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意図1
自室に戻ったモリーとペイリーは、どちらともなく向き合った。
「モリー様」
「ペイリー、一体どういうことなのかしら」
「あのことは言っていないということですよね」
モリーは治癒術のことは言わずに婚約を申し込んだのだろうと判断はしたが、なぜ婚約なのか。レオーラからは婚約していたとは聞きはしたが、今でも実感がない。
ゆえにモリーにとって今、レルスは警戒対象であり、まずは意図を確認しなくてはならない。
「ええ、私もそう思ったけど、聞かれなかったということは、そういうことよね」
「はい、私も懸命だと思いました。ですが、いずれはお話になるのですよね?」
「ええ、お母様よりはお父様の方がいいとは考えているわ」
「私もそう思います」
「直接、聞くしかないわね……はあ、連絡がないということは先延ばしにできていると思っていたのだけど」
なるべく静かに長く過ごしたいモリーにとっては、肩を落とす展開にでしかなかった。
「モリー様は、レルス殿下をどう思っているのですか」
ペイリーはモリーは成績のことを気にしているが、王家に嫁ぐにも問題のない方だと思っている。
レルスに関しても、王太子のことは引っ掛かるが、悪くない相手なのではないかと思った。
「どうも思っていないわ、母国の王子?もしくは、エリー様の兄ってことくらいね」
「そうですか……悪い方ではないと思うのですけど」
「それは、オルト殿下に比べればそうね」
そして、レルスとはまた前も使ったお店で会うことになった。今回はブレフォスを通じているので、隠す必要はないが、世間的には隠さなくてはならない。
「どういうことでしょうか?」
「そうなるよな」
待っていたのは、レルスとコーレイドである。護衛は治癒術のことを知らないために、コーレイドが護衛の代わりなのだろう。
「はい、意図を教えていただきませんと、困ります」
「まず、モリー嬢と結婚したいと思ったのは本心だ。君となら生活していけると思ったんだ」
モリーはその言葉に、喜ぶでもなく、曖昧に頷いた。
「できれば、オブレオサジュール公爵家に婿入りできるといいのだがな」
「っえ?公爵家は弟が継ぐのではないのでしょうか」
「公爵はまだ決めていないと言っていた」
「そうなのですか……」
ブレフォスから何か言われたわけではないが、今までも特に言われることもなかったことから、暗黙の了解だと思っていた。
「王太子にはならないおつもりなのですか?」
「私はならなくてもいい。断る理由が王太子妃になりたくないということなら、考え直して欲しい」
「私の成績の話はしましたよね?」
「君は成績はあまり良くないと言っているが、要領が悪いわけではない。貴族社会で生き抜くなら、成績よりも、評価すべきところだろう」
モリーもさすがに成績以外のところは、何もしないと言っても、公爵令嬢としてマナーくらいは弁えている。要領がいいとは思っていないが、上手く渡り歩いているようには見えているだろう。
にこにこして、誤魔化すのも限界なのかとも感じてはいる。
「社交もしておりませんよ?」
「いや、正直、君はトップの相手としているだろう?」
「エリー様ですか」
「母上も。後、レオーラ王女殿下とも親しいのだろう?クラスメイトには親しい者もいるのではないか?」
「話をする方はいますが……」
「そうだ、ペイリー嬢の姉君とも親しいだろう?」
「それは、はい」
ペイリーも後ろで、激しく頷いている。
「姉上たちは、モリー嬢のドレスを自慢しているようだよ?着ているのだろう?」
「っえ」
先に声を上げたのは、モリーではなく、ペイリーの方だった。
「申し訳ございません」
「いや、知らなかったか?」
「着ているのは、知っておりますが、自慢は……モリー様、すみません……」
「いえ、いいのよ」
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本日もお読みいただきありがとうございます。
本日より、
新作「愛されて、愛されて、愛されて」を投稿しております。
よろしければよろしくお願いします。
「モリー様」
「ペイリー、一体どういうことなのかしら」
「あのことは言っていないということですよね」
モリーは治癒術のことは言わずに婚約を申し込んだのだろうと判断はしたが、なぜ婚約なのか。レオーラからは婚約していたとは聞きはしたが、今でも実感がない。
ゆえにモリーにとって今、レルスは警戒対象であり、まずは意図を確認しなくてはならない。
「ええ、私もそう思ったけど、聞かれなかったということは、そういうことよね」
「はい、私も懸命だと思いました。ですが、いずれはお話になるのですよね?」
「ええ、お母様よりはお父様の方がいいとは考えているわ」
「私もそう思います」
「直接、聞くしかないわね……はあ、連絡がないということは先延ばしにできていると思っていたのだけど」
なるべく静かに長く過ごしたいモリーにとっては、肩を落とす展開にでしかなかった。
「モリー様は、レルス殿下をどう思っているのですか」
ペイリーはモリーは成績のことを気にしているが、王家に嫁ぐにも問題のない方だと思っている。
レルスに関しても、王太子のことは引っ掛かるが、悪くない相手なのではないかと思った。
「どうも思っていないわ、母国の王子?もしくは、エリー様の兄ってことくらいね」
「そうですか……悪い方ではないと思うのですけど」
「それは、オルト殿下に比べればそうね」
そして、レルスとはまた前も使ったお店で会うことになった。今回はブレフォスを通じているので、隠す必要はないが、世間的には隠さなくてはならない。
「どういうことでしょうか?」
「そうなるよな」
待っていたのは、レルスとコーレイドである。護衛は治癒術のことを知らないために、コーレイドが護衛の代わりなのだろう。
「はい、意図を教えていただきませんと、困ります」
「まず、モリー嬢と結婚したいと思ったのは本心だ。君となら生活していけると思ったんだ」
モリーはその言葉に、喜ぶでもなく、曖昧に頷いた。
「できれば、オブレオサジュール公爵家に婿入りできるといいのだがな」
「っえ?公爵家は弟が継ぐのではないのでしょうか」
「公爵はまだ決めていないと言っていた」
「そうなのですか……」
ブレフォスから何か言われたわけではないが、今までも特に言われることもなかったことから、暗黙の了解だと思っていた。
「王太子にはならないおつもりなのですか?」
「私はならなくてもいい。断る理由が王太子妃になりたくないということなら、考え直して欲しい」
「私の成績の話はしましたよね?」
「君は成績はあまり良くないと言っているが、要領が悪いわけではない。貴族社会で生き抜くなら、成績よりも、評価すべきところだろう」
モリーもさすがに成績以外のところは、何もしないと言っても、公爵令嬢としてマナーくらいは弁えている。要領がいいとは思っていないが、上手く渡り歩いているようには見えているだろう。
にこにこして、誤魔化すのも限界なのかとも感じてはいる。
「社交もしておりませんよ?」
「いや、正直、君はトップの相手としているだろう?」
「エリー様ですか」
「母上も。後、レオーラ王女殿下とも親しいのだろう?クラスメイトには親しい者もいるのではないか?」
「話をする方はいますが……」
「そうだ、ペイリー嬢の姉君とも親しいだろう?」
「それは、はい」
ペイリーも後ろで、激しく頷いている。
「姉上たちは、モリー嬢のドレスを自慢しているようだよ?着ているのだろう?」
「っえ」
先に声を上げたのは、モリーではなく、ペイリーの方だった。
「申し訳ございません」
「いや、知らなかったか?」
「着ているのは、知っておりますが、自慢は……モリー様、すみません……」
「いえ、いいのよ」
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