそうなのです。聖女、聖魔法を持ち、治癒術の使える女性がいるのですが、その手柄を私が自分が行ったと聞かされたと言われて……」
プレメルラ王国では聖魔法と闇魔法を持ち、治癒術が使える者を聖人聖女と呼ぶ。
だが、水魔法の治癒術が使える者は、治癒師としか呼ばれない。
「そんなこと!誰がそんなことを!」
「もう確認はできませんが、オルト殿下のでっち上げか、リークレア・ダンサムだと思っています」
当然だがモリーは横取りをされて嫌な思いをしたのに、するはずがない。
オルト殿下が婚約を白紙にしたくて言い出したか、誰かが嘘を吹き込んだのではないかと考えていた。
「あの二人が?」
「ええ」
レオーラもオルト殿下にはいい印象がないが、リークレアの高圧的な姿は何度も見ていた。
「あの二人は似ているかもしれませんね」
「確かにそうですね。婚約の白紙には、良かったと思ったのです。あの日はよく眠れました」
モリーは清々しい気持ちで眠りについたことを思い出して、微笑んだ。
「オルト殿下は、良いところ本当にありませんね!ですが、私はそのようなことを聞くことはありませんでした」
「私も正式に白紙になったかは知りません」
モリーは戻ってしまい、レオーラも耳にすることもなく、戻ってしまったのかもしれない。
「治癒術が使えても、王太子妃は難しいのですか?」
「はい、プレメルラ王国の王家は保守的だと考えています。聖女なら違うかもしれませんが……」
「現在、聖女はいないのですか?」
「いらっしゃいます」
「その方は?」
「これまでと変わりなければ、当時三十代後半の方で、既に結婚されております」
モリーは今回も聖女がいることは聞いていたが、会う機会もなかった。だが、二回目も三回目も同一人物だったために、おそらく同じ方だろうと思っている。
「年齢が合わないのですね」
「はい、結婚前だったとしても、さすがにあからさまで下品でしょうから、王家の方は嫌うと思います」
「いかにもですものね……」
「はい」
多少の年齢差ならともかく、15歳以上年上で、聖女と結婚したいからと、婚約を結べば聖女を囲うためだと、王家の横暴だと取られ兼ねない。
そのようなことを保守的な王家が選ぶとは思えない。
ゆえに聖女は自分の希望の相手と結婚することができて、治癒師も続けていた。
「ですが、我が家も何を起こすか分からない、社交もしていないような家はいずれ王妃になるような女性は外します。正直、不敬だと思いますが、王太子妃などなりたいと思ったこともありません」
パークスラ王国だったら、治癒術が使えれば問題のある家でも、関係ないだろうと思ってしまったが、考えても仕方ない。
「私もモリー様と説明に向かいます」
「そうですね、レオーラもいた方がいいでしょう」
ジーアは咳止めについて説明をすると、アッセン国王陛下とルミラ王妃陛下に内密に話をしたいと約束を取り付けた。
「お時間を取っていただきありがとうございます」
ジーアがアッセン国王陛下とルミラ王妃陛下に挨拶をするも、レオーラとモリーがいることが気になった。
「レオーラ王女殿下とモリー様も関係がありますので、同席させていただいてもよろしいでしょうか?」
「構わないが」
「ええ、レオーラとモリー嬢が?」
「はい」
アッセン国王陛下は人払いをして、5人は向き合って座った。
「はい。王子妃なら何かあれば、切り捨てればいいと考えてらっしゃると思います」
「切り捨てる……」
「はい、実際、私は三回目の最後に会った際に、疲れ果てて役目を果たせない私に、オルト殿下は婚約を白紙にするとおっしゃられましたから」
「え、えっ?そうだったのですか?」
口を押えて驚いたのは、レオーラだった。
「はい、実はそうなのです。聖女、聖魔法を持ち、治癒術の使える女性がいるのですが、その手柄を私が自分が行ったと聞かされたと言われて……」
プレメルラ王国では聖魔法と闇魔法を持ち、治癒術が使える者を聖人聖女と呼ぶ。
だが、水魔法の治癒術が使える者は、治癒師としか呼ばれない。
「そんなこと!誰がそんなことを!」
「もう確認はできませんが、オルト殿下のでっち上げか、リークレア・ダンサムだと思っています」
当然だがモリーは横取りをされて嫌な思いをしたのに、するはずがない。
オルト殿下が婚約を白紙にしたくて言い出したか、誰かが嘘を吹き込んだのではないかと考えていた。
「あの二人が?」
「ええ」
レオーラもオルト殿下にはいい印象がないが、リークレアの高圧的な姿は何度も見ていた。
「あの二人は似ているかもしれませんね」
「確かにそうですね。婚約の白紙には、良かったと思ったのです。あの日はよく眠れました」
モリーは清々しい気持ちで眠りについたことを思い出して、微笑んだ。
「オルト殿下は、良いところ本当にありませんね!ですが、私はそのようなことを聞くことはありませんでした」
「私も正式に白紙になったかは知りません」
モリーは戻ってしまい、レオーラも耳にすることもなく、戻ってしまったのかもしれない。
「治癒術が使えても、王太子妃は難しいのですか?」
「はい、プレメルラ王国の王家は保守的だと考えています。聖女なら違うかもしれませんが……」
「現在、聖女はいないのですか?」
「いらっしゃいます」
「その方は?」
「これまでと変わりなければ、当時三十代後半の方で、既に結婚されております」
モリーは今回も聖女がいることは聞いていたが、会う機会もなかった。だが、二回目も三回目も同一人物だったために、おそらく同じ方だろうと思っている。
「年齢が合わないのですね」
「はい、結婚前だったとしても、さすがにあからさまで下品でしょうから、王家の方は嫌うと思います」
「いかにもですものね……」
「はい」
多少の年齢差ならともかく、15歳以上年上で、聖女と結婚したいからと、婚約を結べば聖女を囲うためだと、王家の横暴だと取られ兼ねない。
そのようなことを保守的な王家が選ぶとは思えない。
ゆえに聖女は自分の希望の相手と結婚することができて、治癒師も続けていた。
「ですが、我が家も何を起こすか分からない、社交もしていないような家はいずれ王妃になるような女性は外します。正直、不敬だと思いますが、王太子妃などなりたいと思ったこともありません」
パークスラ王国だったら、治癒術が使えれば問題のある家でも、関係ないだろうと思ってしまったが、考えても仕方ない。
「私もモリー様と説明に向かいます」
「そうですね、レオーラもいた方がいいでしょう」
ジーアは咳止めについて説明をすると、アッセン国王陛下とルミラ王妃陛下に内密に話をしたいと約束を取り付けた。
「お時間を取っていただきありがとうございます」
ジーアがアッセン国王陛下とルミラ王妃陛下に挨拶をするも、レオーラとモリーがいることが気になった。
「レオーラ王女殿下とモリー様も関係がありますので、同席させていただいてもよろしいでしょうか?」
「構わないが」
「ええ、レオーラとモリー嬢が?」
「はい」
アッセン国王陛下は人払いをして、5人は向き合って座った。
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