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エリーのお茶会3
「どう?いい生地があったかしら?」
「ありました!」
モリーは立ち上がろうとしたが、既に作業中のモリーを掌で制した。
「私のことは気にしないで、ペイリーもね」
「恐れ入ります」
「もう縫っているのね」
「まだ準備段階ですけども」
ケリーがエリーとペイリーのソファに座ると、メイドがお茶を入れた。
「ありがとう、ちょっと気になって見に来たの」
「モリー様、縫うのがとっても早いの」
「そのようね」
ケリーも手つきを見れば、すぐに分かった。ペイリーは見慣れた光景ではあるが、どんな風になるのかが楽しみでじっと見つめていた。
「シルバーにしたのね」
「モリー様が勧めてくれたのから、私が選んだの」
「まあ、そうなの」
ペイリーも、モリーも頷いており、エリーは堪えきれない嬉しさが頬が上がっていることから、聞かなくても分かった。
ケリーが皆の様子を微笑ましく見ていると、またも訪問者があり、顔を出そうと思っていたレルスだった。
「母上、ん?モリー嬢は、何を?」
「エリーの背が伸びたから、少し直してもらっているの。モリーもペイリーも招かざる客だから、挨拶はいいわよ」
「それはいいのですが、今ですか?」
「はい、そんなに難しいことではございませんので」
「そう、そうなのか」
モリーと少し話ができたらと思ったが、予想外のことが起きており、エリーはすっかりモリーに夢中である。
どんどん増えていく観覧者ではあったが、モリーはすっかり集中しているために、気にはならなかった。
「あの布を付けるのか?」
「そう、中に付けるの」
「ああ、なるほどな」
レルスはエリーがモリーのドレスを着ていたことも、丈を気にしていたことを気にしていたことも知っている。
モリーは縫い終わって、首を動かし始めると、ペイリーは失礼しますと立ち上がって、モリーの後ろに回って肩を揉み始めた。
「ありがとう」
「いえ、体が動きました」
「まあ、私がそんな風に育ててしまったのかしら」
「いつもそんな風にしているのね」
「ええ、いつもペイリーが揉んでくれますの」
「私はこれくらいしかできませんので」
微笑ましい令嬢と侍女の姿に、皆、良い関係ねとやさしい空気が流れていた。
そしてモリーは再び、新たなチュールを出して、縫い始めた。
「二枚、重ねるのですか?」
「ええ、その方が可愛いと思いますの」
「はい」
ペイリーも席に戻り、再び見つめることになった。
「ペイリーも、王家の発表には驚いたかしら?」
「はい……」
「そうよね、ここに当事者が二人もいるものね」
エリーはすっかり聞いておらず、レルスに視線を向けた。
「折角、子どもが三人いて、王太子教育は皆受けるのですから、構わないではありませんか」
プレメルラ王国ではオルトもだが、エリーも王太子教育は受ける。王太子と違うのは、学園を卒業してから即位式をするか、どうかである。
「即位式はまだですからね」
「そうです」
ペイリーは婚約はどうなったのか聞きたいところではあったが、さすがに聞く勇気はなかった。
それからは当たり障りのない話していると、モリーはドレスに縫い付ける作業を始めており、エリーは少し身を乗り出していた。
「器用なものだな」
「本当ね」
だからこそ、治癒術も器用に行えるのではないかと、レルスは考えていた。
メイドに固定してもらいながら、モリーはちくちくと縫い始め、お菓子を食べながら、皆もじっと見てしまっていた。
「ふぅ、トルソーに着せてもらってもいいですか?」
「「はい」」
エリーはソワソワし始めており、モリーは全方位を見ながら、最終チェックを行っていた。モリーにとっては、難しいことではなかったために、緊張する作業ではなかった。
「いかがでしょうか?」
「素敵です!」
エリーは立ち上がっており、チュールは表に重ねることが多いが、プリンセスラインに縫い付けているために、一体感が出せたとモリーも安堵した。
「ありました!」
モリーは立ち上がろうとしたが、既に作業中のモリーを掌で制した。
「私のことは気にしないで、ペイリーもね」
「恐れ入ります」
「もう縫っているのね」
「まだ準備段階ですけども」
ケリーがエリーとペイリーのソファに座ると、メイドがお茶を入れた。
「ありがとう、ちょっと気になって見に来たの」
「モリー様、縫うのがとっても早いの」
「そのようね」
ケリーも手つきを見れば、すぐに分かった。ペイリーは見慣れた光景ではあるが、どんな風になるのかが楽しみでじっと見つめていた。
「シルバーにしたのね」
「モリー様が勧めてくれたのから、私が選んだの」
「まあ、そうなの」
ペイリーも、モリーも頷いており、エリーは堪えきれない嬉しさが頬が上がっていることから、聞かなくても分かった。
ケリーが皆の様子を微笑ましく見ていると、またも訪問者があり、顔を出そうと思っていたレルスだった。
「母上、ん?モリー嬢は、何を?」
「エリーの背が伸びたから、少し直してもらっているの。モリーもペイリーも招かざる客だから、挨拶はいいわよ」
「それはいいのですが、今ですか?」
「はい、そんなに難しいことではございませんので」
「そう、そうなのか」
モリーと少し話ができたらと思ったが、予想外のことが起きており、エリーはすっかりモリーに夢中である。
どんどん増えていく観覧者ではあったが、モリーはすっかり集中しているために、気にはならなかった。
「あの布を付けるのか?」
「そう、中に付けるの」
「ああ、なるほどな」
レルスはエリーがモリーのドレスを着ていたことも、丈を気にしていたことを気にしていたことも知っている。
モリーは縫い終わって、首を動かし始めると、ペイリーは失礼しますと立ち上がって、モリーの後ろに回って肩を揉み始めた。
「ありがとう」
「いえ、体が動きました」
「まあ、私がそんな風に育ててしまったのかしら」
「いつもそんな風にしているのね」
「ええ、いつもペイリーが揉んでくれますの」
「私はこれくらいしかできませんので」
微笑ましい令嬢と侍女の姿に、皆、良い関係ねとやさしい空気が流れていた。
そしてモリーは再び、新たなチュールを出して、縫い始めた。
「二枚、重ねるのですか?」
「ええ、その方が可愛いと思いますの」
「はい」
ペイリーも席に戻り、再び見つめることになった。
「ペイリーも、王家の発表には驚いたかしら?」
「はい……」
「そうよね、ここに当事者が二人もいるものね」
エリーはすっかり聞いておらず、レルスに視線を向けた。
「折角、子どもが三人いて、王太子教育は皆受けるのですから、構わないではありませんか」
プレメルラ王国ではオルトもだが、エリーも王太子教育は受ける。王太子と違うのは、学園を卒業してから即位式をするか、どうかである。
「即位式はまだですからね」
「そうです」
ペイリーは婚約はどうなったのか聞きたいところではあったが、さすがに聞く勇気はなかった。
それからは当たり障りのない話していると、モリーはドレスに縫い付ける作業を始めており、エリーは少し身を乗り出していた。
「器用なものだな」
「本当ね」
だからこそ、治癒術も器用に行えるのではないかと、レルスは考えていた。
メイドに固定してもらいながら、モリーはちくちくと縫い始め、お菓子を食べながら、皆もじっと見てしまっていた。
「ふぅ、トルソーに着せてもらってもいいですか?」
「「はい」」
エリーはソワソワし始めており、モリーは全方位を見ながら、最終チェックを行っていた。モリーにとっては、難しいことではなかったために、緊張する作業ではなかった。
「いかがでしょうか?」
「素敵です!」
エリーは立ち上がっており、チュールは表に重ねることが多いが、プリンセスラインに縫い付けているために、一体感が出せたとモリーも安堵した。
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