病める時も、健やかではない時も

野村にれ

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試験4

「ですが、頭の回転が速いことと、勉強ができると言うのは違いますから、そうなのかと納得していたのです」
「それもあるわね。勉強ができなくても、一つ秀でたものがあるというのも、立派な魅力だと思うわ」
「はい」

 モリーは成績が良くなくても、魔術が使えなくとも、公爵令嬢という立場は関係なく、作ったドレスで多くの心を掴んでいた。

「すべてはモリーの目立ちたくなかったということに繋がると思うのよ」
「確かにそうですね。公爵令嬢で、成績が良くて、治癒術が使えて、ドレスも作れますから、無敵になってしまいます」

 まさに王家が婚約者にと喜びそうな存在になり、いくらオブレオサジュール公爵家に問題があっても、モリー自身には関係ないとされたことだろう。

「てんこ盛りね!でも、そういうことよ。モリーのしたことは、悪だということはないでしょう?周りに迷惑を掛けたわけではない」
「はい、そう思っています。ですが、母上も柔軟になりましたね」
「ええ、そうでしょう?私も自分でもそう思っているの」

 ケリーは色眼鏡で見ることは今でもしてしまうが、それでも何か理由があったのかもしれない。どう思ってこんなことをしたのだろう、その後のことをちゃんと考えるようにしていた。

 特に王太子の白紙になってから、顕著に柔軟になっており、自覚もあった。

「だから、モリーのことを責めたり、問い詰めたりする気は、私もファリスもないから安心して頂戴」
「私もありませんよ」

 なぜそんなに上がったのかと聞きたい気持ちはあるが、問い詰める気はレルスもなかった。元より、モリーが意味のないことをするとは思えなかった。

「ですが驚かされてばかりですね」
「それはそうね、ファリスも驚いていたわ。多分だけど、オブレオサジュール公爵も驚いているのではない?」
「おそらく、そうでしょうね……」

 モリーとブレフォスの関係が悪くもないが良くもないことは、レルスもケリーも勘付いていた。

「でも、弟とは話をするようになったそうですよ」

 モリーの手紙で、初めてと言っていいほど、ロレインと話をすることができた。

 弟だから自分と似た存在であるはずなのに、自分とは違うと思っていたことを恥じることになってしまったとあった。

 だが、それからは時折、話をすることもあるとあって、レルスも良かったと感じていた。

「まあ、そうなの?カリーナが抱え込んでいるのではないの?」
「中等部に入ったからではないでしょうか」
「なるほどね、モリーと上手くいっているの?」
「今のところはそのようです。でも、ご両親には見せないようにしていると書いてありましたので、母上も言わないでくださいね」
「分かったわ、絶対に言わないわ。でも会ってみたいわね。どんな子なのかしら?」

 モリーもだったが、ロレインを見ることもなく、当然だが話したこともない。

「モリーは意外と計算高いと、そこが自分にも似ていると書いておりました」
「まあ!」
「私も話してみたいのですけどね」
「二人なら、いえ、良くないわね」
「何ですか?」
「いや、ご姉弟でお茶会にでもと思ったけど、13歳よね。エリーのお相手なんて思われたら困る年齢ね」
「ああ……そうですね、どこで見られているか分からないですから」

 エリーは14歳、ロレインが一つ年下なら、下手に縁談だと思われては困る。

 白紙になってから時間が経ったことで、貴族からは婚約者はいつ決めるのかという問い合わせ、令嬢令息はどうかという売り込みもあり、父親と一緒に登城してレルスやエリーに会おうとしたり、学園でオルトに売り込もうとする令嬢もいる。

 ゆえに現在、王家は三人ともまだ考えていないとしているために、誤解を招く行動はできない。

「グッと我慢して、いずれにしましょう」
「そうですね、その方がいいでしょう」

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