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誕生祭7
「今日は国王陛下のお祝いの席だ、優先することがあるのではないか?それとも、クルージ伯爵の方が優先だとでも言うつもりか?」
「っ、いいえ」
こうやって体調に心配のある高齢の方がいる場合、別の部屋を取っておく貴族はいるが、今日は縁談や商談をしたりするような日ではない。
同級生は誰かは言わずに、会えば分かりますからと言っていたたために、どなたか高齢の方なのではないかとブレフォスは考えていた。
「で、何だ?早くしてくれ」
「是非、ご令嬢とご子息とパーティーに来ていただけないかと思いまして」
招待状を送る前に許可を得ておくために、ブレフォスは呼び出されたのである。
「なぜだ?そもそも、話したこともない娘に誕生日パーティーの招待状を送って来たのはなぜだ?」
「親しくなれたらと思いまして、ご令嬢だけお誘いしたのはこちらの不手際でございました」
クルージ伯爵は一人では招待を受け辛かっただろうと判断しており、ならば皆で一緒に来てもらえばいいと考えていた。
「は?年齢も違う、話したこともない相手から届いたら、気味が悪いと思わないか?何か意図があったのか?」
「いいえ、娘はお近づきになりたいと思っただけでございます」
「そうか、パーティーはお断りさせてもらう。別の相手を探すといい」
「なぜで、しょうか」
エリーナは優しくされた記憶もないのだが、あまりに取り付く島もないブレフォスに問い掛けていた。
「娘は不信感を抱いている、息子からもクルージ伯爵家のことは聞いたことがない。親しくもないのだろう?」
「いいえ、娘はご子息とはお話をすることがあると聞いております」
「そうか、だが私は聞いていない。それが答えだ。では失礼する」
ブレフォスは同級生をひと睨みして、そのまま出て行き、クルージ伯爵夫妻に止めるような権利はない。
会場に戻ったブレフォスは、モリーとフシュナ伯爵夫妻を探していると、モリーがリークレアとマレアを話をしているところだったが、丁度モリーが離れたところであった。
モリーは反対側に向かっており、ブレフォスは三人を追った。
「モリー」
「お父様、終わりましたか」
「ああ、碌でもなかった」
「まあ、私も案の定という方々が……」
「先程、話しているところを見たよ。大丈夫だったか?」
「ええ、ここで騒ぎは起こしませんでしょう」
リークレアは騒ぎというレベルではあったが、いつものことであるために騒ぎの扱いにはならない。掴み掛ったり、怒鳴り合っていたわけではないと思っていたが、しばらくするとリークレアの声が響き、マレアに詰め寄っていた。
「何ですって!取り消して頂戴!」
「そんな大きな声を出さないでください。私はダンサム公爵令嬢を見習って事実を言っただけですわ」
モリーはまだあの二人は一緒にいたのか。マレアかサリリーナが何か言ったのだろうかと思ったが、さすがに王家の席にも近かったために、ファリスの耳にも届いてしまった。
「何の騒ぎだ!」
さすがにダンサム公爵もリークレアのそばに行き、ファリスに向かって頭を下げた。
「申し訳ございません」
「ダンサム公爵のご令嬢か?何の騒ぎだ?」
「いえ、少し話が白熱してしまったようで、失礼いたしました」
リークレアはまだマレアを睨み付けており、マレアは注目を集めてしまったことに、さすがに動揺していた。おかげでゼアンラーク侯爵も、やって来ることになってしまった。
「何をしているのだ」
「いえ……少し、言い合いになっただけです」
「陛下、申し訳ございません。ダンサム公爵、ご令嬢も申し訳ございませんでした」
「お父様、私は事実を伝えただけで」
ゼアンラーク侯爵は何があったとしても、立場上は頭を下げるしかなかったが、マレアは不服であった。
「っ、いいえ」
こうやって体調に心配のある高齢の方がいる場合、別の部屋を取っておく貴族はいるが、今日は縁談や商談をしたりするような日ではない。
同級生は誰かは言わずに、会えば分かりますからと言っていたたために、どなたか高齢の方なのではないかとブレフォスは考えていた。
「で、何だ?早くしてくれ」
「是非、ご令嬢とご子息とパーティーに来ていただけないかと思いまして」
招待状を送る前に許可を得ておくために、ブレフォスは呼び出されたのである。
「なぜだ?そもそも、話したこともない娘に誕生日パーティーの招待状を送って来たのはなぜだ?」
「親しくなれたらと思いまして、ご令嬢だけお誘いしたのはこちらの不手際でございました」
クルージ伯爵は一人では招待を受け辛かっただろうと判断しており、ならば皆で一緒に来てもらえばいいと考えていた。
「は?年齢も違う、話したこともない相手から届いたら、気味が悪いと思わないか?何か意図があったのか?」
「いいえ、娘はお近づきになりたいと思っただけでございます」
「そうか、パーティーはお断りさせてもらう。別の相手を探すといい」
「なぜで、しょうか」
エリーナは優しくされた記憶もないのだが、あまりに取り付く島もないブレフォスに問い掛けていた。
「娘は不信感を抱いている、息子からもクルージ伯爵家のことは聞いたことがない。親しくもないのだろう?」
「いいえ、娘はご子息とはお話をすることがあると聞いております」
「そうか、だが私は聞いていない。それが答えだ。では失礼する」
ブレフォスは同級生をひと睨みして、そのまま出て行き、クルージ伯爵夫妻に止めるような権利はない。
会場に戻ったブレフォスは、モリーとフシュナ伯爵夫妻を探していると、モリーがリークレアとマレアを話をしているところだったが、丁度モリーが離れたところであった。
モリーは反対側に向かっており、ブレフォスは三人を追った。
「モリー」
「お父様、終わりましたか」
「ああ、碌でもなかった」
「まあ、私も案の定という方々が……」
「先程、話しているところを見たよ。大丈夫だったか?」
「ええ、ここで騒ぎは起こしませんでしょう」
リークレアは騒ぎというレベルではあったが、いつものことであるために騒ぎの扱いにはならない。掴み掛ったり、怒鳴り合っていたわけではないと思っていたが、しばらくするとリークレアの声が響き、マレアに詰め寄っていた。
「何ですって!取り消して頂戴!」
「そんな大きな声を出さないでください。私はダンサム公爵令嬢を見習って事実を言っただけですわ」
モリーはまだあの二人は一緒にいたのか。マレアかサリリーナが何か言ったのだろうかと思ったが、さすがに王家の席にも近かったために、ファリスの耳にも届いてしまった。
「何の騒ぎだ!」
さすがにダンサム公爵もリークレアのそばに行き、ファリスに向かって頭を下げた。
「申し訳ございません」
「ダンサム公爵のご令嬢か?何の騒ぎだ?」
「いえ、少し話が白熱してしまったようで、失礼いたしました」
リークレアはまだマレアを睨み付けており、マレアは注目を集めてしまったことに、さすがに動揺していた。おかげでゼアンラーク侯爵も、やって来ることになってしまった。
「何をしているのだ」
「いえ……少し、言い合いになっただけです」
「陛下、申し訳ございません。ダンサム公爵、ご令嬢も申し訳ございませんでした」
「お父様、私は事実を伝えただけで」
ゼアンラーク侯爵は何があったとしても、立場上は頭を下げるしかなかったが、マレアは不服であった。
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