215 / 332
試験4
「ですが、頭の回転が速いことと、勉強ができると言うのは違いますから、そうなのかと納得していたのです」
「それもあるわね。勉強ができなくても、一つ秀でたものがあるというのも、立派な魅力だと思うわ」
「はい」
モリーは成績が良くなくても、魔術が使えなくとも、公爵令嬢という立場は関係なく、作ったドレスで多くの心を掴んでいた。
「すべてはモリーの目立ちたくなかったということに繋がると思うのよ」
「確かにそうですね。公爵令嬢で、成績が良くて、治癒術が使えて、ドレスも作れますから、無敵になってしまいます」
まさに王家が婚約者にと喜びそうな存在になり、いくらオブレオサジュール公爵家に問題があっても、モリー自身には関係ないとされたことだろう。
「てんこ盛りね!でも、そういうことよ。モリーのしたことは、悪だということはないでしょう?周りに迷惑を掛けたわけではない」
「はい、そう思っています。ですが、母上も柔軟になりましたね」
「ええ、そうでしょう?私も自分でもそう思っているの」
ケリーは色眼鏡で見ることは今でもしてしまうが、それでも何か理由があったのかもしれない。どう思ってこんなことをしたのだろう、その後のことをちゃんと考えるようにしていた。
特に王太子の白紙になってから、顕著に柔軟になっており、自覚もあった。
「だから、モリーのことを責めたり、問い詰めたりする気は、私もファリスもないから安心して頂戴」
「私もありませんよ」
なぜそんなに上がったのかと聞きたい気持ちはあるが、問い詰める気はレルスもなかった。元より、モリーが意味のないことをするとは思えなかった。
「ですが驚かされてばかりですね」
「それはそうね、ファリスも驚いていたわ。多分だけど、オブレオサジュール公爵も驚いているのではない?」
「おそらく、そうでしょうね……」
モリーとブレフォスの関係が悪くもないが良くもないことは、レルスもケリーも勘付いていた。
「でも、弟とは話をするようになったそうですよ」
モリーの手紙で、初めてと言っていいほど、ロレインと話をすることができた。
弟だから自分と似た存在であるはずなのに、自分とは違うと思っていたことを恥じることになってしまったとあった。
だが、それからは時折、話をすることもあるとあって、レルスも良かったと感じていた。
「まあ、そうなの?カリーナが抱え込んでいるのではないの?」
「中等部に入ったからではないでしょうか」
「なるほどね、モリーと上手くいっているの?」
「今のところはそのようです。でも、ご両親には見せないようにしていると書いてありましたので、母上も言わないでくださいね」
「分かったわ、絶対に言わないわ。でも会ってみたいわね。どんな子なのかしら?」
モリーもだったが、ロレインを見ることもなく、当然だが話したこともない。
「モリーは意外と計算高いと、そこが自分にも似ていると書いておりました」
「まあ!」
「私も話してみたいのですけどね」
「二人なら、いえ、良くないわね」
「何ですか?」
「いや、ご姉弟でお茶会にでもと思ったけど、13歳よね。エリーのお相手なんて思われたら困る年齢ね」
「ああ……そうですね、どこで見られているか分からないですから」
エリーは14歳、ロレインが一つ年下なら、下手に縁談だと思われては困る。
白紙になってから時間が経ったことで、貴族からは婚約者はいつ決めるのかという問い合わせ、令嬢令息はどうかという売り込みもあり、父親と一緒に登城してレルスやエリーに会おうとしたり、学園でオルトに売り込もうとする令嬢もいる。
ゆえに現在、王家は三人ともまだ考えていないとしているために、誤解を招く行動はできない。
「グッと我慢して、いずれにしましょう」
「そうですね、その方がいいでしょう」
「それもあるわね。勉強ができなくても、一つ秀でたものがあるというのも、立派な魅力だと思うわ」
「はい」
モリーは成績が良くなくても、魔術が使えなくとも、公爵令嬢という立場は関係なく、作ったドレスで多くの心を掴んでいた。
「すべてはモリーの目立ちたくなかったということに繋がると思うのよ」
「確かにそうですね。公爵令嬢で、成績が良くて、治癒術が使えて、ドレスも作れますから、無敵になってしまいます」
まさに王家が婚約者にと喜びそうな存在になり、いくらオブレオサジュール公爵家に問題があっても、モリー自身には関係ないとされたことだろう。
「てんこ盛りね!でも、そういうことよ。モリーのしたことは、悪だということはないでしょう?周りに迷惑を掛けたわけではない」
「はい、そう思っています。ですが、母上も柔軟になりましたね」
「ええ、そうでしょう?私も自分でもそう思っているの」
ケリーは色眼鏡で見ることは今でもしてしまうが、それでも何か理由があったのかもしれない。どう思ってこんなことをしたのだろう、その後のことをちゃんと考えるようにしていた。
特に王太子の白紙になってから、顕著に柔軟になっており、自覚もあった。
「だから、モリーのことを責めたり、問い詰めたりする気は、私もファリスもないから安心して頂戴」
「私もありませんよ」
なぜそんなに上がったのかと聞きたい気持ちはあるが、問い詰める気はレルスもなかった。元より、モリーが意味のないことをするとは思えなかった。
「ですが驚かされてばかりですね」
「それはそうね、ファリスも驚いていたわ。多分だけど、オブレオサジュール公爵も驚いているのではない?」
「おそらく、そうでしょうね……」
モリーとブレフォスの関係が悪くもないが良くもないことは、レルスもケリーも勘付いていた。
「でも、弟とは話をするようになったそうですよ」
モリーの手紙で、初めてと言っていいほど、ロレインと話をすることができた。
弟だから自分と似た存在であるはずなのに、自分とは違うと思っていたことを恥じることになってしまったとあった。
だが、それからは時折、話をすることもあるとあって、レルスも良かったと感じていた。
「まあ、そうなの?カリーナが抱え込んでいるのではないの?」
「中等部に入ったからではないでしょうか」
「なるほどね、モリーと上手くいっているの?」
「今のところはそのようです。でも、ご両親には見せないようにしていると書いてありましたので、母上も言わないでくださいね」
「分かったわ、絶対に言わないわ。でも会ってみたいわね。どんな子なのかしら?」
モリーもだったが、ロレインを見ることもなく、当然だが話したこともない。
「モリーは意外と計算高いと、そこが自分にも似ていると書いておりました」
「まあ!」
「私も話してみたいのですけどね」
「二人なら、いえ、良くないわね」
「何ですか?」
「いや、ご姉弟でお茶会にでもと思ったけど、13歳よね。エリーのお相手なんて思われたら困る年齢ね」
「ああ……そうですね、どこで見られているか分からないですから」
エリーは14歳、ロレインが一つ年下なら、下手に縁談だと思われては困る。
白紙になってから時間が経ったことで、貴族からは婚約者はいつ決めるのかという問い合わせ、令嬢令息はどうかという売り込みもあり、父親と一緒に登城してレルスやエリーに会おうとしたり、学園でオルトに売り込もうとする令嬢もいる。
ゆえに現在、王家は三人ともまだ考えていないとしているために、誤解を招く行動はできない。
「グッと我慢して、いずれにしましょう」
「そうですね、その方がいいでしょう」
あなたにおすすめの小説
真実の愛の裏側
藍田ひびき
恋愛
アレックス・ロートン侯爵令息の第一夫人シェリルが療養のため領地へ居を移した。それは療養とは名ばかりの放逐。
男爵家出身でありながら侯爵令息に見初められ、「真実の愛」と持て囃された彼女の身に何があったのか。その裏に隠された事情とは――?
※ 他サイトにも投稿しています。
三度裏切られた私が、四度目で「離婚」を選ぶまで
狛犬
恋愛
三度、夫に裏切られた。
一度目は信じた。
二度目は耐えた。
三度目は――すべてを失った。
そして私は、屋上から身を投げた。
……はずだった。
目を覚ますと、そこは過去。
すべてが壊れる前の、まだ何も起きていない時間。
――四度目の人生。
これまでの三度、私は同じ選択を繰り返し、
同じように裏切られ、すべてを失ってきた。
だから今度は、もう決めている。
「もう、陸翔はいらない」
愛していた。
けれど、もう疲れた。
今度こそ――
自分を守るために、家族を守るために、
私は、自分から手を放す。
これは、三度裏切られた女が、
四度目の人生で「選び直す」物語。
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
やり直し令嬢は本当にやり直す
お好み焼き
恋愛
やり直しにも色々あるものです。婚約者に若い令嬢に乗り換えられ婚約解消されてしまったので、本来なら婚約する前に時を巻き戻すことが出来ればそれが一番よかったのですけれど、そんな事は神ではないわたくしには不可能です。けれどわたくしの場合は、寿命は変えられないけど見た目年齢は変えられる不老のエルフの血を引いていたお陰で、本当にやり直すことができました。一方わたくしから若いご令嬢に乗り換えた元婚約者は……。
【完結】竜人が番と出会ったのに、誰も幸せにならなかった
凛蓮月@騎士の夫〜発売中です
恋愛
【感想をお寄せ頂きありがとうございました(*^^*)】
竜人のスオウと、酒場の看板娘のリーゼは仲睦まじい恋人同士だった。
竜人には一生かけて出会えるか分からないとされる番がいるが、二人は番では無かった。
だがそんな事関係無いくらいに誰から見ても愛し合う二人だったのだ。
──ある日、スオウに番が現れるまでは。
全8話。
※他サイトで同時公開しています。
※カクヨム版より若干加筆修正し、ラストを変更しています。
花嫁は忘れたい
基本二度寝
恋愛
術師のもとに訪れたレイアは愛する人を忘れたいと願った。
結婚を控えた身。
だから、結婚式までに愛した相手を忘れたいのだ。
政略結婚なので夫となる人に愛情はない。
結婚後に愛人を家に入れるといった男に愛情が湧こうはずがない。
絶望しか見えない結婚生活だ。
愛した男を思えば逃げ出したくなる。
だから、家のために嫁ぐレイアに希望はいらない。
愛した彼を忘れさせてほしい。
レイアはそう願った。
完結済。
番外アップ済。
(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・
青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。
「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」
私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・
異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。
姉の婚約者と結婚しました。
黒蜜きな粉
恋愛
花嫁が結婚式の当日に逃亡した。
式場には両家の関係者だけではなく、すでに来賓がやってきている。
今さら式を中止にするとは言えない。
そうだ、花嫁の姉の代わりに妹を結婚させてしまえばいいじゃないか!
姉の代わりに辺境伯家に嫁がされることになったソフィア。
これも貴族として生まれてきた者の務めと割り切って嫁いだが、辺境伯はソフィアに興味を示さない。
それどころか指一本触れてこない。
「嫁いだ以上はなんとしても後継ぎを生まなければ!」
ソフィアは辺境伯に振りむいて貰おうと奮闘する。
2022/4/8
番外編完結