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試験3
「そうですね……褒めたことによって、順位を落としてはならないと、プレッシャーになっても良くないですからね。でも折角頑張られたのに、何も言わないというのも……良くないとも思いますし」
「そうだよな……」
オーリンも正直、考えなしのエルソンを育てたために、自信がなかった。
執事の後任はエルソンの従兄弟であるセーブルにはなっているが、まだ執事の学校に通っており、来年には執事見習いになる予定になっている。
「次の試験まで、様子を見てはいかがでしょうか。それで、今回と変わりないようであれば、お褒めになってはいかがでしょうか」
「それは、いいかもしれないな。ロレインの成績も上がっているようだし、上向いて来たということだろうか」
「ええ、そう思います」
オーランは変えないといけないとまでは思っていなかったが、オブレオサジュール公爵家は生まれ変わると信じている。
国王陛下に元へも中等部から高等部までの成績の順位と、結果が届けられることになっている。
ここでも、ファリスが驚くことになった。いつもは70位か80位に名前のあるモリーが、すぐに見つかってしまったのである。
驚くあまり、そのままケリーに話をしに向かった。
「3位ですか?」
「ああ。今日、今回の学園の試験結果が届いたのだ。それで、目を通していたら、モリー嬢が3位なのだよ」
「っえ、頑張ったのかしら」
「そうだろうな……満点もある」
「まあ」
「もしかしたら、これまで目立たぬように本気を出していなかったのかもしれない。高位貴族は王家と同じで、良い点を取って当然ということもあるからな。わざわざひけらかす必要はないと考えたのかもしれない」
首位を取って当然とされている王族は、試験の結果には入れないとされており、オルトは学園の結果には入っていない。
「あの子ならそこまで考えそうですね。私が思ったように公爵令嬢なのにと、悪目立ちはしたかもしれませんけど、最初だけでしょうし、最低限の点数は取っているのだから、学園からは文句は言われない」
「ああ、これが中等部からだったら、余計に目を付けられることになっただろう」
「それは、完全にそうね」
公爵令嬢で3位以内に入れば、下位貴族は当然であると思うかもしれないが、同じ高位貴族はそうは思わない。
公爵家であることから、口に出す者は限られるが、令息は令嬢の癖にと思い、令嬢からは自分よりも優秀なことに目を付けられるだろう。
「目立たないようにするためには、モリーのしたことは正解ね」
「ああ、だが婚約のことも、治癒術のこともあるから、それに相応しいように、本気を出したのかもしれない」
「ええ、でも私たちは静観しましょう」
下手に問い詰めたりすることは必要のないことであり、モリーのしたいようにさせようと考えた。
「そうだな」
「それで、オルトはどうでしたか?」
「順位に入るなら、6位だな」
「そうですか……」
レルスは変動はあったが、3位以内には入っており、成績だけではないが、二人は黙るしかなかった。
モリーはブレフォスにも、ファリスとケリーにもそんなことを思われているとは考えなかったが、何も言って来ないなとは思っていた。
だが、聞かれたらどう答えるかな、正直に言うべきかなとは思っていたので、モリーには都合が良かった。
レルスもモリーから3位だったのと手紙を受け取ることもなく、ケリーから聞かされることになった。
「えっ、3位ですか」
「ええ、満点もあったわ」
「ファリスも私も同意見なのだけど、今まで本気を出していなかったのではないかと思っているの」
「私も考えたことはありました」
レルスもモリーと会う前は成績上位者には入っていないと見ていたが、話してみると成績が悪いとは思えなかった。
「そうだよな……」
オーリンも正直、考えなしのエルソンを育てたために、自信がなかった。
執事の後任はエルソンの従兄弟であるセーブルにはなっているが、まだ執事の学校に通っており、来年には執事見習いになる予定になっている。
「次の試験まで、様子を見てはいかがでしょうか。それで、今回と変わりないようであれば、お褒めになってはいかがでしょうか」
「それは、いいかもしれないな。ロレインの成績も上がっているようだし、上向いて来たということだろうか」
「ええ、そう思います」
オーランは変えないといけないとまでは思っていなかったが、オブレオサジュール公爵家は生まれ変わると信じている。
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ここでも、ファリスが驚くことになった。いつもは70位か80位に名前のあるモリーが、すぐに見つかってしまったのである。
驚くあまり、そのままケリーに話をしに向かった。
「3位ですか?」
「ああ。今日、今回の学園の試験結果が届いたのだ。それで、目を通していたら、モリー嬢が3位なのだよ」
「っえ、頑張ったのかしら」
「そうだろうな……満点もある」
「まあ」
「もしかしたら、これまで目立たぬように本気を出していなかったのかもしれない。高位貴族は王家と同じで、良い点を取って当然ということもあるからな。わざわざひけらかす必要はないと考えたのかもしれない」
首位を取って当然とされている王族は、試験の結果には入れないとされており、オルトは学園の結果には入っていない。
「あの子ならそこまで考えそうですね。私が思ったように公爵令嬢なのにと、悪目立ちはしたかもしれませんけど、最初だけでしょうし、最低限の点数は取っているのだから、学園からは文句は言われない」
「ああ、これが中等部からだったら、余計に目を付けられることになっただろう」
「それは、完全にそうね」
公爵令嬢で3位以内に入れば、下位貴族は当然であると思うかもしれないが、同じ高位貴族はそうは思わない。
公爵家であることから、口に出す者は限られるが、令息は令嬢の癖にと思い、令嬢からは自分よりも優秀なことに目を付けられるだろう。
「目立たないようにするためには、モリーのしたことは正解ね」
「ああ、だが婚約のことも、治癒術のこともあるから、それに相応しいように、本気を出したのかもしれない」
「ええ、でも私たちは静観しましょう」
下手に問い詰めたりすることは必要のないことであり、モリーのしたいようにさせようと考えた。
「そうだな」
「それで、オルトはどうでしたか?」
「順位に入るなら、6位だな」
「そうですか……」
レルスは変動はあったが、3位以内には入っており、成績だけではないが、二人は黙るしかなかった。
モリーはブレフォスにも、ファリスとケリーにもそんなことを思われているとは考えなかったが、何も言って来ないなとは思っていた。
だが、聞かれたらどう答えるかな、正直に言うべきかなとは思っていたので、モリーには都合が良かった。
レルスもモリーから3位だったのと手紙を受け取ることもなく、ケリーから聞かされることになった。
「えっ、3位ですか」
「ええ、満点もあったわ」
「ファリスも私も同意見なのだけど、今まで本気を出していなかったのではないかと思っているの」
「私も考えたことはありました」
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