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仮定
「魔術の有無というよりは、リークレア・ダンサム公爵令嬢でも同じです。モリー様に力がありすぎ、あちらになさすぎるからです」
「そんな制約があったの?」
「はい、昔は罰として行っていたこともあり、その部分では有用だったのですけど、それ以上に理不尽な契約が増えたのです。それこそ、魔力を一生譲渡するなど」
「まあ、怖い」
罰としてだけに使うか、術式を変えるかと、魔法契約を見直すことになり、罰として使うことは諦めたと言われている。
それまでは魔力量の多い者から奪ったり、一生使えるなど、利用していた。
「そうなのです。ですので、爵位などは魔術で分かるものではありませんが、魔力量は大きく差がないこと、これが組み込まれているのです」
「もし一生で行っていたら?」
「破綻していたと思います。ですが、あちらは理由が分からない。それこそ、私のような鑑定士がいなければ、もしかしてと思うはずです」
「だったら、ゼアンラーク侯爵令嬢とリークレア嬢だったら?」
「了承すれば、可能だと思います」
モリーは正確には何のお願いだったかは分からないが、婚約に関することなのだろうと思ってはいたが、言いたかったことが全く気にならなかった。
「あちらがこれからどうする気かが気になりますね」
「興味ないから、諦めてくれるといいんだけど」
「ミチリーア嬢は違いましたが、サリリーナ嬢は敵意を向けていました」
「ええ、ミチリーア嬢は怒られているかもしれませんね」
「警戒は続けますので、ご安心ください」
「ありがとうございます」
コーレイドは報告も含めて王宮に戻り、ペイリーも帰宅していった。
モリーはひとりになって、今日のことを考えていた。
マレアとは三回目では関わりはあまりなかったが、話すことはあった。二回目ではモリーはグラス・イディアルソンと婚約し、マレアは今日一緒にいたサリリーナとミチリーアの兄・オリックと婚約していた。
ペイリーが女癖が悪かったせいなのか、マレアはグラスに挨拶と言いながらそっと触れたり、相談などもしていたようであった。
おそらく、王太子殿下の婚約者に選ばれず、他に相手が見付からず、オリックと婚約をしたのかもしれないが、公爵令息であるグラスを狙っていたのだろう。
王族が駄目で、その次の公爵令息だったのか、好みだったのか、誰かに固執することはないのかもしれないが、同時に一途とは言い難いことは確かだろう。
誰でもいいから王太子、王子、爵位の高い令息と結婚したいのかもしれない。
そして、今回は王太子が白紙になり、婚約者候補も白紙になり、どうなるか分からないまま、かなり切羽詰まっているのだろう。
そうなると狙いはレルスか、オルトなのだろうか。
レルスだったら、このまま仮ではなく、婚約となれば面倒なことになるだろう。だが、現時点でどうすることもできない。
それならば、グラスの婚約がどうなっているのか分からないが、公爵令息を狙ったの方がいいのではないか。
いや、もしかしたら、すでに動いているかもしれない。
だが、グラスにマレアは年上のお姉さんのように振舞っていた。まるで、エリュカ王女と似たようなもので、あまり好ましく思われていなさそうだった。そうなると、相性は良くないかもしれない。
マレアは侯爵令嬢という高貴な立場で、望みが叶っていないのかもしれない。
もしもマレアが自分を戻らせていたら、いや、マレアの戻ることにモリーが巻き込まれていたら、どうだろうか。
魔術も使えないマレアが戻すようなことが可能なのかは分からないが、望んだ婚約はできていない。レルスは一回目はモリー、二回目と三回目はレオーラ、四回目は決まっていない。
オルトは一回目は分からないが、二回目は戻った際は候補者の段階で、三回目はモリーで、四回目は決まっていない。
チャンスが巡って来たと考えているのではいだろうか。
「そんな制約があったの?」
「はい、昔は罰として行っていたこともあり、その部分では有用だったのですけど、それ以上に理不尽な契約が増えたのです。それこそ、魔力を一生譲渡するなど」
「まあ、怖い」
罰としてだけに使うか、術式を変えるかと、魔法契約を見直すことになり、罰として使うことは諦めたと言われている。
それまでは魔力量の多い者から奪ったり、一生使えるなど、利用していた。
「そうなのです。ですので、爵位などは魔術で分かるものではありませんが、魔力量は大きく差がないこと、これが組み込まれているのです」
「もし一生で行っていたら?」
「破綻していたと思います。ですが、あちらは理由が分からない。それこそ、私のような鑑定士がいなければ、もしかしてと思うはずです」
「だったら、ゼアンラーク侯爵令嬢とリークレア嬢だったら?」
「了承すれば、可能だと思います」
モリーは正確には何のお願いだったかは分からないが、婚約に関することなのだろうと思ってはいたが、言いたかったことが全く気にならなかった。
「あちらがこれからどうする気かが気になりますね」
「興味ないから、諦めてくれるといいんだけど」
「ミチリーア嬢は違いましたが、サリリーナ嬢は敵意を向けていました」
「ええ、ミチリーア嬢は怒られているかもしれませんね」
「警戒は続けますので、ご安心ください」
「ありがとうございます」
コーレイドは報告も含めて王宮に戻り、ペイリーも帰宅していった。
モリーはひとりになって、今日のことを考えていた。
マレアとは三回目では関わりはあまりなかったが、話すことはあった。二回目ではモリーはグラス・イディアルソンと婚約し、マレアは今日一緒にいたサリリーナとミチリーアの兄・オリックと婚約していた。
ペイリーが女癖が悪かったせいなのか、マレアはグラスに挨拶と言いながらそっと触れたり、相談などもしていたようであった。
おそらく、王太子殿下の婚約者に選ばれず、他に相手が見付からず、オリックと婚約をしたのかもしれないが、公爵令息であるグラスを狙っていたのだろう。
王族が駄目で、その次の公爵令息だったのか、好みだったのか、誰かに固執することはないのかもしれないが、同時に一途とは言い難いことは確かだろう。
誰でもいいから王太子、王子、爵位の高い令息と結婚したいのかもしれない。
そして、今回は王太子が白紙になり、婚約者候補も白紙になり、どうなるか分からないまま、かなり切羽詰まっているのだろう。
そうなると狙いはレルスか、オルトなのだろうか。
レルスだったら、このまま仮ではなく、婚約となれば面倒なことになるだろう。だが、現時点でどうすることもできない。
それならば、グラスの婚約がどうなっているのか分からないが、公爵令息を狙ったの方がいいのではないか。
いや、もしかしたら、すでに動いているかもしれない。
だが、グラスにマレアは年上のお姉さんのように振舞っていた。まるで、エリュカ王女と似たようなもので、あまり好ましく思われていなさそうだった。そうなると、相性は良くないかもしれない。
マレアは侯爵令嬢という高貴な立場で、望みが叶っていないのかもしれない。
もしもマレアが自分を戻らせていたら、いや、マレアの戻ることにモリーが巻き込まれていたら、どうだろうか。
魔術も使えないマレアが戻すようなことが可能なのかは分からないが、望んだ婚約はできていない。レルスは一回目はモリー、二回目と三回目はレオーラ、四回目は決まっていない。
オルトは一回目は分からないが、二回目は戻った際は候補者の段階で、三回目はモリーで、四回目は決まっていない。
チャンスが巡って来たと考えているのではいだろうか。
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