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試験2
リークレアは10位前後に入っていたが、3位以内に入ったことはおろか、5位以内にも入ったことがない。それが急に同じ公爵令嬢のモリーが3位に入れば、リークレアの立場がない。
モリーは二回目はこれがいつもの光景だったために、リークレアはいつもモリーを睨み付けていたなと思い出していた。
「調子に乗らないでよ!」
ふんと言わんばかりに去って行ったが、リークレアもマキュレアリリージュも周りの目が気にならないのかと、呆れるばかりだった。
モリーはお騒がせしましたと謝罪して教室に戻り、面倒事を増やしているような気がすると、空の青さを見つめていた。
だが、一気に3位に現れたモリーに、危惧したカンニングよりも、やはり頭が良かったのではないかと会話に上がっていた。
迎えの馬車では、ペイリーがソワソワした様子で待ち構えていた。
「お待ちしておりました」
馬車に乗り込むと、ペイリーはモリーのヴァイオレットの瞳をじっと見つめた。
「いかがでしたか」
「驚いたのだけど、3位だったわ」
「えええ!3位ですか」
「ええ、ビックリしちゃった」
「おめでとうございます」
ペイリーはあれだけ勉強されたのだから報われて欲しいと思っていたが、本当に勉強していなかったのだと、再び実感したが、誇らしい気持ちもあった。
そして、モリーが隠していたのも、隠さなければ成績上位者で、治癒術が使えて、公爵令嬢など向かうところ敵なしではあるが、反感も望まない縁談も舞い込むだろうことも理解ができた。
「ありがとう」
「甘ーい脳に染みわたるケーキでも帰って帰りますか?」
「まあ、良いわね」
「私がお祝いにご馳走します」
「そんなのいいわよ、ただの試験なのだから大袈裟よ」
「いえ、ご馳走させてください」
オブレオサジュール公爵家に面倒事を増やさないように、自力で回避して、誰にも言えず、言わないように生きて来たモリーに、せめてお祝いをしたかった。
二人はケーキ店に寄り、ペイリーが好きな物を選ぶように言うので、モリーはご馳走してもらうことになった。ペイリーの分も購入して、邸に戻って二人で食べた。
そして、ブレフォスの元へも、モリーの試験結果が届けられた。親や保護者には学園側から全員、試験結果が毎回届くようになっている。
近くに住んでいない親でも、子どもの結果を知られることになり、あまりの成績の悪さに慌てて駆け付ける親もいる。
だが、今回のオブレオサジュール公爵家は違った。
「3位?えっ?ん?」
まずは順位、そしてそれぞれの教科の点数が書いてある。
「30位の間違いか?ん?それでも、凄いな」
「どうされました?」
オーリンは珍しく慌てている様子のブレフォスに声を掛けたが、聞こえていない様子であった。
「いや、これは3位?えっ?なぜだ、後継者教育のおかげか?いや、ん?モリーの結果だよな?ああ、モリー・オブレオサジュールと書いてある。間違いないということだな。オーリン、モリーが3位だ」
「えっ?3位でございますか?」
「ああ、見てみるといい」
オーリンも動揺しながら、渡された試験の点数を見ると明らかに高得点が並んでおり、中には満点もあり、3位になってもおかしくない点数であった。
「……これは、素晴らしいですね」
「勉強したのだろうな」
「ええ、お部屋にはずっといらしたようです」
モリーは試験前にどこかに寄って来ることもなく、出掛けている様子はなかった。ここまで上がったということは、相当頑張られたのではないかとしか思えない。
「そうか……褒めた方がいいのだろうか、それともそっとしておいた方がいいのだろうか……」
距離のある親子であるために、思ったまま呼びつけて褒めることが正解なのか、そっとして置く方が正解なのか分からない。
モリーは二回目はこれがいつもの光景だったために、リークレアはいつもモリーを睨み付けていたなと思い出していた。
「調子に乗らないでよ!」
ふんと言わんばかりに去って行ったが、リークレアもマキュレアリリージュも周りの目が気にならないのかと、呆れるばかりだった。
モリーはお騒がせしましたと謝罪して教室に戻り、面倒事を増やしているような気がすると、空の青さを見つめていた。
だが、一気に3位に現れたモリーに、危惧したカンニングよりも、やはり頭が良かったのではないかと会話に上がっていた。
迎えの馬車では、ペイリーがソワソワした様子で待ち構えていた。
「お待ちしておりました」
馬車に乗り込むと、ペイリーはモリーのヴァイオレットの瞳をじっと見つめた。
「いかがでしたか」
「驚いたのだけど、3位だったわ」
「えええ!3位ですか」
「ええ、ビックリしちゃった」
「おめでとうございます」
ペイリーはあれだけ勉強されたのだから報われて欲しいと思っていたが、本当に勉強していなかったのだと、再び実感したが、誇らしい気持ちもあった。
そして、モリーが隠していたのも、隠さなければ成績上位者で、治癒術が使えて、公爵令嬢など向かうところ敵なしではあるが、反感も望まない縁談も舞い込むだろうことも理解ができた。
「ありがとう」
「甘ーい脳に染みわたるケーキでも帰って帰りますか?」
「まあ、良いわね」
「私がお祝いにご馳走します」
「そんなのいいわよ、ただの試験なのだから大袈裟よ」
「いえ、ご馳走させてください」
オブレオサジュール公爵家に面倒事を増やさないように、自力で回避して、誰にも言えず、言わないように生きて来たモリーに、せめてお祝いをしたかった。
二人はケーキ店に寄り、ペイリーが好きな物を選ぶように言うので、モリーはご馳走してもらうことになった。ペイリーの分も購入して、邸に戻って二人で食べた。
そして、ブレフォスの元へも、モリーの試験結果が届けられた。親や保護者には学園側から全員、試験結果が毎回届くようになっている。
近くに住んでいない親でも、子どもの結果を知られることになり、あまりの成績の悪さに慌てて駆け付ける親もいる。
だが、今回のオブレオサジュール公爵家は違った。
「3位?えっ?ん?」
まずは順位、そしてそれぞれの教科の点数が書いてある。
「30位の間違いか?ん?それでも、凄いな」
「どうされました?」
オーリンは珍しく慌てている様子のブレフォスに声を掛けたが、聞こえていない様子であった。
「いや、これは3位?えっ?なぜだ、後継者教育のおかげか?いや、ん?モリーの結果だよな?ああ、モリー・オブレオサジュールと書いてある。間違いないということだな。オーリン、モリーが3位だ」
「えっ?3位でございますか?」
「ああ、見てみるといい」
オーリンも動揺しながら、渡された試験の点数を見ると明らかに高得点が並んでおり、中には満点もあり、3位になってもおかしくない点数であった。
「……これは、素晴らしいですね」
「勉強したのだろうな」
「ええ、お部屋にはずっといらしたようです」
モリーは試験前にどこかに寄って来ることもなく、出掛けている様子はなかった。ここまで上がったということは、相当頑張られたのではないかとしか思えない。
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距離のある親子であるために、思ったまま呼びつけて褒めることが正解なのか、そっとして置く方が正解なのか分からない。
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