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誕生祭9
「王太子殿下の婚約が決まっている、ということではないのでしょうか」
「そなたはおかしなことを言うのだな、王太子は決まっていない。まさか理解していなかったのか?」
「い、いえ、そうではなく……」
マレアは王太子が決まっていないことは理解はしているが、白紙になっても、レルスが王太子だと考えており、王太子妃イコール、レルスの婚約者だと考えている。
だから、敢えてレルスの婚約者とは言わないのである。
「王太子は決まっていない、婚約も決まっていない。それが事実だが、ゼアンラーク侯爵令嬢は何が言いたい?」
「陛下、娘は少々勘違いをしているのです。申し訳ございません」
ゼアンラーク侯爵はファリスが明らかにマレアを不愉快に感じていると受け止め、これ以上はと止めようとした。
「勘違い?確か、ゼアンラーク侯爵令嬢は元婚約者候補だったはずだよな?それなのに、勘違いということはないだろう?そなたも婚約はどうなっているのかと聞いていたではないか」
「っ、それは……」
ゼアンラーク侯爵もマレアが王太子殿下の婚約者になるために待っていることから、娘をとは言わないが、何度もそろそろ決めた方がいいと口を出し、何なら今日もファリスの誕生祭であるのにも関わらず、口にしていた。
「で、ゼアンラーク侯爵令嬢は勘違いをしていたわけではないだろう?何が言いたい?このような場で口にしたのだから、きちんと答えなさい」
「あの……」
マレアは追い込まれていたが、事実を聞きたい気持ちもあった。
「私は既に王太子妃が決まっているのではないかと考えておりました」
「決まっていないと説明したはずだが?」
「あ、はい……あの、モリー・オブレオサジュール公爵令嬢が有力になっているというのは、本当でしょうか」
今度はマレアの言葉に、モリーに視線が向いたが、モリーはブレフォスと顔を見合わせるだけで、何の反応もしなかった。
「モリー・オブレオサジュール公爵令嬢が王太子妃にということか?」
「はい、そうでございます」
「なぜだ?また噂か?ゼアンラーク侯爵令嬢は噂が好きなようだな」
「いえ、成績上位者になり、魔術も……ですが、オブレオサジュール公爵令嬢は王太子妃にはなりたくないと申しております」
ならないと言っただけで、なりたくないとはマレアには言っていないのだが、モリーが候補者に上がっているのなら、ここで考えを変えさせようと考えていた。
「魔術?何を言っているの?」
リークレアは黙って聞いていたが、成績上位者は身に染みていたが、魔術という言葉に引っ掛かっていた。それはリークレアだけではなく、モリーは魔術は使えないと思っていたために、動揺は広がっていた。
「ゼアンラーク侯爵令嬢、オブレオサジュール公爵令嬢は魔術は使えませんわよ」
リークレアにとって、現在、モリーに勝っている部分は魔術しかないと考えていたために、ファリスと話しているのにも関わらず、注意を行った。
正確には性格上、口にせずにはいられなかった。
「っえ」
マレアはファリスとの会話で緊張と、頭の中で色々考えていたために、リークレアに言われて、初めて魔術のことを口にしていたことに気付いた。
「……使えるという噂を聞いたのです」
「は?」
「誰に聞いた話だ?」
リークレアは何を言っているのだと、そんな噂は嘘に決まっているだろうと顔を顰め、言葉を続けようとしたが、ファリスが質問をしたために、続けられなかった。
「いえ、そこまでは覚えていなくて……ですが、事実なのでしょうか」
「ゼアンラーク侯爵令嬢には関係ないだろう?それとも関係があるというのか?」
モリーの魔術をまだ明かす気はなかったこともあるが、マレアに言われて、そうだと言うつもりもなかった。
「そなたはおかしなことを言うのだな、王太子は決まっていない。まさか理解していなかったのか?」
「い、いえ、そうではなく……」
マレアは王太子が決まっていないことは理解はしているが、白紙になっても、レルスが王太子だと考えており、王太子妃イコール、レルスの婚約者だと考えている。
だから、敢えてレルスの婚約者とは言わないのである。
「王太子は決まっていない、婚約も決まっていない。それが事実だが、ゼアンラーク侯爵令嬢は何が言いたい?」
「陛下、娘は少々勘違いをしているのです。申し訳ございません」
ゼアンラーク侯爵はファリスが明らかにマレアを不愉快に感じていると受け止め、これ以上はと止めようとした。
「勘違い?確か、ゼアンラーク侯爵令嬢は元婚約者候補だったはずだよな?それなのに、勘違いということはないだろう?そなたも婚約はどうなっているのかと聞いていたではないか」
「っ、それは……」
ゼアンラーク侯爵もマレアが王太子殿下の婚約者になるために待っていることから、娘をとは言わないが、何度もそろそろ決めた方がいいと口を出し、何なら今日もファリスの誕生祭であるのにも関わらず、口にしていた。
「で、ゼアンラーク侯爵令嬢は勘違いをしていたわけではないだろう?何が言いたい?このような場で口にしたのだから、きちんと答えなさい」
「あの……」
マレアは追い込まれていたが、事実を聞きたい気持ちもあった。
「私は既に王太子妃が決まっているのではないかと考えておりました」
「決まっていないと説明したはずだが?」
「あ、はい……あの、モリー・オブレオサジュール公爵令嬢が有力になっているというのは、本当でしょうか」
今度はマレアの言葉に、モリーに視線が向いたが、モリーはブレフォスと顔を見合わせるだけで、何の反応もしなかった。
「モリー・オブレオサジュール公爵令嬢が王太子妃にということか?」
「はい、そうでございます」
「なぜだ?また噂か?ゼアンラーク侯爵令嬢は噂が好きなようだな」
「いえ、成績上位者になり、魔術も……ですが、オブレオサジュール公爵令嬢は王太子妃にはなりたくないと申しております」
ならないと言っただけで、なりたくないとはマレアには言っていないのだが、モリーが候補者に上がっているのなら、ここで考えを変えさせようと考えていた。
「魔術?何を言っているの?」
リークレアは黙って聞いていたが、成績上位者は身に染みていたが、魔術という言葉に引っ掛かっていた。それはリークレアだけではなく、モリーは魔術は使えないと思っていたために、動揺は広がっていた。
「ゼアンラーク侯爵令嬢、オブレオサジュール公爵令嬢は魔術は使えませんわよ」
リークレアにとって、現在、モリーに勝っている部分は魔術しかないと考えていたために、ファリスと話しているのにも関わらず、注意を行った。
正確には性格上、口にせずにはいられなかった。
「っえ」
マレアはファリスとの会話で緊張と、頭の中で色々考えていたために、リークレアに言われて、初めて魔術のことを口にしていたことに気付いた。
「……使えるという噂を聞いたのです」
「は?」
「誰に聞いた話だ?」
リークレアは何を言っているのだと、そんな噂は嘘に決まっているだろうと顔を顰め、言葉を続けようとしたが、ファリスが質問をしたために、続けられなかった。
「いえ、そこまでは覚えていなくて……ですが、事実なのでしょうか」
「ゼアンラーク侯爵令嬢には関係ないだろう?それとも関係があるというのか?」
モリーの魔術をまだ明かす気はなかったこともあるが、マレアに言われて、そうだと言うつもりもなかった。
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