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招待状2
「関わりがあったのか?」
「いえ、話したこともないそうです」
「分かった、断ったことも含めて話を上げておく」
「よろしくお願いいたします」
いくら問い正しても脅しても、依頼人が何も話さないために、疑われていたクルージ伯爵家はモリーたちが言っていたこと以外だったらどんな意図があるだろうかと、コーレイドは考えながら歩いていた。
「戻っていたのか」
声を掛けたのはレルスで、モリーの護衛をしていることも知っていた。
コーレイドには見せないが、今回のことで冷静に怒りを持っており、二度目は机を叩き付け、早く犯人を見付けだすと強く思っていた。
だが、オルトの手前、参加することはできないために、自分のできる限り、怪しいと思われる者を色々調べたりしていた。
「はい、丁度、騎士団長に話して来たのですが」
「中で聞こう」
レルスは自室にコーレイドを招き入れた。
「モリー様にクルージ伯爵家から、ナイリーア嬢の誕生日パーティーの招待状が届きました」
「クルージ伯爵家から?」
「はい、モリー様はナイリーア嬢と話したこともないのにです」
「年齢も違うものな」
ナイリーアはマキュレアリリージュと同い年であるが、二人に関係もないために、繋がるはずもない。
「確か、あの異母妹がクルージ伯爵家のディナーパーティーに誘われて、モリーのドレスを着て行くという話があったな」
「では、ドレスが目的でしょうか?」
「可能性がなくはないだろうな」
マキュレアリリージュをモリーへの足掛かりにするつもりだったのか、ドレスに興味があったのか、どちらにせよマキュレアリリージュに興味があったわけではないことは確かだろう。
「モリー様とペイリー嬢は断られることが目的で、断られたと悲しんで見せて、祭り上げる気ではないかとまでおっしゃっておりました」
「冷たい女だと?」
印象操作をすることはあるが、モリーがそんなことで評価が下がることはないだろう。むしろ、知り合いだったのかとナイリーアの方が思われるのではないか。
「はい、そんなこと思いもしませんでした。ですが、ペイリー嬢が話したこともない公爵令嬢に自分の誕生日パーティーの招待状を送るなど、できないというのには納得しました。私も絶対にしません」
「私は誘ってくれれば参加するぞ?」
「いえいえ」
元よりコレドールの誕生日会など行われていないために、参加しようもない。
「まあモリーを気軽に誘えるのは、それこそエリーくらいだろうな」
「はい、それならば納得です。完全に違和感があります。歩きながら、どのような意図が考えられるのだろうかと思っておりました」
その言葉にレルスも、招待状の意図を考えてみることにした。
「そうだな。来てもらえば、毒などで害することもできるだろうな」
「はい、それはそうです」
「脅すようなことは、特にないと思う」
「はい」
「令嬢の魔術はどうだったか?」
「土魔法です」
コーレイドは鑑定ができるために、魔術が使える全員を把握している。
「王子殿下の婚約者候補になりたいそうだからな」
「はい」
クルージ伯爵家から何度も、王子殿下の婚約者候補がまた集められる際にはぜひと売り込みが、ダンサム公爵家と同様に激しい家であった。
リークレアは火魔法、ナイリーアは土魔法が使えるというのも、アピールポイントであった。
「もしかしたら、公爵令嬢、婚約者候補ではなかった者として、探りを入れるつもりなのかもしれないが……」
「そうですね。でもモリー様は行きたくない、護衛も大変だからとおっしゃっていました」
「両方、本心ではないか?」
「話したこともない相手にお誕生日おめでとうなんて、何だか、と思いますしね」
自分がとはなかなか想像はできなかったが、もし誘われたとしても、たどたどしい感じになってしまうだろうことは考えられた。
「いえ、話したこともないそうです」
「分かった、断ったことも含めて話を上げておく」
「よろしくお願いいたします」
いくら問い正しても脅しても、依頼人が何も話さないために、疑われていたクルージ伯爵家はモリーたちが言っていたこと以外だったらどんな意図があるだろうかと、コーレイドは考えながら歩いていた。
「戻っていたのか」
声を掛けたのはレルスで、モリーの護衛をしていることも知っていた。
コーレイドには見せないが、今回のことで冷静に怒りを持っており、二度目は机を叩き付け、早く犯人を見付けだすと強く思っていた。
だが、オルトの手前、参加することはできないために、自分のできる限り、怪しいと思われる者を色々調べたりしていた。
「はい、丁度、騎士団長に話して来たのですが」
「中で聞こう」
レルスは自室にコーレイドを招き入れた。
「モリー様にクルージ伯爵家から、ナイリーア嬢の誕生日パーティーの招待状が届きました」
「クルージ伯爵家から?」
「はい、モリー様はナイリーア嬢と話したこともないのにです」
「年齢も違うものな」
ナイリーアはマキュレアリリージュと同い年であるが、二人に関係もないために、繋がるはずもない。
「確か、あの異母妹がクルージ伯爵家のディナーパーティーに誘われて、モリーのドレスを着て行くという話があったな」
「では、ドレスが目的でしょうか?」
「可能性がなくはないだろうな」
マキュレアリリージュをモリーへの足掛かりにするつもりだったのか、ドレスに興味があったのか、どちらにせよマキュレアリリージュに興味があったわけではないことは確かだろう。
「モリー様とペイリー嬢は断られることが目的で、断られたと悲しんで見せて、祭り上げる気ではないかとまでおっしゃっておりました」
「冷たい女だと?」
印象操作をすることはあるが、モリーがそんなことで評価が下がることはないだろう。むしろ、知り合いだったのかとナイリーアの方が思われるのではないか。
「はい、そんなこと思いもしませんでした。ですが、ペイリー嬢が話したこともない公爵令嬢に自分の誕生日パーティーの招待状を送るなど、できないというのには納得しました。私も絶対にしません」
「私は誘ってくれれば参加するぞ?」
「いえいえ」
元よりコレドールの誕生日会など行われていないために、参加しようもない。
「まあモリーを気軽に誘えるのは、それこそエリーくらいだろうな」
「はい、それならば納得です。完全に違和感があります。歩きながら、どのような意図が考えられるのだろうかと思っておりました」
その言葉にレルスも、招待状の意図を考えてみることにした。
「そうだな。来てもらえば、毒などで害することもできるだろうな」
「はい、それはそうです」
「脅すようなことは、特にないと思う」
「はい」
「令嬢の魔術はどうだったか?」
「土魔法です」
コーレイドは鑑定ができるために、魔術が使える全員を把握している。
「王子殿下の婚約者候補になりたいそうだからな」
「はい」
クルージ伯爵家から何度も、王子殿下の婚約者候補がまた集められる際にはぜひと売り込みが、ダンサム公爵家と同様に激しい家であった。
リークレアは火魔法、ナイリーアは土魔法が使えるというのも、アピールポイントであった。
「もしかしたら、公爵令嬢、婚約者候補ではなかった者として、探りを入れるつもりなのかもしれないが……」
「そうですね。でもモリー様は行きたくない、護衛も大変だからとおっしゃっていました」
「両方、本心ではないか?」
「話したこともない相手にお誕生日おめでとうなんて、何だか、と思いますしね」
自分がとはなかなか想像はできなかったが、もし誘われたとしても、たどたどしい感じになってしまうだろうことは考えられた。
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